2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

介護者支援シリーズ 1: 英国の介護者支援

以下は2007年6月号の「介護保険情報」誌に書いた 「英国の介護者支援」に関する文章です。 ★イタリア QOLの低下――ALS患者本人より介護者で 3月19日付のYahoo! News Health Dayの記事によると、イタリアの研究者らがALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者31名とそ…

「クローズアップ現代」が英国の介護者支援を紹介

NHKの「クローズアップ現代」が介護者支援の必要を取り上げた。 特に介護者法を制定して、介護者アセスメントを地方自治体に義務付け、 具体的な支援を行っている英国の介護者支援の実態を紹介してくれたのは、 私にとっては、胸が熱くなるほど嬉しい出来事…

Dick Sobsey:もう一人、障害のある子どもを持つ学者からのシンガー批判 (後)

(前のエントリーから続く) I think there is an argument for including all humans as persons, but I don’t necessarily think that all nonhuman animals should be excluded. My reasons for including all humans is not very philosophical, it is soc…

Dick Sobsey:もう一人、障害のある子どもを持つ学者からのシンガー批判 (前)

Kittay氏の来日を機に、What Sorts of Peopleブログでのシンガー批判をここ数日とりあげています。 哲学者エヴァ・キティ氏、11月に来日(2010/10/12) Eva KittayとMichael Berube:障害のある子どもを持つ学者からのSigner批判(2010/10/13) Wilson氏のポス…

2010年10月13日の補遺

Sarah Palinはもはやティ・パーティの大統領候補一番手ではなくなった? http://www.guardian.co.uk/world/blog/2010/oct/12/sarah-palin-tea-party-2012?CMP=EMCGT_131010& 同性愛者が堂々と従軍できるよう、米軍は「問わず語らず」の方針を廃止せよ、と連…

Eva KittayとMichael Berube:障害のある子どもを持つ学者からのSinger批判

今回、ここに引っ張ってきたKittay氏とBerube氏の発言3点は、いずれも哲学的な議論であり、 私には取りまとめるだけの背景知識がないため(しかも、正直いずれも長すぎる……)、 日本語にすることを控え、英文のまま紹介するに留めます。ご了解ください。 Eva…

2010年10月12日の補遺

今日から始まる米最高裁の裁判の焦点はワクチンの安全性。Hannah Bruesewitzさんの神経障害は幼児期のワクチンによるものだとして両親が訴えているもの。1986年にできたNational Childhood Vaccine Injury Actにより、公的に認められているワクチンの副作用…

哲学者エヴァ・キテイ氏、11月に来日

哲学者のEva Kittay氏が来日するそうだ。 11月10日に京都で、12,13日に東京で講演が予定されているとのこと。 詳細はこちら。(ずっと下の方までスクロールしてもらうと出てきます) 著書は以下。私はつい最近知って読まなければと思いつつ、まだ読めていま…

2010年10月10日の補遺

アルツハイマー病の実験的なワクチンが出来た。 http://www.medicalnewstoday.com/articles/204078.php 英国の財政改革で障害者福祉予算を2015年までに90億ポンド削減。350万人もの障害者が手当てを受給できなくなる見込み。 http://www.bbc.co.uk/news/uk-1…

「やめておけ、豪の安楽死法は失敗だったぞ」と緩和ケア医がケベックの医師らに

オーストラリアのノーザンテリトリーで1996年7月に安楽死法 The Rights of the Terminally Ill Actが施行され、その1年後に 連邦政府によって無効となったことは、良く知られていますが、 その1年間の同法の影響を研究した緩和ケアの専門医 Mark Boughey医師…

2010年10月7日の補遺

重症障害を持って生まれた娘を養子に出した母親の語り。(英) 子どもが号泣を続けるのに疲れ果て、苦しみ続ける娘にもどうして良いか分からず、夫婦関係も悪化して、ウツ病になった女性が、夜中にこのまま窒息させて殺してしまおうかと何度も考えたと告白。ソ…

