2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

2011年5月12日の補遺

昨日のエントリーで紹介した英国障害者のデモ(挨拶した人によると「生まれて以来記憶にある限り最大規模」)関連の記事とビデオ。8000人が集まったとか。一番上のGuardianのビデオでプラカードの一つがキャメロン首相の「大きな社会」構想に触れて「大きな…

「介護者の10の心得」 by the Princess Royal Trust for Carers

昨日のエントリー 英国の障害者らが介護サービス削減に抗議して訴訟、大規模デモを書いた際に 英国の老舗介護者支援チャリティから出ている「介護者の10の心得」を エントリーとして紹介したいな、と考えたもので――。 英国でも米国でも介護者向けに様々なア…

英国の障害者らが介護サービス削減に抗議して訴訟、大規模デモ

英国連立政権が打ち出した社会保障費大幅カットで 自治体が介護サービスを縮小し、障害者、高齢者に大きな影響が出ている。 Frank Baileyさん(80)は長年72歳の妻Faithさんの介護をしてきた。 Faithさんには心臓病、当女房、喘息、肺疾患、骨粗鬆症などがあ…

2011年5月11日の補遺

英国の社会保障費カットで障害者らが訴訟へ。 http://www.guardian.co.uk/society/2011/may/10/disabled-people-cuts-protest-courts?CMP=EMCGT_100511& http://www.guardian.co.uk/society/2011/may/10/social-care-cuts-disabled-people 片や、英国の大学…

「学会が関連企業相手にショーバイする米国の医療界」から医療費高騰を考えてみる

この回、前のエントリーの続きです。 この記事の4日後に、ProPublicaは 不整脈会場で取材した参加者らの反応や、上記記事へのブログでの医師らの反応を調べ、 取りまとめた記事を掲載している。 一番典型的なのは以下のような反応で 「いつも腹立たしく感じ…

学会が関連企業相手にショーバイする米国の医療界

無料飲料水ボトル: 1万ドル 無料給水ステーション: 1万2000~2万ドル コーヒー・カップにかぶせる紙製取っ手(スリーブ): 1万~4万5000ドル。 ホテル客室のキーカード: 4万5000~7万ドル。 展示ホールのカーペット: 2000ドル パンフ用ビニール袋: 1万…

吉村昭「関東大震災」メモ、ついでにオバマ発言

吉村昭「関東大震災」(文春文庫 2004年新装第1刷)を読んだ。 関東大震災の直接の被害者は22万人。 これ、私の住んでいる町の平成の大合併前の人口に結構近い。 前半の地震と火災の被害について証言や資料から再現して書いてある部分は さすがに吉村昭の緻…

英国障害者の7割がPAS合法化に懸念:Scope 調査

英国の脳性まひ者のアドボケイト団体Scopeの依頼による調査で 障害者の7割が自殺幇助合法化に反対、とのこと。 18歳から24歳の障害者の77%、 25歳から34歳の障害者の71%が 「自殺幇助に関する法改正が行われると」 「障害者にはまだ死なずにいられる時から…

VT州、自殺幇助合法化せず、公費による皆保険制度創設へ

2010年11月2日の補遺 2010年11月16日の補遺 2011年3月5日の補遺 などで追いかけてきたように、 米国Vermont州では先の中間選挙で 自殺幇助合法化を公約していたPeter Shumlin知事が誕生し、 3月にはいよいよ法案も出てきて、懸念されていましたが、 以下のWe…

2011年5月9日の補遺

Not Dead YetのKevin FitzpatrickがBMJに自殺幇助合法化に反対する論考を書いている。Baroness Campbellが入院した際に医師にそれほど重い障害があったらいざという時にも蘇生も呼吸器も望まないだろうと決めつけられたために、コワくて2昼夜も寝られなかっ…

スイスの自殺幇助団体Exit、高齢者の要件を緩和

外国人の自殺幇助をもっぱら受け入れているDignitasと違い スイス国内に在住の人だけを対象にしているExitが7日、 「高齢者が自殺幇助によりアクセスしやすいように」規定を緩和。 その目的は「健全な精神状態で、死にたいと望む高齢者の、無用な障害を取り…

