新生児スクリーニング、去年から24の病気に(WA州)


シアトル子ども病院のサイトで確認したところ、
2008年7月26日の放送のようです。

去年7月まで、ワシントン州の新生児には
鎌状赤血球症嚢胞性線維症など
10の遺伝性の疾患について遺伝子診断が行われていたが、

その対象として、7月21日から、
さらに14の疾患が追加されることになった、というニュース。

「なぜ新生児に遺伝子検査を?」というインタビュアーの質問に答えているのが
Ashley事件で一躍、生命倫理学者としての名前を馳せた Diekema医師。

早期発見が早期治療に結びつく可能性があるから、と答えています。

そして、続いて、
民間企業が営利目的で多くの病気の遺伝子診断を行っていることについて
その正確さに疑問を投げかけます。

「将来、その新生児が、たとえば乳がんになる可能性を調べることについては?」と問われて
基本的には18歳になるまで待ってからにするのがよいとの考え述べます。
その検査を受けるかどうかは、あくまで本人の自己決定だろう、と。

Diekema医師は本来は、Fostのようなラディカルな考え方をとらない、
かなり慎重派の倫理学者なのです。


ところで、このビデオは、
鎌状赤血球症だと承知した上で黒人の女の子を養子に迎えた白人夫婦をとりあげています。

遺伝子診断で病気がわかって、
養子縁組の申し込みをキャンセルしてもいいと言われたけれども、
もう顔を見たら情が移って、そんなことは考えられなかったそうです。

そして、この女の子はオーダーメイドの治療のために2度目の遺伝子診断を受けた、とのこと。

早くから、そういう治療ができたから、この子は生きてここまで成長した、
科学の力がなかったら、この子はとっくに死んでいた、とお母さんが語っています。

なるほど、アメリカで養子を育てる家庭はここまで懐が深いのかぁ……という方向に
とりあえずは感銘を受けながら見ていたら、

画面には、もう一人黒人の男の子を含む4人家族の姿が映った。

だから2人目の養子をとる時も遺伝子検査をやった、
「今度は健康な子がほしかった」とお母さんが語る。

こういう病気の子が1人いるだけでも親の負担は大きいのに
それでも2人目を養子に、と考えることに、まずは素直にびっくり、する。

そういう意味では、「次は健康な子を」と望むのも無理はないのかも……と考えつつ見ていたら、

「健康な子か、もし、そうじゃないなら鎌状赤血球症の子どもがほしかった」

……え?

「だって、この病気には詳しくなっているから、
どうせなら同じ病気だったら、こなせるじゃない?」

何が、どう、とは、今すぐには説明できないのだけど、
この発想は、かなりショックだった。