早くも米国で胚性幹細胞による脊損治療実験にGO

記事はObama大統領の就任とは無関係だと書いているけれど、んなわきゃぁ、ない。

あ~、やっぱり堰は切れたよ……。
後は一気に洪水なのかなぁ……。


米国連邦政府は先週、バイオテクノロジー企業 Geronに
ヒト胚性幹細胞を使った脊髄損傷治療の臨床実験の許可を与えた、と。

実験の目的は治療の安全性を確かめること。

8人から10人の脊損の患者の損傷箇所に
胚の細胞から作った幹細胞を注射し、
拒絶反応を抑える薬を2ヶ月投与。
少なくとも1年間患者をフォローする、とのこと。

研究者は
“The one hope that everyone has is that nothing bad happens”
「みんなの共通の願いは何も悪いことが起こらないこと」

で、ついでにマヒした部分に感覚が戻るとか
PTで望める程度の機能の改善が見られないかな、と期待も。

Geron社は
ヒト胚性幹細胞を世界で初めて取り出したWisconsin大学の研究に資金提供し、
いくつかのタイプの胚性幹細胞に独占的な権利を有している会社。

92年の創設以来、これまでに胚性幹細胞研究に少なくとも1億ドルをつぎ込み、
未だに1つも治療を市場に売り出していないんだとか。

それで、どうやって経営がもっているのか……
こういう業界のことはチンプンカンプンだ……。

US approves 1st stem cell study for spinal injury
the Washington Post (AP), January 23, 2009

なんにせよ、堰は切れましたね。

もう歯止めなんて、かからないんでしょう。

英国の研究者が胎児の利用でそんなことを言っていたけど、
治療のメリットが大きければヒト胚利用の倫理問題なんて論外に押しのけられて
あとは国際競争が一気に激化、
既成事実が急速に積み重ねられていくばかり……。

あ~あ。