Lancet最新号はゲイツ特集か:HIVに死産にHPVワクチン、それからこれはコワいぞ「グローバル治験条件緩和」

Lancet最新号のラインナップをなんとなしに眺めていたら、 HIV、HPVワクチン、stillbirth(死産)、グローバルヘルス……て、 なに、これ、ほとんどBill Gatesの関心事ばっかりじゃん???? Lancet, Vol 377 NO.9777 May 07, 2011 ① HIVについては論文が2本…

2011年5月8日の補遺

吉村昭「関東大震災」を読んでいる。:これほど甚大な被害だったとは知らなかった。いつもながら吉村昭の緻密な実証作業には脱帽。感情を排しているだけに惨状が生々しく伝わる筆力に感嘆しつつ、まるで直接目撃してしまったかのようで、ちょっと3・11直後の…

福岡伸一の“動的平衡”生命観と“科学とテクノで簡単解決文化”批判 2

この回、前のエントリーの続きです。 2冊の中で 動的平衡に対する人為的かつ操作的な干渉として言及されているのは、 たとえば、 ES細胞(新書②第4章) 臓器移植と遺伝子組み換え(新書①第3章) SSRI(上記第3章内、p.108-111) 子どもに増えてきたアレルギ…

福岡伸一の“動的平衡”生命観と“科学とテクノで簡単解決文化”批判 1

4月18日の補遺で書いたように、 映画「わたしを離さないで」のプロモでNHKが作った番組「カズオ・イシグロをさがして」で 以下のように語った分子生物学者の福岡伸一氏の生命観が印象に残った。 人間の細胞は繰り返し滅亡と再生を繰り返して、 自分という存…

2011年5月5日の補遺

様々な形態の発電に投資しているBill Gatesが、福島原発事故を受けて世界中で広がる原発懐疑の声を「過剰反応」。太陽光や風力など環境に優しいとされるグリーン発電のような「かわいらしい cute」方法では地球上のエネルギー不足は乗り切れない、と原発を支…

2011年5月3日の補遺

重力が脳を酸欠状態にして多幸感の内に死ねる「安楽死コースター」を設計したアーティストがいる。Wesley Smithのブログに3分間のビデオ。「人口削減策として、また自分の人生が長すぎると感じる人にも」と語っている。 http://www.firstthings.com/blogs/se…

カナダ政府、「障害のある子どもが社会の負担」と相次いで永住権を拒否

2008年11月にオーストラリアで同様の事件がありましたが、↓ 「ダウン症の息子が社会の重荷」とドイツ人医師に永住権を拒否 今度はカナダ政府が、子どもの障害を理由に2家族に永住権を拒否しています。 ① Immigrant family with disabled child to stay in Ca…

英国人夫婦が豪の幇助団体の支援で自殺、2人のメッセージが明日YouTubeに

Don Floundersさん(81)と妻のIrisさん(88)はオーストラリア、Victoriaの自宅で 先週の木曜日に自殺。翌日、遺体が発見された。 Donさんは不治の肺がんで、以前から 夫を失っては生きていけないと考えるIrisさんと一緒に死にたいと語っており、 08年…

ゲイツ財団の米国公教育コントロール 2

この10年ばかり米国の教育改革に資金を提供してきたBill Gates氏が これまでの改革が効果を上げていないことから学校小規模化から方針を転換し、今度は 生徒の成績をPC管理して、その変動で教師を評価するシステムを提言していることを 前のエントリーで紹介…

ゲイツ財団の米国公教育コントロール 1

長引く経済不況で、米国の公教育は予算不足が続き、 そこでEli Broad, Casey Wasserman, Bill & Melinda Gates 財団など 民間からの資金に頼ることになっているらしい。 LA Times の調査によると、 LA地域の教育行政上級職20人の給与が税金からではなく これ…

動物差別やめて「ペット」は「コンパニオン動物」に、飼い主は「人間ケアラー」に

なんでもJournal of Animal Ethics という新しい学術雑誌が誕生したそうな。 その最新号の論説がすごい。 英語には動物に対して侮蔑的、差別的な表現が多く、 それらは改められるべきである、と主張する。 例えば、飼っている犬や猫などの動物を「ペット」と…

骨粗鬆症の高齢女性を殺した恋人に「愛から生じた無私の行為」と執行猶予(豪)

オーストラリアで 2009年に重症の慢性病のパートナーEva Griffith(享年78歳)を窒息させて死なせたとして David Scott Mathers(逮捕時64歳)に2年間の執行猶予付き判決。 判決は 本人が死にたがっていたこと、大きな苦痛があったことに何度も言及し、 「彼…