Ouellette 「生命倫理と障害」最終章:障害に配慮した生命倫理に向けて

最終第8章の内容の大まかのところは、
以下のエントリーにある通り。


「うわわわっ! 」というほど驚いたのは、

あんなに「女性器切除と同じくらいの慎重なセーフガードを」と
09年の論文では徹底的に批判していたウ―レットが、なんとなんと、

アシュリー事件でのシアトルこども病院が組織したWGの検討と提言を
障害に配慮した生命倫理の手続きのモデルにしろ、なんて
言いだしちゃっていること。

どどどーしたの?

どうやら、
WGに障害学の学者が入っていて、
セーフガードにもインフォームドコンセントやら手続きがちゃんと盛り込まれていて、
その歩み寄りと丁寧な検討と障害学からの提言を盛り込んだ姿勢がよい、ということみたい。

そう言えばBill Peaceも、
WGの論文が出た時にブログでそんなことを書いていた。

私は、Peaceはへースティング・センターに弱いからなぁ、と思っていたんだけど、
Ouelletteよ、おまえもか……と、がっくり。

私の独断的な推理では、
やっぱり生命倫理学そのものが、基本的にプロセス重視だから、というのが1点。

もう1点は、アシュリー事件はやっぱり複雑すぎる。コワすぎる。

それから、やっぱりOuelletteさんは、ナイーブ過ぎる。

その証拠に、
3月に出てきた“アシュリー療法”の新規12ケースのうち、
WG論文でウ―レットが誉めているセーフガードが採用されたケースがどれだけあったと?

多くは担当医の独断で決まっていたようだったけど?????


生命倫理と障害」