Facebookが臓器不足解消のため、英米の利用者に臓器提供の意思表示を呼び掛け

日経が早速に今日、記事にしたようですが、



昨日のNYTに、以下の記事があり、
SNSFacebookが米国の利用者に臓器提供意志の表示を呼び掛ける、と。



1日に明らかにされた計画によると、

FBの健康セクションに臓器提供意思の有無と、
誕生日、出身校を一緒に公開できるようにする、と。

出身校を一緒に公開させるのは、
それによって同窓生同士のピア・プレッシャーがかかり、
提供希望者が増えることを狙ったもの。

もちろん、FBでの意志表示は法的な効力を持つものではないが
このセクションの意志表示欄には州のオンライン・ドナー登録サイトへのリンクが貼られ、
誘導効果が期待されるほか、

本人の意思確認ができず家族が提供を決断するよう迫られる場合に、
本人意思がFBに表記されていれば、同意の根拠となる、と
今回のFBの動きの発端となったジョンズ・ホプキンス病院の肝臓移植部門トップ、
Andrew M. Cameron医師は語る。

「臓器移植の歴史的な日となるでしょう。
(現在は臓器不足で死ぬ人が沢山いるが)この統計はがらりと変わるだろうし、
(臓器不足という)問題がなくなることすらあるかもしれない」

発端となったのはCameron医師がFBに
臓器移植医療での尽力とドナー不足に苦慮する現状について書きこんだものを
かつての同級生でもあり、たまたまFBの運用責任者であるSheryl Sandbergが読み、
これなら自分にも手伝える、と同窓会で申し出た、こと。

米国のFB利用者は1億6100万人で、
現在のところドナー登録者は米国の成人の半分に満たないが
移植医療関係者は一夜にして登録が増えるのでは、と期待している。

3000万人の利用者がいる英国でも同様の変更が行われ、
FB社では数カ月の内に他の国々でも導入するとしている。

FB社の創設者でCEOのZuckerberg氏と
運用責任者のSheryl Sandberg氏は声明を発表し、

「小さなネットワークとして始めたものが
こんなに強力なコミュニケーションと問題解決のツールに発展するとは
夢にも思わなかった。

でも、こうなった以上、
世界的な規模の社会問題をみんなで解決できるよう
これまでとは違う方法を可能とするツールを作っていきたい」

移植医療界には
FBが文化変容の強力なツールとなることに期待しつつも
ウェブは公式な登録ではないので家族が合法性を争った場合には問題はあるとして、
あくまでも正式な登録が重要、との声も。

スタンフォード大のthe Persuasive Technology Labのディレクターとして
テクノロジーが人々の態度にいかに影響を及ぼすかを研究しているBJ Fogg氏は

「(FBで臓器移植が大きな話題となれば)ドナーになるかどうかという、
たいていの人が考えたことすらなかった、大事な決断を促すでしょうね。

友達がみんな意志表示しているのを見たり、
あるいはみんなが意思表示しているという幻想をもつと、
そこにある種の期待が設定されて、社会的ノームとなる可能性はあります」

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このニュースを受けて、WPにスライドショー。
タイトルは「FBのザッカ―バーグは次の慈善家ビル・ゲイツになるか?」



ザッカバーグとビル・ゲイツだけでなく、
IT長者たちによる慈善資本主義がどっと全開になろうとしている有様が描かれている。

2008年にこういうことを予測してこういうのを書いたことがあった。↓
デジタル・ネイティブ”は慈善資本主義よりもTHニズムよりも怖いかも

まずはデジタル・ネイティブ長者たちが
ビル・ゲイツが敷いた慈善資本主義経済を踏襲しようとしている?

でも、それが意味することは、たぶん
1%に過剰に集中した富が、その1%個々人の好みや考え方に応じて
恣意的にばらまかれるという形で分配されていく世界ができ上っている、ということであり、

また、公的機関は、そうしてばらまかれるカネに群がり、
慈善資本主義の帝王たちの歓心を買い、彼らの望むマーケット創出に協力していくしかなくなっている
ということでもあり……。