2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「幼年期の終わり」はやっぱりTHチックだった

もともと小説でも映画でもSFというジャンルが苦手なので 読んだことがなかったし、正直なところアーサー・C・クラークという作家にも興味がなかったのですが、 新聞で追悼記事を読んでいるうちに THニストたちの夢の萌芽がこういうところにあるんだろうなと…

Kurtzweil「今より10億倍もベターな世の中に」

トランスヒューマニストのRay Kurtzweilが 13日のWashington Postで エネルギー問題も貧困も最新テクノロジーが解決し、 人の寿命は毎年1年ずつ延びていくというバラ色の未来図を またまた、お得意の「指数関数的速度」という言葉を頻発して描いてみせていま…

「わたしのリハビリ闘争」に思うこと

収録された文章のいくつかは発表された時に新聞などで読んだので、 これまでは取り立てて読んでみようとは考えなかったのだけれど、 何がきっかけだったか急に手にとってみる気になって、 多田富雄「わたしのリハビリ闘争 最弱者の生存権は守られたか」を。 …

介護を語るのは難しい

ある高名なジャーナリストが癌になった妻の介護について語る講演を 聴く機会がありました。 とても印象的だったのは、 彼が「介護は楽しかった」と何度も繰り返すこと。 老いと共に身体を触れ合うことなどなくなっていた夫婦が 自分も裸になって妻の不自由な…

Lancet誌はゲイツ財団に買収された?

インターネットをぶらぶらしていると、 世の中には本当にいろんなブログがあるんだなぁ……と目を見張ることは多いけど、 ゲイツ財団を監視するブログもちゃんとあった。 その名もなかなかシャレていて、 門番という意味のgatekeeperに引っ掛けて、Gates Keepe…

慈善資本主義

「慈善資本主義(もしくは博愛資本主義)」という新語ができているんだそうな。 英語ではphilanthrocapitalism。 例えばロックフェラー、フォード、カーネギーといった大金持ちが かなり大雑把な理念であちこちにお金を投じた20世紀の慈善事業のやり方を 慈…

シャイボ財団の奮闘

前のエントリーで Nat Hentoff による Schiavo事件批判を紹介しましたが、 その後編に当たる4月7日の記事内容は Terriの両親や家族が闘いの過程で設立した財団の活動紹介と協力要請となっています。 テリー・シンドラー・シャイボ財団 The Terri Schindler S…

Schiavo事件めぐるオバマ発言に批判

米国民主党の大統領候補Barack Obama上院議員が Terri Schiavo事件で司法への政治介入は間違いだったと発言したことについて 「Obama候補がShiavo事件について発言」のエントリー(3月2日)で書きましたが、 そのObama発言に対して、 コラムニストのNat Hent…

“6方向”生体間腎移植

米国メリーランドのJohns Hopkins 大学病院で 6人のドナーから6人のレシピアントへの生体間腎移植が同時に行われたという 世界初、偉業達成のニュース。 といっても、 ドナーとレシピアント6ペアの移植が単純に同時に行われたというのではないのです。 生体…

アメリカで哲学講座の人気上昇中

アメリカの大学生に不人気な講座の典型だった哲学がどうやら最近人気……といっても、 彼らが人生の真理を極めようとの志に目覚めて哲学者への道を選んでいるのではなく、 医学にせよ法学にせよ経済学にせよ 自分が進もうとする分野で成功するためには 哲学を…

高齢ペット介護は人間の介護保険より手厚いぞ

インターネットの健康ショップ「ケンコーコム」の ペット用品のページの中にある高齢ペット・介護用品ページから。 例えば介護ベッドはサイズとグレードによって4400円から20000円。 スプリング構造で通気性抜群の床ずれ予防ベッド(介護ペット用品)です。…

世界中で食糧求め暴動

主食を中心に食糧の値段が1年で2倍に跳ね上がったエジプトで この2日間暴動が続き、 物価高による食糧不足から他にも世界各地で暴動が起こっていることから (ただし店に食品がないわけではなく高くて買えない食糧不足) このまま食品の値上がりが続くと …

