ADHD治療薬の“スマート・ドラッグ”利用を解禁せよ、とNorman Fost

ADHDの治療薬 Adderallが米国の大学生の間で
集中力を高める即効力のある“スマート・ドラッグ”として濫用されている。

地元紙の取材で、
Wisconsin大学Madison校のキャンパス内でも
闇で売っている学生から1錠5ドルで簡単に手に入ることが分かった。

長期に服用すると、睡眠障害や頭痛、依存、チックなどの副作用があることが
明らかになっているが、

学生がADHDの症状を訴えれば医師は処方する。
そうして手に入れたAdderallがキャンパス内で違法に売買されているらしい。

副作用を軽視している医師も少なくないし、
大学側もマリファナや飲酒に比べると
さほど深刻な問題と捉えていない。

しかし、同校のカウンセリング担当の薬物濫用の専門家は
身体的な副作用のほかに、こうした薬を飲まないと試験をクリアできないような心理状態に陥る
精神的な副作用にも警告を発している。

この記事に登場する匿名の学生は
ストレスの多い時期にAddedallのオーバードースから
病院に運び込まれたことがあり、現在は他の薬に切り替えたという。

それでも
「本当に簡単に集中できるようになるんだもの。
奇跡の薬なんて言いたくはないけど、でもAdderallがなかったら
今ここ(法科大学)にはゼッタイいなかったと思うわ」と。

Some see use of ‘smart drug’ Adderall rising at UW-Madison
Wisconsin State Journal, December 20, 2010




で、Wisconsin大学、エンハンスメントと来れば、
この人が出てこないわけはない……のが、Ashley事件の立役者の Norman Fost。

Fostがこの記事で主張していることは、だいたい、こんな感じ。

なまじ違法だったり手に入れにくくなっているから
学生たちが処方薬を闇で売買したり、怪しげなルートで手に入れなければならない。

合法的に手に入れた酒が原因で何千人という人が死んだり大騒動を起こしているんだから、
非合法に手に入れた薬のおかげで法科大学に入れるなら合法化すればいい。

合法化すれば製造も利用も透明性が担保され、
ちゃんと監督することができて、よほど安全になる。



ちなみに、こちらエントリーのコメント欄での
児童精神科医AFCPさんの当てずっぽうの推測によると、
ADHDの治療薬のエンハンスメント目的での使用を肯定する精神科医
日本でも3割くらいはいるのでは……とのことでした。