資料・周辺情報(米国)

Ashley事件リンク集 1 :2006年から論争当時の当事者発言

膨大な資料なので、すぐには完了しないと思いますが、 関連リンクのエントリー・シリーズを作り、時間のある時に少しずつ 手元の紙ファイル資料をリンクで整理していこうと思います。 追加やメモの訂正など、 このシリーズのエントリーには随時変更があるこ…

末期でも植物状態でもない知的障害者の医療拒否、後見人に「並々ならぬ証明責任」

意思決定能力を欠いた人が終末期でもなく永続的な意識不明状態でもない場合の 後見人(guardian)による治療拒否に関する基準を Pennsylvania上級裁判所が2月10日に示しました。 詳細をNot Dead Yet がブログでまとめています。 Pennsylvania: Important …

知的障害者不妊手術に関するD医師の公式見解(詳細)

18日のエントリーD医師の不妊手術許容条件はA療法を否定するで 新たに見つけたDiekema医師の論文について梗概を元に書いたところ、 論文のフルテキストを探し出してくださった方があり 全文を読むことが出来ました。 (kさん、本当にありがとうございます)…

D医師自身の不妊手術許容条件はAshleyの子宮摘出を否定する

久々にDr.Gunther とDr. DiekemaのAshley論文を読み返していたら これまで見落としていた箇所に眼を引かれました。 この論文では子宮摘出についてはほとんど前面に打ち出されず、 ホルモン療法の副作用防止のための必要悪であり、 さも何でもないことである…

女性の不妊手術に関する意見書(米国産婦人科学会)

米国産婦人科学会倫理委員会の「知的障害のある人を含む女性の不妊手術に関する意見書」。 2004年の第2版が2007年7月にアップデートされたもの。 Sterilization of Women, Including Those With Mental Disabilities ACOG Committee Opinion No. 371, July 2…

世論調査の危うさについて

キリスト教保守のニュースサイトDacota Voiceに Schiavo事件における世論調査の危うさを突いた興味深い記事が投稿されています。 世論調査というものが如何に結果を正確に予測できないか 今年の大統領選で露呈されているが、 Terri Schiavo事件ではそんな不…

ILの裁判からAshley事件を振り返る

自分で意思決定できない人の不妊手術に関するイリノイ州の上訴裁判所の意見書の中から 特にAshley事件にも当てはめて考えられる点について考えてみました。 Ashley事件ではもちろん 子宮摘出について裁判所の判断を仰がなかったことそのものが違法だったわけ…

ILの裁判から後見制度とお金の素朴な疑問

イリノイ州のK.E.Jの不妊手術の裁判で裁判官が出した意見書を読んでいて、 自分で意思決定できない人の卵管結紮の妥当性や然るべき手続きという本題とは違うところで 素朴な疑問を抱いた点があるので。 不妊手術を求めた叔母側は一連の裁判にかかる弁護士費…

IL不妊手術却下の上訴裁判所判決文

4月19日のエントリーで紹介した話題ですが、 法廷後見人の叔母(伯母かも)が知的障害のある女性K.E.J.の不妊手術の求めたのに対して、 イリノイ州の上訴裁判所が認められないとする決定を行いました。 その際に出された裁判官の意見書が同裁判所のサイト…

去年5月16日のUWシンポ Webcast

去年5月、Ashleyの子宮摘出の違法性を病院が認めた翌週、 ワシントン大学がこの問題を巡ってシンポジウムを開き、 その模様がWebcastで世界中にリアルタイムで公開されました。 その後、シンポのWebcastはシアトル子ども病院のHPにアップされています。 リア…

イリノイの上訴裁判所 知的障害女性の不妊術認めず

このままAshley事件が前例になって行くのは怖いなぁと思っていましたが、 歯止めとなりそうな判断がイリノイの上訴裁判所によって下されました。 よかった。 Court denies bid to sterilize mentally disabled woman Chicago Tribune, April 18, 2008 子ども…

THニストの“A療法”批判 2

Corwinが“Ashley療法”を批判して指摘しているのは4点。 ①自分で意思表示できないだけではなく、 抵抗することもできない人の身体に過激な処置が行われたこと。 特に「抵抗できない」ということが問題。 ただ「やってしまえるから」というだけで 特定の人たち…

THニストの"A療法"批判 1

Anne Corwinは去年1月に自分のブログに発表したエッセイ Ashley X – Avoiding Oversimplification の冒頭で “Ashley療法”の擁護論に引っ張り出される、 「人の精神は肉体と釣り合っていなければグロテスクだ」という考えを批判するのですが、 他の批判論と全…

2007重大ニュースはAshleyとGonzales

American Association of People with Disabilities (AAPD)が 公式サイトのアーカイブに入れた 生命倫理問題に関する2007年のウェブ情報一覧。 Archived Bioethical Issues このリストを見てみると 米国での障害者運動にとって去年の2大事件が シアトル…

不妊手術に関する小児科学会指針

Diekema医師がCalvin大のTVインタビューにおいて、 「子宮摘出については米国小児科学会の指針などがあるので、 Ashleyの子宮摘出について倫理委は検討しやすかった」と述べたことについて、 WPASの調査報告書を読み返していたら、 ちょうど該当する脚注が目…