「なぜ人間は動物と違って特別なのか?」 種差別批判からの問い 3

(前のエントリーからの続きです) ② 食べ物として誰かのために誰も死ななくても良い世界は これも、誰も動物を食べないことにしましょう、と決めることで実現できる。 人間がいっさい動物を食べてはいけない世界を作って種差別を解消しようと 主張すること…

「なぜ人間は動物と違って特別なのか?」 種差別批判からの問い 2

(前のエントリーの続き) ① 実験動物として誰も殺されなくてもよい世界なら、 実験をやめることでできる。 そのかわり科学とテクノの進歩も止まる。 でも、それはそれでいい、そういう世界にしよう、それで種差別を回避しようと 主張することは理論的には可…

「なぜ人間は動物と違って特別なのか?」 種差別批判からの問い 1

以下、立命館大学の立岩真也氏のつい最近の文章。 http://www.arsvi.com/ts2000/20100038.htm 実は、たまたま、この場に居合わせて、このやりとりを聞いてしまった。 江口氏が目の前の豚の角煮を指差して、 「人間はホラ、こうして豚を食べる。では、なぜ人…

2010年10月6日の補遺

介護施設入所者の権利週間。入所者は食事を選べる権利がある。自分たちの生活に関する意思決定プロセスに参加する権利がある。:いいなぁ、これ。これを発見して、ふっと思ったんだけど、「敬老の日」やめて「高齢者の権利の日」にしたらどうなんだろう? ht…

拘留施設の子どもらの気分障害、攻撃的行動に抗精神病薬? (米)

双極性障害や統合失調症の治療でも 子どもへの抗精神病薬はリスクが大きいというのに、 米国のいくつかの州では、青少年拘留施設で 単なる気分障害や攻撃的な行動の抑制に使われていることが YouthTodayの調査で明らかに。 Connecticut, Louisiana, NY, Texa…

在宅医療における終末期の胃ろうとセデーション

安楽死に関する某シンポについて4日のエントリーで、 病院での医療という限定された議論になることへの懸念について書き、 その中で、当日会場からあった、緩和ケアと在宅医療の医師の方の発言に触れました。 その後、エントリーを読んでくださった、その方…

「A事件・重症障害児を語る方に」という書庫を作りました

“Ashley療法”論争の始まりから4年になろうとしています。 (Gunther&Diekema論文が発表されたのは06年秋のことでした) この度、 これまで「ステレオタイプという壁」という書庫に入れてきた記事の中から 特にAshleyとほぼ同じ障害像を持つウチの娘について…

安楽死に関するシンポを聞いてきました

週末、安楽死を巡る某シンポを聞きに行ってきました。 まだ頭がちゃんと整理できていないのですが、 聞きながら考えたことを未整理のまま以下に。 ・痛み・苦痛があることは安楽死の必要条件だとすることに同意か、という点について かなり時間を割いて議論…

英国で医師らが自殺幇助合法化キャンペーン団体を立ち上げ

法改正に反対している英国医学会その他の組織に働きかけて 合法化を成し遂げることを目的に、医師をはじめとする医療職のグループが立ち上げられた。 名称は Healthcare Professionals for Change。 率いるのは7月にもこの話題でメディアに登場したAnn McPhe…

2010年10月1日の補遺

白人と黒人の患者では、受けられる終末期のケアとカウンセリングに差がある、という調査結果。:「死の自己決定権」なんてものは、こういう格差や差別が全くなくなってからにしてもらいたい。 http://www.medicalnewstoday.com/articles/202998.php http://w…

地域の在宅ケアにおける駐車違反取り締まり問題

英国のColchesterで 介護職の女性がサービス利用者のケアをしている間に路上駐車の違反切符を切られたとして、 その女性の母親がカンカンになって地元メディアに登場。 他に停めるところが全然なかったんだし、 ウチの娘はちゃんと介護職の制服を着ていたの…