考えてみたいこと

「奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき」読書メモ

どういういきさつだったのか覚えていないけれど、 ずっと前にインターネットで原作の一部の、 脳解剖学者である著者が37歳の時に自宅で脳卒中を発症し、 自分でそれと分かりながら、思うようにならない身体と思考の中で 試行錯誤を重ね、苦労して、なんとか…

最近のツイートから (3月末から4月初め頃)

なにしろ頭に浮かんだことがダダ漏れになっているだけなので、 タイトルすら付けられない、とっちらかり方で、おまけに順不同ですが。 冬の間できなかったけど暖かくなってきたので、ウォーキングの後、公園の一角の大きなベンチで5分間ヨガ。ちょっと体を…

「ただ」という世界に、生かされて「在る」こと

3月30日のこちらのエントリーにいただいた、 コメントのいくつかの流れがあり、その最後にhiromitiさんの 「せずにいられない」という言葉があったことから、 紀野一義「私の歎異抄」を思い出したので、 読んだ当時に手書きで書きうつした「読書ノート」…

コミュニケーション、言葉、哲学……をめぐる、ちょっと散漫なツイート

今朝、accelerationさんが 「他人の話を聞かず、言い負かすことを目的とし、しばしば相手を罵倒する、 ときに媚びる、そういうコミュニケーション・スタイル」について ツイートされたことから、触発されて放った連続ツイート。 途中、いろんな人のツイート…

「(年齢にかかわらず)成熟していない人たちは」ツイート

モランさんがRTしてくださった、以下のル=グゥインの名文句を見た途端に、 今日の引用: (年齢にかかわらず)成熟していない人たちは、道徳的な確かさを望み、要求します。 アーシュラ・ル=グゥイン 頭の中にぱぱぱっと浮かんだので、 まぁ、いわばル=グゥイ…

「ネットで学者も当事者もその他くんずほぐれつ異種格闘技戦をやろうよ」ツイート集

ツイッターでの江口先生とspitzibaraのやり取りを追いかけてくださった、なんさんが、 もともとの発端となった「出生後中絶」論文論争を踏まえて、 大変面白い提案をしてくださっています。 ちょびっと書いてみたら、異種格闘技戦論になってしまった。第三者…

桜並木

もう10年以上前から、年に数回、 県北の町へ”独りドライブ”に行っている。 ミュウを施設に入れてしまった罪悪感と闘いながら、 人間としての機能停止状態 から回復途上だった頃、 夫に「仕事でちょっと遠くへ行くけど、ドライブがてら乗ってく?」と連れださ…

「弱者の居場所がない社会 ― 貧困・格差と社会的包摂」メモ

「弱者の居場所がない社会 ― 貧困・格差と社会的包摂」 阿部彩 講談社現代新書 プロローグでも述べたように、近年ヨーロッパ諸国では、従来の貧困の概念を、より広くとらえ深く掘り下げた「社会的排除」という概念が、社会政策の考え方の主流となりつつある…

「『いのちの思想』を掘り起こす-生命倫理の再生に向けて」書評を書きました

「『いのちの思想』を掘り起こす-生命倫理の再生に向けて」 安藤泰至編著 岩波書店 読んだ時に、 アカデミックな議論の内容については 正直まったくついていくことができなかったので、 こんなド素人が書評を書いていいんだろうか……と迷った。 でも、読みな…

2011年のまとめ:spitzibaraの1年

今年は、大きな出来事が2つもありました。 ① 「アシュリー事件:メディカル・コントロールと新・優生思想の時代」という本を上梓しました。 ② 一般社団法人「日本ケアラー連盟」の代表理事に加えていただきました。(まだ何もしていませんが) 後者のきっか…

児玉龍彦氏、福島原発事故による政府の対応に渾身の訴え

美しい文章 2: 須賀敦子「ヴェネツィアの宿」

暗い話題ばっかり拾う自分のブログに倦んで、毒消しのための、ほんの試しとして 「美しい文章 1」というエントリーを初めて書いてみた時に、 藤沢周平さんの小説以外には、 あまり文章そのものを美しいと感じることがないと書いたのだけど、 数日前に、ふい…

カリフォルニア・ピザ

友人と久しぶりにランチでも食べにいこうという話になり 彼女の方が私よりも圧倒的に忙しいことは知っているので 「じゃぁ、場所と時間はお任せ」とメールを入れたら とんでもない“町はずれ”を指定する電話がかかってきた。 意外なのは場所だけでなく、 その…

美しい文章 1 :井上ひさし「手鎖心中」

唐突ですが、 人の世の行く末にちっとも希望が持てないような話題ばかりを拾う自分のブログに 書いている本人がちょっと食傷気味になってきたので、 たまには理屈抜きに「美しいもの」を拾って、 ブログの空気の入れ替えでも……と。 ま、spitzibara本人の口直…

吉村昭「関東大震災」メモ、ついでにオバマ発言

吉村昭「関東大震災」(文春文庫 2004年新装第1刷)を読んだ。 関東大震災の直接の被害者は22万人。 これ、私の住んでいる町の平成の大合併前の人口に結構近い。 前半の地震と火災の被害について証言や資料から再現して書いてある部分は さすがに吉村昭の緻…

