去年5月16日のUWシンポ Webcast

去年5月、Ashleyの子宮摘出の違法性を病院が認めた翌週、
ワシントン大学がこの問題を巡ってシンポジウムを開き、
その模様がWebcastで世界中にリアルタイムで公開されました。

その後、シンポのWebcastはシアトル子ども病院のHPにアップされています。

リアルタイムで見たときには無線LANが不安定で
それでなくても不十分な聴き取り能力に水を差してくれたので、
ここで一度落ち着いて聞いてみなければ……と思いながら
まだ果たせてないのですが、

当ブログでは何度もこのシンポに触れているのに
資料を挙げていないことに気づいたので、

(もう一度ちゃんと見る、という自分の目標設定としても)

これらWebcastが見られるシアトル子ども病院の当該サイトを以下に。


なお、既にいくつかのエントリーで触れましたが、
シンポ当日、直接会場で聴かれて発言もされたオレゴン州在住の小山エミさんが
詳細な報告を書いておられます。


ここで報告されている倫理委委員長Woodrum医師の「自分は両親の味方である」という発言や
「倫理委には障害者コミュニティの代表が既に入っている」という発言など、
当時は見過ごしていたけれど、今にして振り返ると
改めて大きな示唆を含んで立ち上がってくる箇所がいくつもあります。

(倫理委に障害者コミュニティの代表が入っているというのがハッタリでなく事実だとすると、
 それは1週間前のWPASとの合意によって加えられた人と思われます。それ以前には
 病院常設の倫理委には「他の医療機関の代表」と「地域の代表」しかいないし、
 ましてAshleyケースを検討したのは、その倫理委ですらなく、
 外部の人間をシャットアウトして行った「特別倫理委員会」でした。) 

また、小山さんはとても貴重な場面を目撃されており、
上記報告後編の終わり部分には、当日、Ashleyの父親が会場にいたことが書かれています。

そしてDiekema医師は自分のパネルが終わった後で父親のところに行って
「あなたの娘の件についての報告はあれで良かったですよね」と話しかけた、と。

この詳細な報告を初めて読んだ時に私が一番興奮したのはここでした。

Ashleyの両親と医師らの力関係が
どうも通常とは逆転していると感じられる不思議は
「親と医師の関係性の不思議」の書庫で指摘しています。