妊娠中の薬物濫用の影響受けた新生児が40倍にも急増(豪)

オーストラリアの研究で、
重篤な退薬症状を示す新生児(妊娠中に母体を通じて薬物依存になっていた新生児)の数が
1980年の40倍にも達している、と。

毎年16,4%増加している計算になる。
Pediatrics誌の最近刊に掲載の論文で。

要因としては、総じて薬物濫用が増加していることと、
医療関係者の間での退薬症状への認識の高まり。

また、こうした乳児は
将来的にもネグレクトにあって保護される確率が高い、とも。

著者の一人は
「本気でこうした子どもたちへの虐待・ネグレクトを防ごうと思ったら、
子どもたちが生まれる前から、理想的には妊娠前から
母親へのアプローチを開始することが必要」

産科医、ソーシャルワーカー、薬物アルコール対策担当者、福祉関係者らが
協働し、長期的な取り組みを行うことが重要。

「オーストラリアで生まれている子ども1000人のうち4人が
違法な薬物の影響を受けて生まれているという状況は、
子どもにとっても家族にとっても社会にとっても由々しい問題」



ちょっと前に読んだ町山智浩氏の
アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」にあった一説を思い出した。

階級社会のアメリカでは、
階級ごとに住む場所もドラッグの嗜好も分かれている。

極貧層やホームレスはクラックやヘロイン、
大金持ちはコカインと向精神薬
中産階級は、そう、マリファナだ。 (p.118)

ヘロインやコカインと並んで、向精神薬がさらりと、
当たり前のような顔で登場しているところが、いかにもトランスヒューマンな、この時代。

ただし大金持ちは、というところも、いかにもネオリベラルな、この時代──。


【参考サイト】
妊娠中の薬物の使用
(メルクマニュアル医学百科 最新家庭版)