所長室の灰皿

ミュウがお世話になっている重症心身障害児施設(ここでは療育園)は 大きな県立の複合施設(ここではセンター)の一組織という位置づけ。 その療育園で、もう10年ほども前になるだろうか、私は 「師長&園長のタグ・チーム 」vs「保護者一人」というバトル…

東北関東大震災(東北地方太平洋沖地震)障害者救援本部開設

以下、DPI日本会議メールマガジン(11.03.17)第284号から転載 2011年3月 東北関東大震災(東北地方太平洋沖地震)障害者救援本部開設! ─ 活動協力のお願い ─ 今回の大震災で被害にあわれた皆様、ご家族・関係者の皆様のことを思うとき、 大変心が痛みます…

障害学MLより、震災関連参考情報一覧

★行政 ・(厚生労働省) 東北地方太平洋沖地震により被害を受けた社会福祉施設、医療機関等への 災害復旧のための貸付について http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=161821 ・(厚生労働省) 東北地方太平洋沖地震に伴う労働基準監督署、ハローワークの開庁状…

災害時のメンタルケア: テレビを離れ、人と語り合おう

以下、知り合いの臨床心理士からとても有益な情報をいただいたので、 シェアします。……とおっしゃる方から、某MLに流された情報が 私にもたいそう大切な内容だと思えるので。 私自身、金曜日の第一報の映像で一気に不安状態に陥ってしまったような気がします…

世界の「奴隷労働」を、拾った記事から概観してみる

昨日の補遺で、この日本で子どもたちが所在不明となっているニュースを取り上げた。 いつもお世話になっているガウタマ・シンラン・ソリドゥスさんが その話題でちゃんとしたエントリーを書かれているのを読ませていただいていたら、 確かに、ここのところ世…

サンデル教授から「私の歎異抄」それからEva Kittayへ

前のエントリーで書きましたが、 サンデル教授の「これからの『正義』の話をしよう」を読みながら思い出されて、 本棚から引っ張り出したのが紀野一義著「私の歎異抄」。 (もう文庫しかないみたいですね。私のは93年の初版16刷ハードカバー。) 読み返すたび…

「これからの『正義』の話をしよう」メモ

だいぶ前から評判の、マイケル・サンデル教授の 「これからの『正義』の話をしよう - いまを生き延びるための哲学」を、やっと読んだ。 私は 何らかの体系的な学問とか知識があって、それを土台にAshley事件を考えているというのではなくて、 最初にA事件と…

パレツキー「沈黙の時代に書くということ」

サラ・パレツキー「沈黙の時代に書くということ」を読んだ。 正直、期待はずれだった。 やっぱり小説家は小説で表現するのが仕事なんだなぁ……と 改めて痛感させられる散漫な容だったけど、 パレツキーさんにしてみれば、 小説では表現しきれないことを言わな…

早朝の公園にて

朝、5時過ぎにパッキリ目が覚めて眠れなくなってしまったので、起きだして 自宅から徒歩10分の公園にウォーキングに行った。 広い公園内には、テニスコートや野球のグランドなどがある。 その周辺をぐるりと遊歩道が巡っていて、 中高年がウォーキングやジョ…

MN州の公式謝罪から「尊厳は無益な概念」を、また考えてみる

MN州の障害者に対する公式謝罪を実現させたMarty議員の声明を読んで、 ここでも、ごく自然に「尊厳」が触れられている……ということを思い、 そのことと併せて、 ずっと前から考えているDiekema医師の 「尊厳」は定義なく使っても無益な概念……との主張のこと…

「黒人はイヤ」と客の希望で給仕を外されたウエイターがホテル相手取り訴訟(米)

裁判の資料によると、 今年2月28日、Florida州Naplesの5つ星ホテルRitz-Carltonで Rodney Morgan氏ら英国人一家がチェックインした際に 「有色人種」と「外国なまり」のあるスタッフのサービスは受けたくないと要望。 ホテルの副支配人の名前でコンピュータ…

流れが決まったら学者さんは口をつぐむ……ものだとしたら?

Ashley事件を追いかける過程で、 いろんな人の反応を見て感じてはいたことだけど、 最初に、この疑問をはっきり意識したのは、去年1月に 日本で「クローン肉の安全宣言」が出された時のことだったと思う。 まずは「クローン肉たべろ」という人に3世代食べ続…

「男の子と話をした」と家族会議にかけられ生き埋めにされた16歳の少女(トルコ)

“名誉”殺人 honor killings……というのだそうだ。 一族の名誉を傷つけたとして誰か(多くの場合は子どもや女性でしょう)を殺す行為が トルコで急増しており、現在、同国の死者の半数がその犠牲者だという。 去年の12月、通報を受けた警察がAdiyaman地方のKah…

「収賄」を「税金の私的流用」と解説するZEROの不思議

日本のマスコミについては、日ごろから、 ある種類の海外ニュースについては報道しないなぁ……という不思議を感じていて、 たとえば、大晦日の米国モンタナ州の自殺幇助合法化なども、 現在、厚労省で終末期医療のあり方について懇談会が議論している最中でも…

米国でも児童買春が深刻

昨日、英国の若者たちのギャングで 少女らが銃隠しのパシリに使われ、レイプされているニュースを紹介したと思ったら、 今度は米国でFBIが3日間に渡って1600人を投入して 全米の児童買春の一斉摘発に乗り出したところ、 逮捕者700人、保護した子ども52人。 …