英国看護学会が自殺幇助について反対から中立へスタンスを転換

5月にこちらのエントリーでお知らせしたように、
英国看護学会は、自殺幇助合法化について、かねて会員の意見募集を行っていましたが、

3ヶ月間にわたるコンサルテーションで1200人からの意見が集まり、
49%が自殺幇助に賛成、40%が反対だった、とのこと。

特に弱者の擁護についての懸念と、
終末期医療にもっと資金が投入されることを求める声が多かった。

会員数は40万人。

そこで金曜日に役員が投票を行い、
これまで反対としてきた自殺幇助に関するスタンスを中立に変更することを決定。

今後、会員向けにガイダンスを作り、
患者からの相談に対応するだけで自殺幇助をそそのかしているように感じる
プレッシャーを会員が受けることがないよう
自殺幇助の法規制や倫理問題、臨床での枠組みなどについて
詳細に解説する、としている。

Chief Executive の Dr. Peter Carterは
自殺幇助は複雑な問題で会員の意見も分かれている。
今回、中立の立場にシフトしたのは
現場の看護師が患者と自殺幇助について話をしやすく、との配慮、と。

また
「中立にシフトしたからといって誤解しないでもらいたいが
看護学会は自殺幇助を提唱するわけではない」とも。



ちなみに、英国医師会は7月上旬に
自殺幇助合法化に反対のスタンスを確認しています。


【27日追記】

看護学会の立場変更を受け、
閣僚たちから「看護師のスタンスが変わったからといって、
自殺幇助がいまだ違法行為であることは変わらない」と警告が発せられています。