近親相姦 「違法だから何なんだよ?」

夕方、CNNjを流しっぱなしていたら、 たいていは意味を結ばず流れていく音楽みたいなのに そのニュースだけ、なぜかはっきり聞こえてきて 思わず包丁を使う手を止めた。 オーストラリアで実の父と娘が夫婦となって子どもまでいる――。 2人で仲良くインタビュ…

Thomas Beatieのテレビ出演に思うこと

昨夜、Guardianで 世界で初めて妊娠した男性 Thomas Beatie がテレビに出たとの記事を読み、 YouTubeでOprahと話をしている彼のビデオを見て、 前のエントリーを書き、 ずっと彼のことが頭に浮かび続けているうちに 今日になってふっと思ったのですが、 この…

妊娠男性オプラ・ウインフリー・ショーに出演

以前のエントリーで紹介した 性転換して男になって結婚した後に妊娠した(やっぱ、ややこしいな)Thomas Beatie氏が3日に 妻と一緒にOprah Winfrey の番組に出演したとのこと。 発言の内容は先月ゲイの雑誌に妊娠を公表した際の記事とほぼ同じ。 ‘Pregnant m…

宅配ドライバーさんと「ルポ貧困大国アメリカ」

先週のある日のこと。 堤未果氏の「ルポ貧困大国アメリカ」を読んでいる時に玄関のブザーが鳴ったので、 出てみると某社の宅配便。 「あ、どうも」と荷物を受け取ろうとすると、 すかさず「トイレット・ペーパーいらない?」 このオジサンはきびきびして気持…

アルビノは呪われていると殺害

先天性白皮症(アルビノ)の人は家族に呪いがかかっていると 広く信じられているタンザニアで 去年19人ものアルビノの人が殺されたとのこと。 その遺体の一部を切り取っては 幸福になる魔法の薬の材料にする祈祷師らに対し、 大統領が摘発を命じた、と。 …

法案成立より先にハイブリッド胚を作成

英国Newcastle 大学のチームが 牛の細胞に人間のDNAを入れたハイブリッド胚の作成に成功したと、 4月1日に発表したとのこと。 当ブログでもこれまで「ネオ優生思想」の書庫で 着床前診断による障害・病気の排除の関連で取り上げていますが、 英国上院では…

「倫理問題」は「政治的正しさ」に言い替え?(豪)

昨年11月のオーストラリアの政権交代で労働党の新政権でイノベーション相となったKim Carr氏が 科学研究の予算を削ってきた過去10年の施策を批判し、 威勢のいい気炎を吐いています。 New deal for science, end to ‘cultural wars’ The Canberra Times,…

楳図かずおの脳死?漫画

脳死者からの臓器摘出を考える時に 私が必ず思い出してしまう怖い漫画があって、 もうタイトルも何も覚えていないのですが、 小学生の頃(今から40年以上前)に読んだ楳図かずおの短編作品。 病気だったのか事故だったのか、 なにしろ頭も体の感覚も普通な…

脳死宣告された男性が回復し「気分良好」と

Zach Dunlapさん(21)が交通事故にあい、 テキサスの病院で脳死を宣告されたのは去年11月19日のこと。 臓器提供に同意した家族がいよいよZachさんと最後の別れに臨んだ時に手足が動き、 ポケットナイフで足をなぞったりツメの間に押し付けたりすると…

男児割礼論争にD医師

なにしろ私は世の中のたいていの問題についてモノを知らないので、 いまどきアメリカで男児に割礼を行うのは熱心なユダヤ教徒の家庭くらいなのだろうと 何の根拠もなく思い込んでいたために いまだに半数が割礼を受けているという以下の記事にはビックリした…

障害胎児・新生児の親に情報提供を保障する法案(米)

障害児・者切捨ての話ばかりが目に付く中、 そうした傾向に歯止めをかけようとの動きを知ると、つかのま心が慰められます。 障害胎児・新生児の親への情報提供と支援を謳う法案が米国上院に提出され、 2月末に保健・教育・労働・年金委員会での可決にこぎつ…

遺伝子診断で嚢胞性繊維症が半減

米国マサチューセッツ州での調査において、 遺伝子診断の導入以降、嚢胞性線維症患者の数が半減したとの結果が the New England Journal of Medicineに。 こうした調査はマ州のものが初めてなので、 同様の減少傾向は全米で起こっているものとみられ、 また…