米国には体罰を禁止していない州が20もある

えっ……? 本当に声が出てしまった。

米国で体罰を禁止していない州が、まだ20もあるんだそうな。

アラバマアリゾナアーカンソーコロラド、フロリダ、ジョージア、アイダホ、
インディアナカンザス、ケンタッキー、ルイジアナミシシッピミズーリ
ニュー・メキシコ、ノース・カロライナ、オクラホマ、サウス・カロライナ、
テネシー、テキサス、ワイオミング

禁止していない州でも、
スクール・ディストリクトが禁止しているケースがないわけではない。

Human Rights Watch と the American Civil Liberties Unionが共同で
2006-07年度に全国の公立学校の生徒を調査したところ、
毎年20万人の生徒が学校で体罰を受けていて、
中でも障害児が体罰にあっている割合が高かった。

生徒数のうちに障害児が占める割合は14%なのに
体罰を受けた生徒の中で障害児の割合は19%だった。

先月体罰を禁止したばかりのオハイオ州の、ある校長は
教室でのしつけが難しくなってきている、
体罰は望ましいことではないが、
他の方法で効果がなければ体罰も選択肢としてはある、と述べ、
「こういうことは、それぞれの地域の教育委員会で決めることだ」と。

自分が子どもの頃には鞭で打たれていたんだから、
自分としては別に鞭で打ったってかまわないと思う、という人も。

調査では、ミシシッピ自閉症の小学1年生男子が
副校長に厚い板でお尻を叩かれて、ひどいショックを受けたという報告も。

報告書の執筆者は
体罰に効果はないし、特に障害児の場合、
その理由すら理解できない可能性がある、
体罰禁止を広げるべきだ、と。

Disabled Students Are Spanked More
The NY Times, August 10, 2009


5月に政府のアカウンタビリティ局GAOから
障害児教育での教師の体罰・虐待が報告され、
議会でヒアリングが行われる騒ぎになっていたのは、まだ記憶に新しいところ。



日本で多くの人がアメリカと聞くと頭に描く国は、
限られた一部地域の、しかもその文化の表層、またはその幻想……でしかない。きっと。