尊厳死
オランダ政府が、入所型介護支援を最重度者に限定し、 約3万人のリストラを含め介護予算を40%カットして 介護提供責任を地方自治体に移し、 10億ユーロの支出削減を予定していることを受け、 オランダの地方自治体連合から、 それなら介護を必要とする人は…
先ごろ上院が尊厳死法案を可決したVermont州で、 下院も賛成75 vs 反対65で可決し、 Schumlin知事は署名を明言しているため、成立することに。 (もともとこの人はPAS合法化を選挙公約にして当選した方で) PASの合法化では米国で3番目の州となるものの、 こ…
標題の件について多くの記事が出ているものの、 ちゃんと読めていないのですが、 なんでもオレゴン州の尊厳死法と類似の法案でありながら、 オレゴンの尊厳死法の規制が全て盛り込まれておらず、 緩やかな内容になっているとか。 http://guardianlv.com/2013…
またまた医師による自殺幇助(PAS)に、 新たなパターンが登場。 ペースメーカー、ICD(埋め込み型除細動機)、LVAD(左室補助装置)を埋め込んでいる患者さんが、 それらがまだ機能しているのにスイッチを切ってほしいと 医師に要望するケースが増えている…
ある方から、大変興味深い論文をお知らせいただきました。 (Mさん、ありがとうございました) 研修医は医療行為をすべきか悩み、誘導する - ポートフォリオ相談事例の質的分析から 福士元春、名郷直樹 日本プライマリ・ケア連合学会誌 2012, vol. 35, no. …
インターネットを通じた4000人以上への世論調査で、 10人に7人が「不治」の病気の人への近親者の自殺幇助は許されるべきだ、として 英国の法改正に賛成、と答えた。 反対したのは16%で どちらとも分からないと答えた人が14%。 宗教など個人的な信条による…
PASが合法化されているオレゴン州で 癌患者にメディケイドから「抗がん剤治療はダメだけどPASはOK」という 通知が届く事態となっているという情報は以下のエントリーで拾っています。 抗がん剤はダメだけど幇助自殺はOKとメディケイド(2008/10/4) 「抗がん剤…
どの国のであれ、裁判制度のことは、さっぱりわからないのだけれど、 英国では誰かが始めた訴訟を、その誰かが死んだ場合には 他人が引き継ぐことができるらしい。 去年、日本でもNHKが妙な取り上げ方をしたNicklinson訴訟で、 Tony Nicklinsonさんが敗訴か…
モンタナ州議会に提出されていた 医師による自殺幇助を違法とする法案は 昨日、上院法務委員会での投票の結果、 反対27 対 賛成23で 廃案に。 Mont. Senate rejects doctor-assisted suicide bill SFGate, April 15, 2013 攻防は続く。 すさまじい攻防が……。…
12日に以下のエントリーで紹介した話題の元論文を読んでみました。 がんセンターに“アドボケイト”が最後まで担当してくれる「自殺幇助プログラム」(米)(2013/4/12)) 上記の記事内容に追加する形で、以下の論文の内容を改めて簡単に取りまとめてみます。 Imp…
【4月15日追記】 その後、この論文を読んで詳細を別エントリーに取りまとめました。 シアトルがんセンターの「自殺幇助プログラム」論文を読んでみた(2013/4/15) ---------------------------------------------------------- またも医師による自殺幇助に…
オーストラリア the Brighton EastのBeverley Broadbentさん(83)は、 これまで充実した人生を歩んできて、病気でターミナルな状態にあるというわけではなく、 不幸だと感じているわけでもウツっぽいわけでもないけど、 加齢に伴い、健康問題があれこれと出…
Dianne Ruth Whittleさん、50歳は、元看護師。 2010年9月にALSを発症。 2011年10月に 夫ともう一人の家族に付き添われてスイスのディグニタスで自殺。 飲み込みができないので、 経管栄養のチューブを通して致死量の即効性のバルビツールを胃に…
気になっていたコネチカット州の自殺幇助合法化法案は、 保健医療委員会で議会に送る議題から削除され、 議会での採決まで行かず廃案に。 委員長によると、 賛成が少なく、法的に自殺を認めることに対する反対が強かったため。 賛否は拮抗すらしなかった(no…
去年のマサチューセッツ州のPAS合法化住民投票の直前に 反対派陣営にはカトリック教会の資金が投入されているという情報が出てきて、 それを宗教からの介入操作であるかのように書く記事が沢山あったのだけれど、 ワシントン州での住民投票前のキャンペーン…
