WA州の高齢者施設経営者からMA州住民への手紙「PAS合法化したら滑ります」

来年、自殺幇助合法化に向けた住民投票を実現しようとの
キャンペーンが着々と進むマサチューセッツ州で、
それに抗う運動をしている団体のサイトに、

住民投票によって尊厳死法を作ったワシントン州に住む
高齢者施設の経営者がBoston Globe紙に投稿した書簡が転載されている。

全文を以下に。


編集長さま

妻と私は自殺幇助が合法となったワシントン州で高齢者介護施設を運営しており、読者のみなさんに住民投票では反対されるようお薦めするべくお便りしております。

ワシントン州尊厳死法は08年11月の住民投票で決まりました。その投票の4日後、私たちの施設のクライアントの一人の、すでに成人した子どもさんから「あの薬」を手に入れたいとの相談がありました。父親を殺すために手に入れたいというのです。その方の父上ご自身が死にたいと望まれていたという話ではありません。

尊厳死法ができて以降、医療職の中には最初から治療など考えず、さっさとモルヒネを持ちだして緩和ケアを始める方が目につくようになっています。時には、クライエント本人にも代理人である家族にも言わずに、独断でそういうことをやられる医療職もあります。

またQOLが低すぎるから高齢者は治療しないと一律に切り捨ててしまう医療職も見てきました。かつては、たいていの医療職が高齢者のケアに喜びを感じ、クライエントもまたそれに喜びと敬意で応えていたものでしたのに。

いつの日か、私たちも老います。その時に、私自身は治療しケアしてほしいし、自分の選択を尊重してもらいたいと思います。このような事態の推移に私は心を痛めており、そちらの皆さんが自殺幇助の合法化を止められるものなら、と願っております。

Juan Carlos Benedetto


Benedetto Letter to Boston Glove
Mass. Against Assisted Suicide, May 26, 2012