鎮痛剤の過剰処方で高齢入院患者が5人死亡、でも誰も罪に問われない不思議

90年代、英国 Hampshire の the Gosport War Memorial Hospitalで
92人もの患者が不可解な死を遂げて事件に。

警察の捜査が入ったが
いまのところ、そのいずれも起訴には至っていない。

しかし、その92人のうち1996年から1999年の間に亡くなった10人について
調査陪審員が調査を行い、このほど

それぞれ60代から80代の5人の高齢患者に鎮痛剤 Diamorphine が過剰に投与され、
それが患者の死を引き起こしたり早めたと認定。

その他の5人については
鎮痛剤の投与は死因に関与していない、とも。

これを受けて家族は警察に再捜査を求めているが
すでに3回の捜査を行ったとして警察は拒否している。

制度について知らないことだらけなので詳細が分かりませんが、
今回で3度めの司法判断が下ったことになるのだとか。

問題の鎮痛剤を処方した医師には
Diamorphine の処方を禁じValium(diazepam)の処方を制限するのみで
継続して同病院での勤務が認められている。

NHS Hampshireは
事件のあった1990年代以降、
同病院のシステムも方針も完全に刷新されている、と。



もちろん、高齢の患者さんたちは、いずれ死ぬのだといわれれば、その通りだから
死者の数だけで病院を責めることはできないと思うけれど、

過剰投与があって、それが死因となったことが認定されたというのは
ただ高齢者だから死ぬのだというのとは別の話のはず。

しかも、記事を読む限りでは、
過剰投与が病院の慣行となっていた可能性が疑われるそうなのに

過失があったことは認定されても
なぜか誰も罪に問われない──。

なんで……?