Ashley論文を書こうとしている学生さんのブログ

ごく最近、英語の(つまり国語)の授業で ブログを立ち上げてエッセイを書けという課題が出たもので (ネットを利用したこういう課題の出し方というのは面白いですね。) 仕方がないからブログを立ち上げて そのエッセイのたたき台の文章をアップし、 (この…

Henderson記事に思うこと

Helen HendersonのAshley記事について触れたついでに、 その中で紹介されている興味深い論点について。 私が気に入っているのは サウス・カロライナの市民権(civil rights平等権?)弁護士の指摘。 親に決定権があるべきです。が、問題はどこにリミットを設…

Northwestern大のAshley講演

Northwestern大学・生命倫理学部の企画で毎週行われている講演の1つとして 1月31日に“訓話としてのAshley X”と題する講演があった模様。 原題は Ashley X as a Cautionary Tale。 講演者は同大学のMedical Humanities & Bioethics の准教授 Kristi Kirsc…

法学分野からAshley論文

このところ、AshleyケースでもKatieケースでも 本質から全くズレた方向へと世の中の空気を誘導しようとする動きばかりが目に付いて 危機感を募らせていたので、 「待っていました!」というところ。 Alebany ロー・スクールのAlicia R.Quelletteという人のAs…

Diekema医師のウソ一覧

19日(日本時間)のDiekema講演までにやっておきたかったことの1つは、 これまで当ブログで検証してきた彼のウソを整理しておくこと。 論文やメディアでの発言において、 Diekema医師はいくつか明らかなウソをついています。 隠蔽を含め、ウソといえるもの…

ShakespeareのAshley療法批判(1月 Ouch!)

“Ashley療法”の成長抑制部分を皮肉って shrink(縮める)という表現を使った批判には、 前のエントリーで紹介したSaletanの他にも、 BBCの障害者問題ブログ Ouch!に 同サイト・コラムニストのTom Shakespeareが書いた文章があります。 Saletanが 「”介護の便…

FRIDAがAshley事件「その後の動き」を

”Ashley療法”について当初から抗議行動を続け、 アメリカ医師会とも交渉している FRIDA(Feminist Response In Disability Activism)が Ashley事件についてこれまでの動きをまとめた記事を 11月25日付でHPにアップしています。 Ashley X and the American…

Diekema、1月にアシュリー講演

Calvin大学が毎年1月に恒例で行っている講演月間 Janurary Series で、アシュリー論文の執筆者の一人Diekema医師が講演する模様。 演題は Love, Justice, & Humility: A Bioethicist Meets the “Pillow Angel” 愛、正義、そして謙虚 : 生命倫理学者“枕の天…

Brosco & FeudtnerのEditorial

(この回、すぐ前のAAIDDから成長抑制批判という記事の補足・解説的なものでもあります。よかったら、そちらと一緒にどうぞ。) Gunther & Diekemaのアシュリーに対する成長抑制に関する論文を掲載したジャーナルの編者は同じ号に以下のEditorialを書い…

AAIDDから成長抑制批判

そっくりいただいたものなのですが、米国知的・発達障害学会(米国精神遅滞学会から改名)AAIDDの学会誌10月号に “アシュリー療法”について「正当化できない非・治療:障害を根拠とする若年者への成長抑制の問題」と題した論文が掲載されました。 Unjustifia…

“アシュリー療法”論争 センチメンタリズムを排除せよ

前回のエントリーで、植物状態の人の体を臓器移植や人体実験に使う道を開こうと、死の再定義が試みられているとする記事を紹介しました。 筆者のWesley J. Smithは“アシュリー療法”についてもNational Review Onlineというサイトに非常に優れた論評An Ethica…

Strunk v. Strunkを論じた論文

以下いったんアップしたのち、当該論文をもう一度読んで少し加筆しました。 ボストン大学法学部の刊行物の中に、 前回のエントリーで触れたStrunk v.Strunk とその他の判例を論じている“Organ Harvests from the legally incompetent: an argument against c…

“最善の利益”はポルノと同じ (Joel E. Frader 4)

Frader医師は前回のエントリーで紹介した小児科学会の延命治療に関する方針の策定に関わった関係で引っ張り出されて、2005年にアメリカ小児科学会の学会誌Pediatrics上のBaby Doe Rulesを巡る論争に加わっています。 その方針と、この論争関連論文のフル…

乳房芽切除の隠蔽指摘に担当医ら反論

GuntherとDiekemaの論文が乳房芽の切除を報告していないとして疑問視する“Only Half the Story”と題した書簡と、それにGuntherとDiekemaが反論する“Only Half the Story—Reply”と題した書簡がArchives of Pediatrics & Adolescent Medicineの6月号に掲載さ…

WPAS調査報告書 添付資料一覧

Exhibit A “アシュリー療法”に関する各州の法的要件問い合わせ先 Exhibit B アシュリーの両親のブログ Exhibit C 2007年1月8日付けWPASからワシントン大学宛書簡 調査開始の通達。協力要請。資料請求。発達障害法その他からの関連抜粋添付 Exhibit D …