2010年11月20日の補遺

カリフォルニア州で、男児の包皮切除手術に反対する活動家intactivistsから、禁止法制化を求める動き。それに対して、現在方針転換を検討中の米国小児科学会の当該委員会を代表してA事件のDiekema医師が「かつて小児科学会は包皮切除は効果もリスクも不透明だと言ってきたが、どちらも決定的に大きくないなら、親が決めること。50年前だって包皮切除で反対する人はいた。現在特に批判が大きいように思えるのは、反対の立場の人たちが組織されたことと、インターネットを通じてそれが表現されるようになったからに過ぎない」。:男児の包皮切除はエイズ予防の安価な切り札だとBill Gatesが言いだしているからね。どうも「親の決定権」は、科学とテクノの簡単解決文化とその背景にある利権構造につながる人たちが自分たちのやりたいことを押し通していくための隠れ蓑というか、Claireさん言うところの「親のプライバシーという盾」になっている感じがする。
http://edition.cnn.com/2010/HEALTH/11/19/male.circumcision.sf/index.html?hpt=C1

Claire Royさんが、Ashley事件におけるNorman Fostのこれまでの発言の中から、いかに彼が過激で不当な発言を繰り返しているかを例示した上で、Hastings Center ReportのFost論文を取り上げて、「第三者」と称する障害学や障害当事者らの主張の内容に彼が依然として無関心であることを指摘している。:なるほど、あのタイトルの「第三者」とは、障害当事者だったのか。じゃあ、あのタイトル Offence to Third Parties? が言わんとしていることは、「要するに障害当事者が気に入らないというだけなんだろ」なんだな。つまり、感情論に過ぎない、と。……違うわい。
http://saynoga.blogspot.com/2010/11/infamous-quotes-by-norman-fost.html

新型と季節インフルの混合ワクチンで2人死亡。日本
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101119-00000101-mai-soci

米国のシンクタンクの調査で、英国のNHSは先進国で、患者の金持ち度が医療へのアクセスに影響しない唯一のシステムである、との結論が出ている。:日本政府、厚労省の感想を聞きたい――。
http://www.guardian.co.uk/society/2010/nov/18/nhs-best-free-access-healthcare?CMP=EMCGT_191110&

Lancetに報告された調査。08年4月1日から6月30日までに英国の病院で外科手術を受けた後に死亡した80歳以上の高齢者のケアに関するデータを調べたところ、多くの高齢者が適切なケアを受けられていない惨状が明らかに。:上記の調査結果と比較すると、どこの視点からどのデータをどのように眺めるかによって、どんな研究結果も、非常に限定的な範囲についての報告に過ぎない……と言えるような。まぁ、高齢者の医療については、これまでも似たような報告は出ているので、ある程度そろえば、一定のエビデンスなのかもしれない。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2810%2962115-0/fulltext?elsca1=TL-191110&elsca2=email&elsca3=segment