Gilderdale事件で母親に執行猶予
これまで3つのエントリー(文末にリンク)で追いかけてきたGilderdale事件で
自殺幇助と殺人未遂の罪に問われた母親に、執行猶予です。(年数は以下リンクには見つかりません)
自殺幇助と殺人未遂の罪に問われた母親に、執行猶予です。(年数は以下リンクには見つかりません)
私は、なんで執行猶予なんだ? と刑の軽さに目を剥いたけど、
英国では、そんなこと、誰も言わない。
英国では、そんなこと、誰も言わない。
いわく、
以下の記事リンクは、上からTimes, Guardian, Telegraph。
http://business.timesonline.co.uk/tol/business/law/article7002006.ece
http://www.guardian.co.uk/uk/2010/jan/25/kay-gilderdale-case-expert-view
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/politics/lawandorder/7072965/Assisted-suicide-mercy-killing-and-the-law.html
http://business.timesonline.co.uk/tol/business/law/article7002006.ece
http://www.guardian.co.uk/uk/2010/jan/25/kay-gilderdale-case-expert-view
http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/politics/lawandorder/7072965/Assisted-suicide-mercy-killing-and-the-law.html
ったく、全然、理解できない。
ターミナルでも何でもないだけでなく、
そもそも何でLynnさんが寝たきりだったり経管栄養にならないといけないのか
まったく不可解な、治癒の可能性があったとしか思えない病状だったのに、
そもそも何でLynnさんが寝たきりだったり経管栄養にならないといけないのか
まったく不可解な、治癒の可能性があったとしか思えない病状だったのに、
「Inglis事件の息子は自分の意思を表示できなかったけど
Gilderdale事件では娘本人に自殺の意思があったから、話が違う」という人はあっても
(その違いにすら触れていない記事もあるから、これまた、あきれ返るのだけど)
Gilderdale事件では娘本人に自殺の意思があったから、話が違う」という人はあっても
(その違いにすら触れていない記事もあるから、これまた、あきれ返るのだけど)
Inglis事件で殺された息子は医師から回復の可能性があるといわれていた事実や
Gilderdale事件で殺された娘が慢性疲労症候群だった事実に注意を払う人は
どこにもいない……少なくとも、上記3つの記事を読む限り、
Gilderdale事件で殺された娘が慢性疲労症候群だった事実に注意を払う人は
どこにもいない……少なくとも、上記3つの記事を読む限り、
GuardianにあるDignity in Dying の幹部 Sarah Woottonさんの発言を以下に。
The law needs to protect potentially vulnerable people by being tough on malicious or irresponsible behaviour, but it also needs to be flexible enough to show mercy when the motivation is clearly compassion.
法が、自分で身を守ることができにくい弱者を、悪意があったり、無責任な行動から守ることは必要ですが、動機が明らかに思いやりである場合には慈悲を示すだけ法が柔軟であることも必要。
法が、自分で身を守ることができにくい弱者を、悪意があったり、無責任な行動から守ることは必要ですが、動機が明らかに思いやりである場合には慈悲を示すだけ法が柔軟であることも必要。
医師が回復すると言っていて、
栄養と水分の供給を中止する病院の基準には当てはらまないといわれている息子を、
勝手に「もうこの子は助からない。助かっても重症障害の身では」と思い込んで殺すのが
母親の美しい思いやりなのか。
栄養と水分の供給を中止する病院の基準には当てはらまないといわれている息子を、
勝手に「もうこの子は助からない。助かっても重症障害の身では」と思い込んで殺すのが
母親の美しい思いやりなのか。
それこそ「無責任な行動」ではないのか。
慢性疲労症候群で14歳から31歳まで寝たきりのままだった娘を
17年間“献身的に”介護してきた母親が
絶望して死のうとした娘を殺したことを
英国社会は「美しい愛と献身」と讃え、
この愛に満ちた母を無罪放免にせよと迫る。
17年間“献身的に”介護してきた母親が
絶望して死のうとした娘を殺したことを
英国社会は「美しい愛と献身」と讃え、
この愛に満ちた母を無罪放免にせよと迫る。
この母と娘の17年間に、なぜ、もっと適切な介入ができなかったのか、
なぜ、ここに至るまでに支援できなかったのかとは、誰も問わないまま――。
なぜ、ここに至るまでに支援できなかったのかとは、誰も問わないまま――。
【Gilderdale事件関連エントリー】
Gilderdale事件:「慈悲殺」を「自殺幇助」希望の代理決定として正当化する論理(2008/4/18)
慢性疲労症候群の娘を看護師の母親がモルヒネで殺したGilderdale事件(2010/1/19)
Gilderdale事件から、自殺幇助議論の落とし穴について(2010/1/22)
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【Inglis事件関連エントリー】
事故で重症障害負った息子を「悲惨から解放してやるため」ヘロインで殺した英国の母親(2010/1/18)
Inglis事件の母親に殺人罪で終身刑(2010/1/21)
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