Obama大統領、今日、国連障害者権利条約に署名

以下の The United States International Council on Disabilities(USICD) のリリースによると、

Obama大統領は大統領選挙での公約どおり、
24日にホワイトハウスで国連障害者権利条約(DRPD)に署名すると
月曜日に発表したとのこと。

大統領の署名後、上院議会で批准に向けた検討・協議が行われることに。

USICDのメンバーで米国障害者法(ADA)の著者でもあるTony Coehio氏は
ちょうどADA法が成立して19年目の記念の週は署名にふさわしいと。

USICのExecutive DirectorであるDavid Morrissey 氏は
アメリカ社会に障害者の完全な平等、アクセス、インクルージョンを求める運動にとって
これは歴史的な日である」と。



このように国際的に進んでいるように見える障害者の人権を確認する動きが

その一方で着実に進んでいるとして思えない医療における障害者の切捨てと、
そして、その動きに主導されて社会全体に共有されていく
「障害のある生はQOLが低すぎて生きるに値しない」との価値判断とに、
果たして何らかの形で繋がっていくのか、
繋がっていくとしたら、どういう形で影響していくのか、

それとも、それはそれ、これはこれ、というふうに
両者はそれぞれ無関係に、断絶したままなのか……。

例えば、Obama大統領が進めようとしている医療改革
功利主義のコスト効率による配給医療が導入された場合に、
重症障害者はそれによって切り捨てられることになるのだろうけれど、
それは障害者が医療を受ける権利を侵害することにはならないのか。

それとも、いや、もしかしたら、だからこそ、その2つを整合する方策として、
QOLが低い生は生きるに値しない」という認識の共有が急がれているのだろうか。

「重い障害のある人の生は苦しいばかりで生きるに値しないから
治療を停止して死なせてあげるのが本人の最残の利益」だという
米国のリベラルな生命倫理お得意の「最善の利益」論が社会に共有されていけば
それはもはや医療を受ける権利の侵害とは見なされなくなる。

あ、もしかしたら、
「尊厳」を生命倫理の議論から排斥しようとするのも、
こうした国際的な人権擁護の動きから、科学とテクノをより遠くに引き離す試みの1つだったりして……?


【追記】
その後、ライス国連大使によって30日に署名されたようです。