英国のシンクタンクが「自殺幇助合法化は弱者に危険」と報告書
英国の 施策研究所 the Center for Policy Studies から
自殺幇助を合法化すると、弱者が expendable(処分可能) だとみなされ、
家族や官僚から早々と死ななければならないようにプレッシャーがかかる、
との報告書。
自殺幇助を合法化すると、弱者が expendable(処分可能) だとみなされ、
家族や官僚から早々と死ななければならないようにプレッシャーがかかる、
との報告書。
タイトルは Assisted Suicide: How the Chattering Classes Have Got it Wrong
主著者の Cristina Odone氏が記事の中で言っているのは
これまでもだいたい指摘されてきたことで、
これまでもだいたい指摘されてきたことで、
"Legalising assisted suicide and euthanasia will put the socially marginalised at serious risk. Attempts to change the law should be resisted," she said.
"The elderly, people with severe disabilities, the mentally unstable, and those with terminal illnesses will be presented with self-inflicted death as a natural, normal and expected final solution."
Odone went on: "For the vulnerable, once it becomes enshrined in the law, this ‘right’ might turn into an obligation.
"They may feel that, once over a certain age, or grown too dependent on others, or too fed up with life, or too ill, they should opt for death."
"Worse, many may be coerced, actively or subtly, by cost-conscious hospitals, or by intended heirs with an eye to a legacy, or by exhausted carers.
"As assisted suicide becomes embedded in our culture, investing resources in caring for these vulnerable groups will be seen as a waste."
"The elderly, people with severe disabilities, the mentally unstable, and those with terminal illnesses will be presented with self-inflicted death as a natural, normal and expected final solution."
Odone went on: "For the vulnerable, once it becomes enshrined in the law, this ‘right’ might turn into an obligation.
"They may feel that, once over a certain age, or grown too dependent on others, or too fed up with life, or too ill, they should opt for death."
"Worse, many may be coerced, actively or subtly, by cost-conscious hospitals, or by intended heirs with an eye to a legacy, or by exhausted carers.
"As assisted suicide becomes embedded in our culture, investing resources in caring for these vulnerable groups will be seen as a waste."
合法化してセーフガードを設けた方が弱者は守られる、と反論。
そのエビデンス、下記のように、そろそろ出てきているよ、とも思うのだけど、
ベルギーにおける安楽死、自殺幇助の実態調査(2010/5/19)
英国の医療教育機関が自殺幇助合法化反対を確認(2010/7/7):ベルギーの実態調査情報あり
オレゴン州の尊厳死法、セーフガードは機能せず(2010/8/17)
WA州の尊厳死法、殺人の可能性あっても「問わず語らず」で(2010/9/16)
「やめておけ、豪の安楽死法は失敗だったぞ」と緩和ケア医がケベックの医師らに(2010/10/8)
英国の医療教育機関が自殺幇助合法化反対を確認(2010/7/7):ベルギーの実態調査情報あり
オレゴン州の尊厳死法、セーフガードは機能せず(2010/8/17)
WA州の尊厳死法、殺人の可能性あっても「問わず語らず」で(2010/9/16)
「やめておけ、豪の安楽死法は失敗だったぞ」と緩和ケア医がケベックの医師らに(2010/10/8)
でも、どうも、「死の自己決定権」ロビーって、
見たくないことは頑として見えないことにする、もしくは、
ヘリクツ並べて、「ある」事態も「ある」とは認めない姿勢なんじゃないのかな……とも。
見たくないことは頑として見えないことにする、もしくは、
ヘリクツ並べて、「ある」事態も「ある」とは認めない姿勢なんじゃないのかな……とも。
これは、そういう種類の「すべり坂」なんだから
つまり、
「すべり坂」を案じる人は「そういう死なされ方をする人間が
一人でも出るような社会にしてはいけない」と考えているのに対して、
「すべり坂」を案じる人は「そういう死なされ方をする人間が
一人でも出るような社会にしてはいけない」と考えているのに対して、
「すべり坂は起こらない、起こるというならエビデンスを出せ」と言っている人は、
「そういう死なされ方をする人間が少々出るのはやむを得ないが
そういう人が山のように出ることは防げるだろう」と考えている、ということでは?
「そういう死なされ方をする人間が少々出るのはやむを得ないが
そういう人が山のように出ることは防げるだろう」と考えている、ということでは?
【21日追記】
この報告書の主著者のOdone氏がTelegraphのブログに
自殺幇助は持てる者と持たざる者の問題だ、
DignitasのMinelliは持てる者の自殺幇助で金儲けをしている、と記事を書いています。
DignitasのMinelliは持てる者の自殺幇助で金儲けをしている、と記事を書いています。
エラソーに何様のつもりだ、自分の考えを人に押しつけるな、と
寄せられたコメントが、いつものことながらタカビー。
寄せられたコメントが、いつものことながらタカビー。
障害のある生は生きるに値しないとか、価値が低いとされる問題でも、
結局のところ能力を巡っての「持てる者」あるいは「持っていると勝手に自認している者」と
「持たざる者」あるいは「持っていないと決めつけられている者」との話、
結局のところ能力を巡っての「持てる者」あるいは「持っていると勝手に自認している者」と
「持たざる者」あるいは「持っていないと決めつけられている者」との話、
あるいは、単なる知的エリートの「傲慢」の話なんじゃないか……と
私は最近、そういう気がしていて、そのあたりをぐるぐるしている。
私は最近、そういう気がしていて、そのあたりをぐるぐるしている。