うつ病患者の自殺幇助でDignitasにスイス当局の捜査

3日ほど前から目に付いているのですが、
なぜかメジャーなメディアが扱わず、大きく報じられずにいるニュース。

スイス在住のルーマニア人でうつ病を患っていた Andrei Haberさんの自殺について
親族からDignitasで死ぬと計画していたと当局への通報があり、

Haberさんが重病でもなければ激しい痛みを伴う不治の病でもなく、
死にたいのは心理的な動機でしかなかったとして、
判事も「その事実が本件でははっきりしている」と
捜査を命じた、とスイスのメディアが報道している、と。

スイスの安楽死法ではターミナルな状態の患者以外に自殺幇助は認められていない、と。

(ここは、ちょっと混乱があるようです。
どこかで、そういう条件はないと読んだような気がして
これまでの記事を振り返ってみたところ、こちらのTimesの記事
スイスの法律ではターミナルであることを条件付けていない」とされていました)

Dignitasの内部事情について元職員だった Soraya Wernliさんが
1月にDaily Mailに語ったところでは、
もはやDignitasは命を終える思いやりに満ちた場所ではなく
決まった手順で自殺までの処理を進めていくだけで
障害者や終末期の病気の人たちをお金儲けに利用する殺人装置でしかない、と。

彼女によれば、創設者のLudwig Mineli氏はかつて
「もし自分の思いを実現できるなら
街角でソフトドリンクやチョコレートを買うように簡単に
自殺用バルビツレートを買える自動販売機を設置するのにな」と言ったとか。

Wernliさんは2005年にDignitasを退職し、
その後はDignitasで行われている虐待を暴き、
閉鎖に追い込むための活動を続けている。


WernliさんのDignitas批判は
病気の夫と健康な妻を一緒に自殺させることをDignitasが検討中との
4月のニュースの際にも出てきていました。


何があって退職したのか、なにしろ元職員の証言というのは
ちょっと割り引いて聞いたほうがいいかもしれませんが、

このところ、うつ病の人精神障害者の自殺幇助事件が続いているだけに、
多くの人の自殺を幇助し続けるDignitasで何が行われているのか、
ぜひとも詳細を明らかにしてもらいたいところです。

なお、Haberさんは自殺する前にカナダの友人を訪れており、
その友人らの詳しい証言などがこちらの記事に。

なお、この記事によると、
Haberさんはソフトウエアのエンジニアだったとのこと。