Ashley父がA療法プロモのため作った概念図

これもまた、今とても重要な情報だと思うので
以下は去年5月16日の「Ashley療法概念図」というエントリーの再掲です。

現在も父親のブログにありますが、細かい部分に修正が行われているかもしれません。
この人の性格からして、逐次練り直して、改定しているような気もしますが、
細かくつき合わせて検証するだけの気力はないので。

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5月8日にAshleyの父親がブログThe Ashley Treatmentを更新しました。
といっても、新しく文章を書き加えたということではなく、
去年の暮れに彼は、いわゆる“Ashley療法”について一枚にまとめた概念図をアップしたのですが、
この概念チャート「“枕の天使ちゃんたち”の幸福のための“Ashley療法”」に手を加えたようです。

1月にチャートをプリントアウトしたのですが、
ここ数日探しているのに、それがどうしても見つからないので、
すぐには前のヴァージョンと比較することができないのですが、
彼がいかに本気でAshley以外の重症児にこうした措置を広げていこうとしているか、
このチャートから伝わってくるので、紹介しておこうと思います。

更新された概念図 The “Ashley Treatment” for the wellbeing of “Pillow Angels”は、こちら

チャートはまずAshleyの状態を整理し、
それをPillow Angelsと彼らが呼ぶところの重症児の定義へと拡大していきます。

Pillow Angelsの定義には6項目があり、

・ 最近の医学の発達によって命が助かるようになった子どもたちという新しい障害カテゴリー。
・ 障害児の1割にも満たない、社会で最も非力な子どもたち。
・ 介護者への依存度が非常に高く、家族にとってとても大切な存在である。
・ 家族の愛情に満ちたケアを受けるほうが“人間扱いされない施設に入れられる”よりQOLが豊か。
・ 家族と介護者の大半は体重と身長の伸びが最悪の敵だと考えている。
・ 家族の手による個別の選択肢を必要とする極度の障害である。

最後の行の「個別の選択肢」が矢印で「“Ashley療法”」という囲みにつながり、
さらに「“Ashley療法”」の囲みが矢印で
「乳房芽の切除」「子宮摘出」「健康のためのサイズ調整」の3つに分かれていきます。

上記4つの囲みそれぞれの下に整理されているのは以下のような
「解説」「Ashleyへの主な利点」「Ashleyへの追加の利点」。

“Ashley療法”
解説は「予防的医療ケア」
主な利点は「QOLの改善」
追加の利点は「介護がしやすくなる(介護者と一心同体だから)」

乳房芽の切除
解説は「思春期に大きくなる腺の切除。思春期前なら単純な手術」
主な利点は「横になっている時や支持ベルトに大きな胸は不快、それを取り除く」
追加利点は「繊維症や癌予防」と「介護者に対して性的な存在となることを避ける」

子宮摘出
解説は「小さなうちに子宮を摘出」「選択肢検討するもこれほどの効果なし」
主な利点は「生理痛を取り除く」
追加利点は「出血しなくなる」「妊娠の可能性がなくなる」「癌予防」

健康のためのサイズ調整
解説は「骨端線の閉鎖を加速する2年間のエストロゲン・パッチ」
   「体重と慎重をそれぞれ40%、20%の削減」
主な利点は「介護者によって動かすことが増える(可動性、血行、ストレッチ)」
     「(施設ではなく)家で暮らせる可能性が高くなる」
追加利点は「側わんの手術と褥瘡の可能性を下げる」と「自己の認知と身体を近づける」


また「乳房芽の切除」と「子宮摘出」の間に別の色で追加的に「盲腸摘出」が加えられており、
この3つを○で囲んで以下の2つの注がつけられています。

1) 扁桃腺を取る程度のリスクの2時間の手術
2) エストロゲン療法の3つの作用(省きます)を防ぐために、これらはエストロゲン投与前に行う

なお、上記の“Ashley療法”からは、もう一つの矢印が出て
“Ashley療法”についてのコメント欄につながっており、
いかにAshleyのような子どもたちに有効であるか、
いかに多くの賛同の声があるかという話ですが、
最後の1つが大変気になるところで、

世界中で何十人というPillow Angelの親が我が子のために同療法を検討中」だと。

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以上について、指摘しておきたいこととしては、

・ 「成長抑制」が「健康のためのサイズ調整(”Sizing for Wellness”)」に言い換えられました。

・ 「家で暮らせる時期を延ばす」という点を前年の医師らの論文が主たる目的としていたのに対して、Ashleyの父親は去年元旦の立ち上げ時のブログでも1月のメディアによるインタビューにおいても、これを繰り返し強く否定していたのですが、その後同じような子どもの親たちと連絡を取り合ううちに、彼はこのメリットを認めるようになったといいます。そのために、このチャートでは「主要な利点」の中に入っていますが、それによって親が当初主張していた成長抑制の目的を医師らが論文で偽って報告したとの疑惑が変わるものではありません。

・ 開腹手術のリスクが「扁桃腺切除と同じ程度」という箇所について、医師らの意見を聞いてみたいところです。

・ 当初は我が子のためを思って考え付いたことかもしれませんが、このチャートを作る彼の思考回路は既に会社の事業計画や新型ゲームの販促のプレゼン作成時のようです。今、彼が情熱を注いでいるのは実は自分が生んだ“Ashley療法”という商品を世に認知させることなのでは? 利点の部分ではeliminate(排除する)という単語がずらりと並んでおり、それを見ていると、我が子の身体のことについて、こういう書き方ができる親って……? eerieという英単語が頭に浮かびました。Stephan King の読みすぎかもしれませんが、「どう考えても普通じゃないものを感じて背筋の辺りがちょっと冷たくなるような感じ」?

・ しかし、彼の現在の動機がどうあれ、それによってこんなことが広がっていくのは困るのです。シアトル子ども病院の医師らは、こうした父親の行動をどう眺めているのか。あなたたちは、このチャートの責任を取れるのか、と問いたい。