「お子サマに最適なスポーツと最適な訓練方法を」と“DNA霊感商法”
遺伝子からお子サマに最適のスポーツを診断!
遺伝子に資質が組み込まれていないスポーツでお尻を叩いても、
それは親御サマにとってもお子サマにとっても不幸というもの。
お子サマの遺伝子に応じた種目、練習の方法が見極められるよう、
さらには、練習中に命にかかわる心臓病や脳しんとうを起こさぬよう、
ぜひとも、お子サマの遺伝子をお調べくださいませー。
遺伝子に資質が組み込まれていないスポーツでお尻を叩いても、
それは親御サマにとってもお子サマにとっても不幸というもの。
お子サマの遺伝子に応じた種目、練習の方法が見極められるよう、
さらには、練習中に命にかかわる心臓病や脳しんとうを起こさぬよう、
ぜひとも、お子サマの遺伝子をお調べくださいませー。
……てな宣伝モンクで
米国で最近「スポーツ遺伝子検査」を売り出した会社が2つあるそうだ。
米国で最近「スポーツ遺伝子検査」を売り出した会社が2つあるそうだ。
どちらのサイトもACTN3について、もっともらしいことが説明されているけど、
この記事の専門家の説明によると、その遺伝子は運動のカギを握る筋肉のプロテインをコントロールする、
ACTN3プロテインは瞬発力のある筋を作る、というんだけど、
この記事の専門家の説明によると、その遺伝子は運動のカギを握る筋肉のプロテインをコントロールする、
ACTN3プロテインは瞬発力のある筋を作る、というんだけど、
でも、それって、それだけのことでしょ……? と思ったら、
Atlasの方の幹部が「誤解している人が多いですが、
ACTN3で未来のマイケル・ジョーダンになれるということじゃないですよ。
検査で分かるのは、そのプロテインがあるかどうか、です。
それで、瞬発力の生きるスプリントに向いているか、それとも
耐久力の生きる競技に向いているかが分かる、ということなんです」
ACTN3で未来のマイケル・ジョーダンになれるということじゃないですよ。
検査で分かるのは、そのプロテインがあるかどうか、です。
それで、瞬発力の生きるスプリントに向いているか、それとも
耐久力の生きる競技に向いているかが分かる、ということなんです」
(それなら、ただそれだけのことだと正直に言えば?
「誤解している」んじゃなくて「誤解させて」ショーバイしてるんじゃん)
「誤解している」んじゃなくて「誤解させて」ショーバイしてるんじゃん)
American Internationalが検査するACTN3以外の5つの遺伝子は
同社の主張するところでは、パワー、エネルギー、耐久力に関連しているそうな。
同社の主張するところでは、パワー、エネルギー、耐久力に関連しているそうな。
さらにそのうち3つは、脳しんとうを起こしやすい人を特定できるんだそうな。
「主なターゲットの1つは子ども。
そういう変異のある子どもが闇雲にスポーツをやっていて、
いきなり心臓病や脳しんとうで倒れないようにしてあげたい。
子どもがトレーニング中にいきなり倒れることはないと親も安心できるでしょ」と同社幹部。
そういう変異のある子どもが闇雲にスポーツをやっていて、
いきなり心臓病や脳しんとうで倒れないようにしてあげたい。
子どもがトレーニング中にいきなり倒れることはないと親も安心できるでしょ」と同社幹部。
(スミマセン、脳しんとうは、その遺伝子の変異がなくても
トレーニング中であれ何してる時であれ、物がぶつかってくれば起こると思います。
ぶつかり方が激しければ、いきなり倒れることだってあると思いますが?
トレーニング中であれ何してる時であれ、物がぶつかってくれば起こると思います。
ぶつかり方が激しければ、いきなり倒れることだってあると思いますが?
「命にかかわる脳しんとうを起こさぬよう」って宣伝文句、実はこれだけのことだったの……?
それって「誇大」というより、いっそ「ウソ」なんでは?)
それって「誇大」というより、いっそ「ウソ」なんでは?)
脳しんとうに関係すると同社が主張しているのはApoEという遺伝子。
これを「スポーツ遺伝子」として検査に含めることに専門家から異議がある。
これを「スポーツ遺伝子」として検査に含めることに専門家から異議がある。
というのは、ApoEはアルツハイマー病の関連遺伝子。
子どもがサッカーをやりたいというから、じゃぁ……と、
軽い気持ちで、この会社のサイトを開き、
子どもの口の中を撫でた綿球を送ってみたら、
サッカーで脳しんとうを起こすリスクどころか、
将来この子はアルツハイマー病になる確率が高いことが分かってしまった……
ということにもなりかねない、という批判。
子どもがサッカーをやりたいというから、じゃぁ……と、
軽い気持ちで、この会社のサイトを開き、
子どもの口の中を撫でた綿球を送ってみたら、
サッカーで脳しんとうを起こすリスクどころか、
将来この子はアルツハイマー病になる確率が高いことが分かってしまった……
ということにもなりかねない、という批判。
そもそもインターネット上で繁盛している消費者直結(DTC)遺伝子検査は
信ぴょう性も怪しければ、遺伝子情報が正しく理解・解説されるかどうか分からない。
それでも一旦出てくれば、就職や保険での差別にもつながるリスクがある。
信ぴょう性も怪しければ、遺伝子情報が正しく理解・解説されるかどうか分からない。
それでも一旦出てくれば、就職や保険での差別にもつながるリスクがある。
こういう会社が出てきたのを機に、遺伝子診断そのものを
ちゃんと規制すべきだ、と専門家。
ちゃんと規制すべきだ、と専門家。
FDAはこれまでも、このテの検査にはシワい対応をしており、
これまでも閉鎖に追い込まれた計画もあったらしいのですが、
今回は5月11日にAmerican Internationalに対して、なかなかオツな書面を送っています。
これまでも閉鎖に追い込まれた計画もあったらしいのですが、
今回は5月11日にAmerican Internationalに対して、なかなかオツな書面を送っています。
“Ashley療法”論争でFostに動員されたと思しき
シアトルこども病院のオトモダチFriedman Rossが
ここではなかなかいいコメントをしている。
シアトルこども病院のオトモダチFriedman Rossが
ここではなかなかいいコメントをしている。
「これは本当に懸念されますね。
スポーツや身体を動かすアクティビティは子どもにとって遊びでなければ。
スポーツや身体を動かすアクティビティは子どもにとって遊びでなければ。
遺伝子がこれならオマエは必ずや世界の一流選手だ、とか
こんな遺伝子じゃ見込みはないからやめておけ、とか、そういう話じゃないでしょ」
こんな遺伝子じゃ見込みはないからやめておけ、とか、そういう話じゃないでしょ」
ここまでくると、もうほとんど“霊感商法”の域。
2社の関係者が言っていることを読めば読むほど、
「ゼニになるならゴマ粒だって黒ダイヤモンドだと言いくるめますも~ん」と聞こえて
シラケるばかりか、こんなショーバイがまかり通る時代なのかと悲しくなってしまう。
「ゼニになるならゴマ粒だって黒ダイヤモンドだと言いくるめますも~ん」と聞こえて
シラケるばかりか、こんなショーバイがまかり通る時代なのかと悲しくなってしまう。