2010年2月19日の補遺

自殺幇助関連

BBCの障害者サイトOuch!で、Disability Bitchが自殺幇助議論に参戦。あたしゃ、生きる、と。
http://www.bbc.co.uk/ouch/opinion/b1tch/db_loves_life.shtml

Gosling氏の事件を機に、これまでの英国での医師による安楽死事件をまとめたJeremy Laurenceという人の記事。Dr. David Moor、Dr. Nigel Cox。で、Laurenceによると、医師は自分では安楽死させているし、実際、英国でどこまで広がっているか誰にも分からないけど、Goslingが言うように、患者の家族が殺すのを黙認することはない、と。:医師には自分の判断で殺す資格があるけど、家族は医療職じゃないから殺す資格がないと思っているから?
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/jeremy-laurance-do-doctors-ever-assist-suicide-1902991.html


Ashley事件関連

Hastings Centerのサイト Bioethics Forumにオレゴン在住のインターセックス・アクティビストで、Ashley事件に関してたびたび現地からシンポ報告をしてくださった小山エミさんが、ホルモンによるインターセックスの胎児治療実験を巡る最近の論争と、Ashley事件をもとに、バイオエシックス倫理学者が医療倫理において果たしている役割について疑問を呈する文章を書いている。:そうだ、そうだ! ”科学とテクノ”の御用学問めっ。それから特に末尾のところ、成長抑制ワーキング・グループに入っていた障害学の学者さんたちへの失望感が書かれているところ。例えばこの人とか、さ。
http://www.thehastingscenter.org/Bioethicsforum/Post.aspx?id=4492

開発途上国で医療スタッフに基本的な新生児ケアの研修を行ったら、死産が激変した。ゲイツ財団、ちゃんと、こういうこともやっているのね。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/179558.php


その他

92年の Yale Law & Policy Review の論文が引っかかってきたのだけれど、無料で読める最初の1ページによると、年寄りを持て余して家族が病院のERに捨てていくケースが増えて、病院がそういうのを “Granny Dumping”(文字通り「姥捨て」)と呼ぶようになり、なんと辞書にまで入ろうとしている、と。:私がニュース検索を始めた2006年頃には、今度は病院が障害のある貧困層の患者を救急車に乗せてアブナイ地域に捨てに行くpatient dumpingが話題になっていたけど。
http://www.jstor.org/pss/40239388

財政難と対象者急増で、ほとんどの州がメディケイドの給付カットを検討している。
http://www.nytimes.com/2010/02/19/us/politics/19medicaid.html?th&emc=th

この写真は本当に胸が痛む。雪の積もった舗道で、強制立ち退きで運び出された家財一式のそばに立ちつくす黒人女性。貧困層の住む町で、強制立ち退きの狙い目にされるのは独居の黒人女性。:あらゆる差別が牙を剥き始めた世界。
http://www.nytimes.com/2010/02/19/us/19evict.html?th&emc=th

黒人でも女性でも貧乏でもエリートの仲間入りできるように我々は世の中を柔軟につくりかえてきて、実際にそれは成し遂げられて、今のエリート層は以前よりも多様で優秀で能力も高くなっているのに、エリート層への社会の信頼が今ほど低かったことはない。なぜか、という考察。:なぜって、そんなの成し遂げられるどころか、格差も格差の世襲もさらに広げられちゃってるじゃないですか。なに、寝とぼけたこと、言ってんですか。……と思ったけど、肝心の考察部分はちゃんと読んでない。
http://www.nytimes.com/2010/02/19/opinion/19brooks.html?th&emc=th

世界のトップ3000企業で2,2兆ドル分の環境破壊をやっているんだと、国連の報告書。
http://www.guardian.co.uk/environment/2010/feb/18/worlds-top-firms-environmental-damage