美しい文章 3: 清水義範「苦労判官大変記」
去年、
あまりに希望のない話題ばかり拾うこのブログの空気の入れ替えにと、
「美しい文章」というエントリー・シリーズを思いつき、
2つほど書いて、それきり忘れていたのだけれど、
あまりに希望のない話題ばかり拾うこのブログの空気の入れ替えにと、
「美しい文章」というエントリー・シリーズを思いつき、
2つほど書いて、それきり忘れていたのだけれど、
で、
これは「美しい文章」というよりも、
達人の、なんとも見事な技――。
達人の、なんとも見事な技――。
「苦労判官大変記」の冒頭5行を。
(タイトルは書き間違いではありませぬ)
(タイトルは書き間違いではありませぬ)
京の五条の橋の上。
月の明るい夜、その橋の上を、白い直垂を着た姿美しい若武者が、笛を吹きつつ渡っていた。
女の着物のような薄衣を肩にかけ、目にもあでやかななりをして、しかも横笛を見事に吹いているのである。どう考えてもバカである。
月の明るい夜、その橋の上を、白い直垂を着た姿美しい若武者が、笛を吹きつつ渡っていた。
女の着物のような薄衣を肩にかけ、目にもあでやかななりをして、しかも横笛を見事に吹いているのである。どう考えてもバカである。
ぶははっ。
やっぱ、この鮮やかな落とし方は、
「美しい文章」だよね。これも――。
「美しい文章」だよね。これも――。