Purdyさんの訴え認め、最高裁が自殺幇助で法の明確化を求める(英)
昨日からメディアが、
まるで自殺幇助そのものが合法化されるかのように先走ったトーンで騒いでいました。
まるで自殺幇助そのものが合法化されるかのように先走ったトーンで騒いでいました。
その最高裁が今日、
自殺幇助のために海外へ付き添う人の行為について
The Director of Public Prosecutions(ネットでは公訴局長官/DPP)は
明確な方針を表明する必要があるとの判断を下した、と。
自殺幇助のために海外へ付き添う人の行為について
The Director of Public Prosecutions(ネットでは公訴局長官/DPP)は
明確な方針を表明する必要があるとの判断を下した、と。
Everyone has the right to respect for their private life and the way that Ms. Purdy determines to spend the closing moments of her life is part of the act of living.
プライベートな生活を尊重してもらう権利が万人にある。Purdyさんが自分の人生の最後の時を自分で決めたように過ごすことも、その人が生きるという行為の一部である。
Mr. Purdy wishes to avoid an undignified and distressing end to her life. She is entitled to ask that this too must be respected.
Purdyさんは尊厳のない苦しい死に方をしたくないと望んでおり、これも尊重してほしいと求める権利が彼女にはある(? entitled)。
プライベートな生活を尊重してもらう権利が万人にある。Purdyさんが自分の人生の最後の時を自分で決めたように過ごすことも、その人が生きるという行為の一部である。
Mr. Purdy wishes to avoid an undignified and distressing end to her life. She is entitled to ask that this too must be respected.
Purdyさんは尊厳のない苦しい死に方をしたくないと望んでおり、これも尊重してほしいと求める権利が彼女にはある(? entitled)。
これを受けてDPPは急ぎ作業チームを作って
なるべく早く、起訴にあたっての細かい原則を整理し
9月末をメドに、暫定的な方針を作る、と。
なるべく早く、起訴にあたっての細かい原則を整理し
9月末をメドに、暫定的な方針を作る、と。
さらに来年1月に新たな方針を発表するに当たっては
広く一般からの意見聴取を行う、とも。
広く一般からの意見聴取を行う、とも。
自殺幇助合法化推進派が勝利に沸く一方、
弱者の人権擁護の観点から懸念するRight to Life の幹部 Phyllis Bowman氏は
弁護士に相談して必要な行動をとる、と。
弱者の人権擁護の観点から懸念するRight to Life の幹部 Phyllis Bowman氏は
弁護士に相談して必要な行動をとる、と。
さらにPurdyさんの裁判に呼応して
合法化推進派の議員から提出された法改正案は
7月上旬に上院で否決されたのだから、
合法化推進派の議員から提出された法改正案は
7月上旬に上院で否決されたのだから、
DPPが作ると言っている方針も、
海外へ付き添う行為が、どういう場合に起訴対象となり、どういう場合にはならないか、
そうした条件を明確に示すものとしてのみ読めるので、
それ自体に筋の通らないものは感じないのですが、
海外へ付き添う行為が、どういう場合に起訴対象となり、どういう場合にはならないか、
そうした条件を明確に示すものとしてのみ読めるので、
それ自体に筋の通らないものは感じないのですが、
しかし、記事に引用された法務卿らの言葉には
確かに昨日メディアが騒いでいたように
自殺幇助合法化そのものに一歩踏み込んでいて、
そこが、立法・司法制度の中で先の上院での否決とどう整合されるか……。
確かに昨日メディアが騒いでいたように
自殺幇助合法化そのものに一歩踏み込んでいて、
そこが、立法・司法制度の中で先の上院での否決とどう整合されるか……。
しかも「尊厳がなく苦しい」という言葉を安易に使って。
ちっとも筋というものが通っていない! と私は感じるのだけど、
物事の筋道も、論理の繋がりも、もはや、どこの国でも、勢いで、すっとばされていくばかり。
物事の筋道も、論理の繋がりも、もはや、どこの国でも、勢いで、すっとばされていくばかり。
英国の自殺幇助議論、一気に加速して動きそうな、嫌な予感がします。
ちなみに、今年秋にも最高裁が上院から独立した機関となるため、
上院(the House of Lords)と同じ呼び方をされている現在の最高裁が行う聴聞としては
Purdy さんの件が最後だとのこと。
上院(the House of Lords)と同じ呼び方をされている現在の最高裁が行う聴聞としては
Purdy さんの件が最後だとのこと。
関連記事を随時、以下に追記していきます。
Victory for Debbie Purdy after historic ruling in right-to-die legal battle
The Guardian, July 30, 2009
The Guardian, July 30, 2009
Assisted suicide ruling: What the panel of law lords said
The Guardian, July 30, 2009
(これ、重要。法務卿の発言、メディアのトーンとニュアンスが違うかも?)
The Guardian, July 30, 2009
(これ、重要。法務卿の発言、メディアのトーンとニュアンスが違うかも?)
イギリスの the House of Lordsについて(Yahoo!Japan 知恵袋)
世襲貴族議員を廃止した英国上院:ブレア首相の中世の清算
英国貴族院と裁判所(その2)(川田剛「法と経営」2008年8月1日号)
世襲貴族議員を廃止した英国上院:ブレア首相の中世の清算
英国貴族院と裁判所(その2)(川田剛「法と経営」2008年8月1日号)
【Debby Purdy さん関連エントリー】
MS女性、自殺幇助に法の明確化求める(2008/6/27)
親族の自殺協力に裁判所は法の明確化を拒む(2008/10/29)
自殺幇助希望のMS女性が求めた法の明確化、裁判所が却下(2009/2/20)
Debby PurdyさんのBBCインタビュー(2009/6/2)
自殺法改正案提出 Falconer議員 Timesに(2009/6/3)
MSの教育学者がヘリウム自殺、協力者を逮捕(英)(2009/6/26)
作家 Terry Pratchett ”自殺幇助法案”を支持(2009/7/1)
英国医師会、自殺幇助に関する法改正案支持動議を否決(2009/7/2)
英国上院、自殺幇助に関する改正法案を否決(2009/7/8)
MS女性、自殺幇助に法の明確化求める(2008/6/27)
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英国医師会、自殺幇助に関する法改正案支持動議を否決(2009/7/2)
英国上院、自殺幇助に関する改正法案を否決(2009/7/8)