寿司を安全に食べられるのは週に何回まで?

Ashley事件の新展開で頭がいっぱいで、
関連して読みたいものも書きたいこともいっぱいあるのに時間も頭も追いついていなくて
仕事でやらなければならないこともあれこれ気にかかってはいるのだけど、

タイトルが目に付いて、つい読んでしまって、あんまり可笑しくて。

このバカバカしさは
今ものすごい速度で英米社会に蔓延する
どう考えても行きすぎた科学信仰の愚かしさそのもの……と思って。

Nutrition: Is it safe to eat lots of sushi?
I eat sushi most days for my lunch. Should I be worried about the mercury content?
The Times, January 26, 2009


「栄養:寿司はいっぱい食べても安全なのか?」というタイトルについ目を取られて開いてみたら
いきなり冒頭で「短い答えはNOです」と。

ちょっと、ぎょっとして読んでいくと、

寿司ネタの脂の多い魚には水銀が含まれており、
トロとかサーモンとかに含まれている水銀量は
寿司ネタ1個分でだいたいこれくらいと見込まれるので
ウイークデイに毎日食べたとしたら摂取量はこれくらい。

女の子と子育て期の女性の場合だと
摂取許容範囲はこれくらいだから週日のランチに食べ続けてもOK。
それにもう一回くらいは追加で食べても可。

その他の人の場合は上限がこれくらいだから
まぁ、そういう脂の多い魚は週に4回までですね……。

なんじゃ、これは……?と改めてタイトルを見たら、副題があって
「私はほとんど毎日お昼ご飯に寿司を食べるんですけど、水銀を心配したほうがいい?」

あのね……。
それ、実は寿司の安全性の問題ではなくて、常識的な食生活の問題だと思うよ。

記事は、その後、
だから水銀は、まぁ心配しなくてもいいし
どうしても毎日同じものを食べるのだったら
寿司はカロリーから言っても計算上これこれだからグッドチョイス。
問題は醤油に含まれる塩分ですね……
…・・・といった感じに展開し、また細かく計算していくわけで、
特別ぶっ飛んだことが書かれているわけではないのですが、

でも、こういう記事と
魚の脂に含まれるDHAが子どもの頭を良くするんだとかいう記事とを合わせて読むと、
ウチの子の場合は週に4回までなら
脂の多い魚を食べることのリスクよりも利益が上回ると「科学的に」考えて
食べさせる(あ、でも醤油をつける量はちゃんと見張ってね)親が出てくるんだろうなぁ……。

で、そういう人は、
また魚の脂についての「科学の新知見」が報じられると
血相変えて読むんだろうなぁ……。

こういうのが「科学的に健康な生活をすること」だと一途に思い込むよりも
そんなシチ面倒臭いことを考えるのはやめて
普通に常識的な食生活をすることの方がよほど健康的だと思うけど。

もっとも、どうしても毎日お昼に食べたいほど寿司が大好物だというなら
カロリーだろうと水銀だろうと野菜不足だろうと
委細構わず食べてハッピーに暮らせばいいんじゃないでしょうか。