「尿吸飲ロボ」から、“QALY時代の排泄ケア”を想像してしまった……
介護というか人間の体というのは、
そうそう簡単に、頭で考える理屈通りにゃ、いかないのよね……と思うし、
いったい人を何だと思っているんだ……ともムカつくのだけど、
そうそう簡単に、頭で考える理屈通りにゃ、いかないのよね……と思うし、
いったい人を何だと思っているんだ……ともムカつくのだけど、
ついに新聞にデカデカと登場するところまで、流れはきてしまったかぁ……。
「尿吸飲ロボ・ヒューマニー」は
特殊な尿パッドにセンサーが仕込んであって、
機械本体とチューブで繋がっているので、
センサーが尿を感知すると、モーターで本体に吸飲する、という仕組み。
特殊な尿パッドにセンサーが仕込んであって、
機械本体とチューブで繋がっているので、
センサーが尿を感知すると、モーターで本体に吸飲する、という仕組み。
このベッド、上のリンクを見てもらえば分かるけど、
股間に直接プラスチックだかシリコンだかの装置を取り付けられて、
その上をシーツと一体化したおむつカバーで覆われる、
つまり、腰をベッドに固定される、という、全くもって、ひどい話。
股間に直接プラスチックだかシリコンだかの装置を取り付けられて、
その上をシーツと一体化したおむつカバーで覆われる、
つまり、腰をベッドに固定される、という、全くもって、ひどい話。
拘束になるという問題は記事でも指摘はされているけど、
寝返りが一切できないんだから、
背中も腰も、器具が当たっている陰部も
じょくそう だらけになりますよ。
背中も腰も、器具が当たっている陰部も
じょくそう だらけになりますよ。
それに、年寄りや重症障害のある人だったら、
すぐに肺炎になって死んでしまいますよ。
すぐに肺炎になって死んでしまいますよ。
――と、朝、新聞を読んで、思った。
その後は、一日中、ずっと忘れていたのに、
さっきトイレでオシッコしてたら、突然、頭の中に、
もっと、ずうううううっと、おぞましい想像がひらめいてしまった。
さっきトイレでオシッコしてたら、突然、頭の中に、
もっと、ずうううううっと、おぞましい想像がひらめいてしまった。
そんなのより、もっと、ずっと簡単で、合理的で、
拘束にならない、「お手軽排泄ケア」がある……って。
拘束にならない、「お手軽排泄ケア」がある……って。
まだ十分に口から食べられる人に
さっさと胃ろうを作って介護の手間を省くのは
もう、とっくの昔に当たり前の“医療”になっているらしいから、
さっさと胃ろうを作って介護の手間を省くのは
もう、とっくの昔に当たり前の“医療”になっているらしいから、
それとも、胃ろうと同じく、
おなかにもうひとつ穴を開けて、膀胱にもボタンをつける?
おなかにもうひとつ穴を開けて、膀胱にもボタンをつける?
でも「大」はどうするんだって? 「大」には人工肛門があるっしょ。
ベッドに寝ている時は、それこそパウチにセンサーと吸飲チューブをつないでおくだけで
腰を固定されることもなく、自由に体を動かせる。
腰を固定されることもなく、自由に体を動かせる。
パウチの吸飲チューブをはずせば、
大・小のバッグを体にくっつけたまま(外から見えないように工夫してね)、
ベッドから出て自由に行動することも可能だ。
大・小のバッグを体にくっつけたまま(外から見えないように工夫してね)、
ベッドから出て自由に行動することも可能だ。
オシッコやウンコを漏らしたらどうしようと不安を感じる必要もないし、
お尻にウンコがくっついたまま気持ち悪い思いをしなくてもいい。
お尻はいつも清潔・快適だし、部屋は臭わないし、
お尻にウンコがくっついたまま気持ち悪い思いをしなくてもいい。
お尻はいつも清潔・快適だし、部屋は臭わないし、
だって、ほら、エーザイとファイザー主催のセミナーでの発表によると、
認知症そのものには治療効果がなくても、
本人さんと介護者さんのQOLを測るQALYの“効用値”が上がれば、
その薬には医療費削減効果がある、だから行うに値する医療だ……という話でしたよね。
認知症そのものには治療効果がなくても、
本人さんと介護者さんのQOLを測るQALYの“効用値”が上がれば、
その薬には医療費削減効果がある、だから行うに値する医療だ……という話でしたよね。
じゃぁ、やっぱり、方向はこれで決まりなのでは?
やっぱり、ダメだったかぁ……ということになったら、
(その間に、どれほどの人が犠牲になるのかを考えると、本当に痛ましい)
多分、次に出てくるのは、そういう医療化の話なのでは?
(その間に、どれほどの人が犠牲になるのかを考えると、本当に痛ましい)
多分、次に出てくるのは、そういう医療化の話なのでは?
まだ口から食べれられようが、自力でトイレに行くことができようが、
食べさせたりトイレに付き添うような贅沢な人手はないし、粗相されても困るから、
それに、本人さんのQOLだって維持向上できるんだし……ということで、
食べさせたりトイレに付き添うような贅沢な人手はないし、粗相されても困るから、
それに、本人さんのQOLだって維持向上できるんだし……ということで、
いかに頭に想像がひらめいたとはいえ、
まったく悪い冗談で、スミマセン。
まったく悪い冗談で、スミマセン。
でも、この基本ケア3点セットの合理性って、
考えてみたら、”Ashley療法”の論理そのもの……。
考えてみたら、”Ashley療法”の論理そのもの……。
すなわち、”科学とテクノ”による”社会の都合”に合わせた”人体改造”……。