2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2010年12月10日の補遺

Bill Peaceが成長抑制WGの論文をブログでとりあげ、社会サービスの不足を指摘している点など、部分的に評価している。特に、Hasting Centerの関与を評価しているが、そんなの、成長抑制の是非とは、なんの関係もない。こともあろうに「症例によっては医学的…

新生児の遺伝子スクリーニングの“コラテラル・ダメージ”、“発症可能性”に怯え振り回される親たち

新生児への遺伝子診断技術が登場したのは1990年代。 必須アミノ酸の一つを利用できない病気(PKU)の発見を可能にするものだった。 その後、対象となる病気が増えて、米国小児科学会は2005年に それまでの対象を大幅に拡大し、29の項目と24のサブ項目とを ス…

故Gunther医師が07年に成長抑制を語る“お宝映像”を発見

ここしばらく、新たに始まったことが懸念される成長抑制キャンペーンに関連して ネットであれこれ検索することが多くなって、おかげで 別件でも面白いものを見つけたりしているのだけれど、 (例えばTruog「心臓死後臓器提供の倫理問題」講演映像は8日の補…

2010年12月9日の補遺

スコットランドで否決された自殺幇助合法化法案の提出者だったMacDonald議員がScotsman紙に論考を寄せている。「そうなるだろうと予測はしていたから恨みはないけど、世論の関心を考えたら、もう何人か賛成票を投じてくれると思っていた。でも私はこれからも…

野の花診療所の徳永医師の「こんなときどうする?」を読んだ

鳥取でホスピスケアを行う有床診療所「野の花診療所」を営む徳永進医師の近刊 「こんなときどうする? 臨床の中の問い」を読んだ。 付箋だらけだし、書きたいことが山のようにあるのだけど Ashley事件の新たな動きでバタバタしてエントリーにできないでいる…

2010年12月8日の補遺

Wesley Smithがブログで11月30日の成長抑制に関する報道を取り上げているのだけど、Smithまでがきれいにだまされて、へースティング・センターが組織した委員会が検討した結果「倫理的にOK」と結論したのだと誤解している。:4年前にちょっと情報を追いかけ…

成長抑制WGのHCR論文:とりあえず冒頭のウソ3つについて

シアトルこども病院のWilfond医師を主著者に、 成長抑制ワーキング・グループが書いたことになっているHCRの論文 Navigating Growth Attenuation in Children with Profound Disabilities Children’s Interests, Family Decision-Making, and Community Conc…

子ども病院成長抑制WGメンバーの正体

6日のエントリーで指摘したように、 シアトルこども病院成長抑制ワーキング・グループからは、WPASの弁護士Carlson氏が抜けているので、 その他メンバーは19人ということになります。 この19人の内訳を、以前からずっと取りまとめておきたいと思いつつ果たせ…

2010年12月7日の補遺

スイスで妙な判決が出ている。自殺幇助と消極的安楽死が認められるが積極的安楽死は違法であるスイスで、足の動きだけで本人意思を確認して致死薬を投与したという医師に対して無罪判決。:気がかりなのは、このニュースによると「本件では医師には法律を破る…

Norman Fost「成長抑制が気に入らなければ虐待だと通報してみろ」と逆ギレ

Norman FostがHastings Center Reportに書いた Offence to Third Parties? 感情論だと非難しているようで気になっていたのですが、読んでみると、 やはり当初の推測の通りタイトルの意味は「第三者が気に入らないからやめろだとぉ?」だったようです。 論旨…

Foxのローカル局が「時代が変わり意見も変わって、成長抑制はOKと決定」

12月5日のシアトル地域のQ13FOXテレビ。 Now, four years later, a Seattle based group studying the ethics surrounding "Ashley's procedure" has decided it is "morally permissible" and has written a report on the subject. (中略) Curt Decker of …

2010年12月6日の補遺

Falconer議員率いる英国上院の自殺幇助検討委員会の中立性が疑問視されている。:当たり前だ。 http://www.mercatornet.com/careful/view/8388 自殺幇助合法化法案否決を、スコットランドのカトリック教会大司教が歓迎。 http://www.indcatholicnews.com/new…

なぜWPASのCarlson弁護士はWGメンバーから消えたのか?

Hastings Center Reportの11―12月号に掲載された シアトルこども病院成長抑制ワーキンググループの論文を手に入れてくださった方があり、 読むことができました。 論文の内容はまた改めてとりまとめますが、 WGのメンバーに関して極めて不可解なことが起こっ…

2010年12月4日の補遺

【HCRの成長抑制特集関連】 なぜか11月30日になって突然あちこちが取り上げた。その余波。 12月2日に、早速、トランスヒューマニストのGeorge Dvorskyが「成長抑制は“倫理的に妥当”」とツイッターでS-Piの記事を流している。Dvorskyは「中身が赤ん坊なのに体…

2010年12月2日の補遺

日本に関する英語情報。エーザイが不眠治療薬SEP-190の認可を厚労省に申請。:日本の自殺対策はなぜメンタルヘルスに傾斜しているのか、という問題提起が、今日、某所であった。米国のビッグ・ファーマと医師らの癒着スキャンダルが最も悪質なのが、その領…

英国では07年に重症児の子宮摘出要望もう1つ却下:英米を分ける司法の関与

2007年にAshley療法論争が英国に飛び火したKatie Thorpe事件については 当ブログでも詳しく追いかけましたが(詳細は「英国Katieのケース」の書庫に) 当時、英国では9歳の重症児Oliviaの母親Kim Walkerさんも リバプールのAlder Hey 子ども病院に子宮摘出の…

スコットランドの自殺幇助合法化法案、否決

12月1日に行われたスコットランド議会の党議拘束なしの自由投票で、 16歳以上のターミナルな病状で生きるのが苦痛だと感じている人を対象にした 自殺幇助合法化法案が否決された。 賛成16 vs 反対85。棄権2。 Margo MacDonald議員には2度目の敗北。 Ass…

2010年12月1日の補遺

スコットランドの自殺幇助合法化法案は1日夕刻の投票で否決されるだろうとの見通しが現地時間の朝7時時点で出ている。:まずは良い兆し。なにしろ、ここがコケたら影響が大きそうだから去年から気になりっぱなし。 http://www.hebdenbridgetimes.co.uk/news/…

成長抑制の対象はIQ25以下の重症重複障害児、とWG

シアトルこども病院が組織した成長抑制ワーキンググループが 結局意見の一致を見ることができなかったために、結論ではなく、 あくまでも、「ほとんどのメンバー」の“妥協点”として、強引にとりまとめた(とされる) 論文が、Hastings Center Reportの11-12…

ACからEva Kittayそして「障害児の介護者でもある親」における問題の連環

信田さよ子著「愛しすぎる家族が壊れるとき」を読み、 A事件が提起する親子の関係性や介護の問題を改めて考えた。 まず、アダルトチルドレン(AC)という概念については 私は上記のような問題を考える際にとても有益だと感じつつも、 日本ではあまりにネガテ…