Schiavo事件めぐるオバマ発言に批判

米国民主党の大統領候補Barack Obama上院議員
Terri Schiavo事件で司法への政治介入は間違いだったと発言したことについて
「Obama候補がShiavo事件について発言」のエントリー(3月2日)で書きましたが、

そのObama発言に対して、
コラムニストのNat Hentoffが2度に分けて批判を繰り広げています。

Terri Shiavo事件を「米国史上最も長い公開処刑」と呼ぶHentoffは
Shiavo事件の本質は関係者に基本的な事実認識ができていなかったことと、
障害者問題についての認識不足だった、と。

Nat Hentoff: Barack Obama vs. Terri Schiavo
By Nat Hentoff
The Sacramento Bee, April 1, 2008

Securing the right to live
By Nat Hentoff
The Washington Times, April 7, 2008

彼の批判の最大の要点は
Ashley事件に関する議論を巡って当ブログが一貫して指摘していることと全く同じで、

無責任にモノを言う前に、事件の事実関係をきちんと把握せよの1点。

特にObama候補は元法学の教授なのだから
事件の事実関係をきっちり調べろと学生を指導したのではないのか、と。

Terri Shiavo(当時41歳)には自発呼吸があり、末期でもなく、
反応もあって植物状態ですらなかったからこそ議会が介入したのであり、

本人は尊厳死を希望していたはずだと主張した夫には
Terriとの結婚生活の間から続いていた愛人がいて
彼女との間に既に子どもが2人もいたし、
93年以降は妻の検査もリハビリも放棄していたのだと。

また全米29の障害者団体がいっせいに批判活動を展開したというのに
彼らの主張するところを本当に分かっていたのか。

事実関係が把握できていれば
これが「死ぬ権利」の問題ではなく
「生き続ける権利」の問題だということが分かったはずなのに、

メディアも事実関係をおろそかに適当な解釈で報道しては、
お互いの誤解や間違いをそのままなぞり続けて……ったく……

…というHentoffの苛立ちは
Ashley事件でのメディア報道のいいかげんさにspitzibaraが感じるのと全く同じ。

Hentoffはさらに
栄養分と水分の補給中止を認めた裁判官たちも
自身で独自に事実関係をちゃんと把握していないと批判。

4月1日の文章の最後で彼がObama候補に呼びかけているのは
障害者について、もっと勉強せよ

Ashley問題については
私は誰よりもDiekema医師に同じことを言いたい。