2010年12月22日の補遺

イラクアフガニスタンに派遣される米軍兵士が、多数、脳に損傷を受けて帰還しているのに、軍がその面倒をちゃんと見ていないことが問題視されているけど、(米軍関係者にはTricareという医療保険があるが、こうした微妙な脳損傷とか精神障害など、現代の戦争で兵士が受けるダメージに規定が追い付かず、適切な治療がカバーされてないらしい)一方、彼らに効果的なセラピーを提供しているProject Shareというプログラムがある。Bernie Marcusという慈善家が08年に始めたもの。記事タイトルは「脳損傷の兵士、上質のケアを提供するのはペンタゴンではなく慈善家」:我々の目に見える時には、このように1つ1つの事例としてしか出てこないから分かりにくいけれど、世界中でこういうことが起こっているのだと思う。世界の富が非常に限られた少数に集中する一方で、各国政府は世界的不況でカネ詰まり状態が進む。政府が果たすべき機能を担えないところに、慈善家のお金が流れ込んでいく。そして慈善家個々人が各国の首脳と同じか、時にはそれ以上の発言権を持っていく。彼らが個人である身軽さでヨコの関係を作り、世界をどのような場所にしていくかを密室会議で相談するくらい、簡単なことだ。
http://www.propublica.org/article/for-brain-injured-soldiers-top-quality-care-from-a-philanthropist-not-the-p

中国のロボット・レストラン。ロボットがサーブしてくれる。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/12/22/AR2010122200173.html?wpisrc=nl_cuzhead

英国の財政赤字11月に記録的な額に。230億ポンド。:どこの国でも同じことが起こっている? どこの国でも、国として機能を回していくためには、もう借金を重ねていく以外にない……とか?だから、それをどうにかするために国民には自己決定権で自ら死んでもらいたいのがホンネ……とか?
http://www.guardian.co.uk/business/2010/dec/21/budget-deficit-november-2010?CMP=EMCGT_221210&

日本の映画「うまれる」:私自身は「子どもは親を選んで生まれてくる」という話は、ミュウが赤ん坊の頃から、どうしても受け付けない。命の切り捨てに抗うために、そういうところへ話を持って行ってほしくない。「体内記憶がある」ということはありうるかもしれないと思うけど、それと「選んだ」ということは必ずしも結び付かないはずだし、結びつけないでほしい。いわんや、「雲の上からお母さんを癒してあげるために」生まれてきたなんて、いかにも虐待的な親のようになっていく社会が大ウケしそう恐ろしいことを言わないでほしい。しかし、こういうメッセージが必要になっているということなんだろうな、とは思う。監督は障害のある人の兄。
http://www.umareru.jp/