2009年8月30日の補遺

英国では処方箋もなしに薬局で簡単に買えるヤセ薬 orlistat( 製品名 Alli)について、米国FDAから肝臓障害の副作用の懸念。製造元のGlaxoSmithKlineはそんなエビデンスはない、と。このorlistatが英国で今年1月に解禁された時に、当ブログでエントリー立てていました。こちら
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8221313.stm

いちいち生検なんかしなくても、簡単なインプラントで癌細胞の動向をチェックできるようになる、とMITの研究者。
http://www.nytimes.com/2009/08/30/business/30novel.html?th&emc=th

遺伝的に3人の親を持つサルをIVF作ることに成功したんだとか。これで人間の遺伝病も防げるようになると、例によって例のごとき科学者の先生方のにぎにぎしい言挙げ。
http://www.guardian.co.uk/science/2009/aug/26/monkeys-genetics-dna-mitochondria-disease

NHSで、一部少数の悪質な看護師が、特に高齢者や末期患者に対して、排泄物にまみれたまま放置する、飲食をさせないなどの残虐な扱いをしている、と患者協会からの報告書。
http://www.guardian.co.uk/uk/2009/aug/27/nhs-hospital-healthcare-elderly-nurses-patients-association

国民の9割がイスラム教徒のマリ共和国で、議会を通過した女性の人権法案イスラム教徒の反発が強く、大統領が国民の結束を重んじて署名を拒否。議会に差し戻した。妻が夫と対等な立場になる、妻の相続権が拡大する、などの点に批判が集まっていた。
http://www.guardian.co.uk/science/2009/aug/26/monkeys-genetics-dna-mitochondria-disease

英国の数学の学力テストで、もう20年近く女子の方が圧倒的に優秀だという結果が続いていたが、今回平常点を加味しなかったところ、初めて男子が女子を抜いた。女子は通常の授業で優秀であるのに対して、男子は試験に強いのだとすると、女子と男子では評価の方法を変えるべきだとの議論が出ている。:記事のトーンから、なにがなんでも男子は女子よりも優秀であらねばならんのだな、という社会の要請のようなものが感じられる。マリ共和国で「妻は夫に従わなくてもいい」という法律が気に入らない男たちと、本質的にはあまり違わないような気がする。
http://www.guardian.co.uk/education/2009/aug/27/maths-gcse-coursework-dropped

米国で2001年にできた「落ちこぼれ防止法」は、達成度の低い子どもにはよいが、達成度の高い子どもが伸び悩んでいる、とNY TimesのOp-Ed。
http://www.nytimes.com/2009/08/28/opinion/28petrilli.html?th&emc=th

オランダで、ヨットで単独世界一周に乗り出そうとした13歳少女の実行を阻止するため、2ヶ月間親権が州に移された。実際にそれだけの航海が可能な子どもかどうか、これから、心理士がアセスメントを行うのだそうな。さすが開明国オランダというか。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/8226196.stm

ハリケーンカトリーナの災害時、ニューオリンズの医師らが逃げ遅れた高齢患者に薬物を投与した。その功罪についてNY Mazazineの記事。:当時、この類のニュースはかなり追いかけて記事に書いた。裁判になったケースもあった。寝たきりの患者を放置して逃げた医療職や、施設職員もたくさんいた。少なくとも逃げなかった医師らの極限の選択。ただ極限状態での選択は、今進行している自殺幇助とは別の話だと思う。
http://www.nytimes.com/2009/08/30/magazine/30doctors.html?th&emc=th