『シリーズ生命倫理学 第4巻 終末期医療』 責任編集: 安藤泰至・高橋都 丸善出版 6090円 40名の編集委員と総勢約270名の執筆者による丸善の一大プロジェクト『シリーズ生命倫理学』(全20巻)の第4巻『終末期医療』が、昨年末に刊行された。編著者は安…
09年にターミナルな患者へのPASを禁じた法律は違憲だとの判断が出たモンタナ州の議会には 現在、PASを明確に違法とする法案が提出されていますが、 それを受けて、地元紙に元外科医の妻から投書。 ALSの夫を本人の意思に反するモルヒネ投与で失った体験を語…
生命倫理学者で腫瘍科専門医のエゼキエル・エマニュエルについては これまで以下のエントリーで触れてきました。 「障害者は健常者の8掛け、6掛け」と生存年数割引率を決めるQALY・DALY(2009/9/8) 自己決定と選択の自由は米国の国民性DNA?(2009/9/8) Dr. Em…
ペンシルベニア州で19日火曜日午後1時ごろ、 Lehigh Valley病院のホスピス病棟に入院中のMildred Osmanさん(83)を 夫Elwood(86)が銃で撃って殺害。自分も銃で自殺した。 Mildredさんは3月初めに脳卒中を起こし、 終末期のホスピスケアを受けるために入院…
オーストラリアで 海外から違法に輸入したNembutalなどペントバルビタール系の薬物を使って自殺する人が 2010年の13人から2011年には30人と倍以上になり(他に7件捜査中)、税関が取り締まりを強化。 そのおかげで昨年はいったんは減ったものの、今年に入っ…
Tony Bland 訴訟のエントリーへのコメント欄でMoritaさんから教えていただいた 英国ジョージ5世の安楽死に関するNYTの記事を読んでみました。 英国のジョージ5世は 現在のエリザベス女王のおじいさん。 1936年にSandringham城で崩御。 崩御の直前の1月20日夜…
安楽死の周辺で、なにかと仰天の話題が続くベルギーで(詳細は文末にリンク) 政権与党の社会主義党から未成年にも安楽死を認める法改正が提案されていることは、 去年12月に以下のエントリーで報告しました ↓ ベルギー社会主義党「未成年と認知症患者にも安…
プロライフのブログが最近の英国の安楽死・自殺幇助関連の動きを取りまとめており、 その中に、Falconer議員の発言があったので、メモとして拾っておく。 英国でPAS合法化推進の最先鋒、Falconer下院議員が、 5月に下院に自殺幇助合法化法案を提出することを…
ProPublicaの医療担当記者が、 自分の老母が突然に陥った意識不明状態から 家族と話し合って生命維持停止を決めるまで、 また、その後の思いを詳細につづった良記事があった。 母親は人工的な延命を拒否していたが、 彼は医師らから聞かされた説明を鵜呑みに…
以下のBMJの論文から メモとしてオレゴン州の尊厳死法の要件を抜粋。 http://www.bmj.com/content/337/bmj.a1682?ijkey=bc7d37e92efbfea7ce03a2d59bfd0c8b4623fa04&eaf Legal requirements of the Oregon Death with Dignity Act The attending physician wh…
カナダ医師会(CMA)がオンラインで2000人の医師に調査を行ったところ、 不治の病の場合に、 「他者の命を作為的に終わらせることが明らかである行為を それと知った上で意図的に行うこと、またその行為を共感と思いやりを持って行うこと」と 定義された「安…
モンタナ州上院議会に提出されていた医師による自殺幇助(PAS)合法化法案SB220は 上院の法務委員会の投票で、反対7対賛成5で否決。 さらに委員会は 2015年まで法案が再び審議されることも拒否。 法案は合法化ロビーにより、 09年のBaxter訴訟の判決により…
(前のエントリーの続きです) また長尾氏は、 「高齢で植物状態になってまで、なぜそれが必要なのか」(p. 167)とも書いているけれど、 この表現には、私は強烈な違和感がある。 ここで「高齢で植物状態になってまで」と表現されているのは 「高齢になってか…
『「平穏死」10の条件 胃ろう、抗がん剤、延命治療いつやめますか?』から。 「平穏死」という言葉を使う時、私は老衰や認知症の終末期、あるいは末期がんや臓器不全症による旅立ちをイメージします。「自然死」は文字通り、自然な経過の先にある死でしょう…
(前のエントリーからの続きです) ④医師の横暴や、患者や家族の自己決定を阻害して顧みない態度への批判 この医師の、「君は責任をとれるのか」のひとことが、今の病院の大多数の医師の姿勢を象徴しているといえるでしょう。 患者さんにとってどうしてあげ…