国民データベース諦めて、代わりに「ネットと電話利用履歴みんな残せ」と英国政府

当ブログで追いかけてきたように
英国政府は、国民のDNAと通信情報を巨大データベースに集約する計画を進めていましたが、
欧州人権裁判所から人権侵害との判断を受け、断念。

その代わり、テロリストや異常者のトラッキングに必要だとして、
国民のインターネットとeメール、携帯電話の利用履歴情報を
すべて保存しておき、警察、公安の求めに応じて提出するよう
コミュニケーション関連企業に求めることに。

SNSの利用履歴に至るまで。

情報提供を求める命令が出せるのは警察組織のごく上層部のみとされているようですが、
野党からは、犯罪やテロリスト対策をはるかに超えて
政府はオーウェル的監視社会を作ろうとしている、と批判も。


【5月7日追記】
少なくとも最終的に無罪となった人のDNAサンプルについては断念するだろうとの
大方の予測を裏切って、英国内務大臣は

12年間は無実の人のDNAデータも保管する、
逮捕されて無実となった子どものデータについても10年は保存する、との計画を明らかに。

Ministers keep innocent on DNA database
The Guardian, May 7, 2009