英国で初めて、“救済者兄弟”からの骨髄移植ファンコーニ貧血の姉に

IVFで「完璧なドナー」として選ばれ、
救済者兄弟として生まれてきた1歳の男児から
ファンコーニ貧血の9歳の姉への骨髄移植が行われた。

6か月前に、Bristol Royal 病院で。

“救済者兄弟”フルコースが行われて治療に至った
英国で初めてのケースとのこと。

両親は共に30代。匿名を希望。
夫妻にはもう一人息子がいるが、マッチしなかった。
娘に適合するドナーを求めて世界中を探したが見つからなかったため、
体外受精で救済者兄弟を産むことを決意した。

IVFでは6個の胚が作られ、
そのうちの2個を着床(入れた? implant)させた。

男児が生まれた際の臍帯血から幹細胞を採り、
次に1歳になってから骨髄移植を行った。

医療費は全部で1万ポンド。
全額がプライマリー・ケア・トラストによって支払われた。

まだ救済者兄弟が合法化されていなかった2003年に
英国人夫婦 Michelle and Jayson Whitakerが貧血の息子を救うために
救済者兄弟を産むためにシカゴに行ったケースがある。

担当医は、
英国で可能になったことをまだ知らない専門医が多いので、
たまたま適合する子どもが生まれることを祈って次々に子どもを産むように言われたり、
外国に行くように進められている患者が多いが、
命を救う素晴らしい医療だ、と。


英国が救済者兄弟を合法化したのは2008年のヒト受精・胚法改正によってのこと。
詳細は以下のエントリーに。



なお、救済者兄弟についてはエントリーが大変多くなったので、
今年3月に以下のエントリーに取りまとめています。