シアトルこども病院・ワシントン大学とゲイツ財団の密接な関係:グローバルな功利主義・優生主義医療の動き

当ブログは、立ち上げ当初から一貫して
Ashleyに子宮および乳房摘出手術と成長抑制療法を実施したシアトルこども病院とワシントン大学には
ゲイツ財団との密接な関係があり、その関係こそが事件の背景では、と検証を続けてきましたが、

単にAshley事件の背景に留まらない同病院・大学とゲイツ財団の関係や、
そこから派生する世界規模の功利主義・優生主義的な保健医療施策推進の動きが
検証過程で透けて見えてきたので、このあたりで一度それらを簡単に取りまとめてみようと思います。

検証過程については主だったエントリーをリンクしました。
また、それぞれ根拠となる英文資料はそれらのエントリーにもありますが(一部リンク切れも)
別途Ashley事件関連資料リンク集12に、とりまとめました。

① シアトルこども病院は1997年から毎年ゲイツ財団から多額のグラントをもらっている。
04年までの情報では、具体的な金額は毎年1万ドルを基本に、
01年に50万ドル、2002年からの6年間に2000万ドル、04年に6万ドル。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/12574597.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/57736683.html

Ashleyの親からの要望を受けて手術が行われたのは04年。
ちょうど2000万ドルの分割支払いの最中でもあり、
追加で6万ドルのグラントがあった年に当たる。

ゲイツ夫人のメリンダさんは2001年から5年間に渡って
同病院の資金集めキャンペーンを率いた。
06年に同病院がシアトルのダウンタウンに土地を購入した際にも、
彼女はそれに向けたキャンペーンの先頭に立ち、
キャンペーン発表会では基調講演を行っている。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/12594069.html

Ashleyの親から要望があった時、
シアトルこども病院はゲイツ財団に対して非常に大きな恩義のある立場にあったことがわかる。

③ シアトルこども病院の理事会メンバーには
少なくとも当ブログが確認した08年時点と11年時点では
ビル・ゲイツの妹、マイクロソフト社の役員、同社草創期の幹部の妻と
マイクロソフト/ゲイツ財団の関係者が少なくとも3人いる。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/55492869.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/62701692.html

④ シアトルこども病院は2007年に早産・死産撲滅に向けたキャンペーン
The Global Alliance for the Prevention of Prematurity and Stillbirth(GAPPS)を立ち上げた。
その際、ゲイツ財団から150万ドルが提供されている。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/52225363.html

その後も両者はユニセフ、WHOやMarch of Dimes、PATHなどの団体と協働して、
早産・死産撲滅運動におけるパートナーシップを築いている。
March of Dimesは新生児スクリーニングを推進しており、その
「出生時の障害や早産や死を防ぐことによって子どもの健康を増進する」活動に
象徴されるように、彼らの早産・死産撲滅運動には優生思想が色濃い。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/57563784.html

March of DimesがLancetに発表した早産に関する研究論文にも、
医療費負担軽減目的での早産とそれによる障害児の撲滅意図が見てとれ、
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2809%2961762-1/fulltext?&elsca1=Vol.%20374%20Number%209697%20Oct%2010,%202009name&elsca2=email&elsca3=segment
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/56163443.html

つまるところ、GAPPSを中心にした早産・死産撲滅キャンペーンの背景にある理念とは、
以下に述べるワシントン大学IHMEとLancetとゲイツ財団3者による
DALYに基づく世界の保健医療施策コントロールの路線と非常に近似と思われる。

⑤ シアトルこども病院はGAVI(ワクチン予防接種世界同盟)の立ち上げにも関わっており、
ゲイツ財団の主要関心事であるワクチン接種を広めることに非常に熱心である。
GAVIはゲイツ財団からの7億5000万ドルを元に2000年のダボス会議で立ち上げられた。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/60982732.html

同病院トルーマンカッツ生命倫理センターは
05年に小児生命倫理カンファレンスを立ち上げ、
第2回に倫理問題としてはさして大きくもないワクチン接種問題をテーマに取り上げた。
http://www.seattlechildrens.org/research/initiatives/bioethics/events/pediatric-bioethics-conference/2006-pediatric-bioethics-conference/

同倫理センター幹部でありAshley事件の担当医でもあるDiekema医師も
ワクチンについて盛んに発言している。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/57393511.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/58264106.html


ワシントン大学に08年4月に新しく開設された医療経済研究機関
The Institute for Health Metrics and Evaluation (IHME)には
ゲイツ財団から1億5000万ドルという「同大史上最大の民間資金」が投入された。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/36871163.html

IHMEの公式サイトトップページにも、以下のように書かれている。
The Institute for Health Metrics and Evaluation is generously supported by the Bill & Melinda Gates Foundation and the State of Washington for its core activities.

ハーヴァード大学からIHMEの所長に抜擢された Christopher Murrayは
長年の共同研究者であるオーストラリア、クイーンズランド大学のAlan Lopezと共に
障害を勘案した生存年数DALYを考案した人物。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/36964869.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/55315756.html

WHOなどと一緒に、Global Burden of Diseaseプロジェクトを通じて、
医療資源のコストパフォーマンス検証と効率的な分配を進めている。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61414938.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/37136110.html

さらに、ゲイツ財団は英国の有力な科学誌Lancetとも
Global Health Networkキャンペーンで提携し、
ここにIHME(ワシントン大学)も加わった3者の連携が出来上がっている。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/37161928.html

IHMEがワクチン接種や母子保健に関するゲイツ財団の主張に沿った論文を書き
Lancetに掲載される、ということが頻繁に目につくほか、
IHMEに限らず、Lancet誌にはゲイツ財団の関心事周辺の論文が多い。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/47215945.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/61414938.html

⑦ ついでに、ビル・ゲイツゲイツ財団がやっていること



ゲイツ財団はLancetだけでなく世界の主要メディアとの提携によってメディア・コントロールを強めている。
http://blogs.yahoo.co.jp/spit