Norman Fost「成長抑制が気に入らなければ虐待だと通報してみろ」と逆ギレ

Norman FostがHastings Center Reportに書いた
Offence to Third Parties?

感情論だと非難しているようで気になっていたのですが、読んでみると、
やはり当初の推測の通りタイトルの意味は「第三者が気に入らないからやめろだとぉ?」だったようです。

論旨はだいたい、こんな感じ。

ワーキング・グループが「妥協点」に達したことは良いとするが、
自分に言わせれば、その妥協点すら第三者の言うことを尊重しすぎている。

個々の家族が医師と相談して成長抑制が良かろうと言っているのに、
直接関係のない第三者がそこに自分たちの利益や選考を加味しろと主張するなんて論外。

Ashleyのような重症児に成長抑制が行われたからといって
彼ら第三者に感染の害が及ぶわけでもなければ
重症児以外の障害者が殺されるわけでも危害が及ぶわけでもない。
それで彼らの税金や保険料が上がるわけですらない。

そもそも例のWPASとかいうグループがAshley療法に腹を立てて(offended)
裁判所の命令なしにやらせないと病院に圧力をかけた(pressuring)のからし
感情的な反応に過ぎない。

で、最後に、

If those who object to growth attenuation in patients like Ashley claim that their rationale is not simply their own moral distress but a belief that a medical intervention (or withholding of medical intervention in the case of “natural” short stature) is contrary to the child’s interest, then they should work through the long-established system of adjudicating questions of abuse or neglect of children – namely, by making a report to the county or state child protection service.

もしAshleyのような子どもの成長抑制に反対する者たちが、その反対を自分たちの勝手な道徳上の不快によるものではなく、成長抑制という介入(または“自然に”背が低い場合に介入を差し控えること)が子どもの利益に反するとの信念によるのだというのであれば、子どもの虐待とネグレクトの問題を提起する制度はもう長く確立しているのだから、虐待のケースとして郡か州の児童保護局に通報すればよかろう。

と書いた後で、
虐待と認められないなら、医療に第三者の口出しは無用と結論。


しかし、このFostの論理が成長抑制で通ってしまったら
医療は「親の決定権」を盾に、やりたい放題が可能になりますね。

やはり、こちらのエントリーで書いたように、
Fostの狙う本丸は、重症障害児への「無益な治療」論の一般化なのか――?