子の権利・親の権利

日本でも「娘の胸小さくするか、成長止めたい」と

読売新聞の掲示板サイトに 「大きすぎる娘の胸」というトピを立てた人があり、 この春に中学に上がる娘さんの胸があまりに大きいので 「胸を小さくしたり、成長を止めることはできないのかな?って おもうのですが、手術以外の方法を誰か知りませんか?」と…

体外受精の安全性 2

前回のエントリーで体外受精の安全性について触れたのを機に 思い出した記事があったので探してみたのですが、 現在行われている体外・試験管受精(IVF)技術には命すら落とす危険があり、 もっと穏やかで安全・低価格の方法が提唱されているにも拘らず、 生…

体外受精の安全性

これまで ”救済者兄弟” 英国の”救済者兄弟”事情 追加情報 の2回のエントリーに分けて 英国議会で検討されている“救済者兄弟”の問題を紹介してきましたが、 このように生殖補助技術がどんどん発達し、 “救済者兄弟”を初めとする“デザイナーベイビー”まで既成…

英国の“救済者兄弟”事情 追加情報

”救済者兄弟”について英国では2004年に認められていることを 以前のエントリーで紹介しましたが、 (以下の記事では英国で初めて救済者兄弟が認められたのは2001年となっており、 この点では記事の間で3年のズレが生じています。) 初めて認められ…

“救済者兄弟”

ヒト受精・胚法(Human Fertilisation and Embryology Bill)の上院での審議の様子の一端を読んで、 その中に出てきたSavior sibling という言葉に度肝を抜かれたので、 検索してみたら、 以下の記事にあるように 病気の子どもを救うための臓器目的で兄弟を…

輸血拒否の男児死亡(シアトル子ども病院)

シアトル子ども病院で11月28日、 14歳のエホバの証人信者の男の子Dennis Lindbergが 白血病治療の輸血を拒否して亡くなっています。 Mount Vernon leukemia patient, 14、dies after rejecting transfusions The Seattle Times, November 29, 2007 診断され…

生命倫理問題に付きまとう「割り切れなさ」について

以前のエントリーで紹介したEmilio Gonzales事件に関する文章の中で、 FRIDAは 生命を尊重する立場(pro-life)と障害女性問題運動家とは 表面的には同じ主張をしているように見えるが、 実際には全く異なった立場に立脚して問題を眺めているのだ、 というこ…

「家族と法」から考える 2

「家族と法」(二宮周平)の中に「親権とは何か」という項目があるのですが、 その中から。 一九八九年、国連で採択された子どもの権利条約において、子の権利主体性が確認された。子の権利を守るとはいっても、それは、子が未熟、未発達な存在だから保護す…

「家族と法」から考える 1

書店でタイトルを見た時にAlisonとKatieの顔が浮かんだので、 「家族と法---個人化と多様化の中で」(二宮周平 岩波新書)を買ってみました。 日本の話にはなりますが、家族の中での権利の衝突を考えてみる手がかりになるかと思って。 第5章の「人の世話を…

米では13歳に中絶を認める

前回のエントリーで13歳の少女に裁判所が中絶を命じたケースを紹介しましたが、アメリカ・フロリダ州では2005年に、裁判所が13歳の少女に中絶の意思決定を認めています。 9歳から州によって監護されている(custody)13歳の少女は、暮らしているグ…

裁判所が13歳に中絶を命令

「わたしのなかのあなた」の主人公アナは13歳でしたが、イタリアでは親の訴えを受けた裁判所が13歳の少女に中絶を命じています。 13歳の少女Valentinaが15歳の少年によって妊娠し、本人は生むことを希望。しかし、Valentinaの両親は、その子どもを産…

「わたしのなかのあなた」から 3

父親のブライアンの視点から描かれている部分に、私には非常に示唆に富んでいると思える一節がありました。 まだ親になる前、若かったころのブライアンとサラ夫婦が旅先で出会った占い師の言葉です。そのとき、占ってもらおうと言い張ったのはサラでした。 …

「わたしのなかのあなた」から 2

白血病の姉のドナーになるべくデザイナー・ベイビーとして生まれ、13年間、臓器のスペア庫として常に待機しては体の一部を姉に提供し続けてきたアナが、次はいよいよ腎臓提供を求められるという段階で、「もうイヤだ」と両親を訴えるという物語。 これから…

「わたしのなかのあなた」から 1

Katie Thorpeのケースが裁判に持ち込まれ、Katie本人の利益はcafcassという子どもの権利擁護のための組織によって代理されることになったようです。それにより、Ashleyのケースにおける決定プロセスの安易さが改めて浮き彫りにされるような気がします。 そん…

延命治療に関する小児科学会方針(Joel E.Frader 3)

Joel Fraderは1996年に“Ethics and the Care of Critically Ill Infants and Children”と題するアメリカ小児科学会の方針を出した生命倫理委員会COBの委員長でした。 その方針の概要を以下に。 かつてなら死んでいた病児の生命維持が可能となり、医師や…

子どもを守る行政の義務・介入権 2

もう1つ、こちらは今年2月に報道された英国のケースです。 8歳で89キロという超肥満児Conner McCreaddieの生活ぶりがテレビ番組で取り上げられたことをきっかけに、彼の肥満は親のネグレクトであるとして地方自治体が介入。シングルマザーとして子ども…

子どもを守る行政の義務・介入権 1 (Cherrix事件)

未成年の医療において、なにが最善の治療か、それを誰が決めるのかという問題を巡って、興味深いケースが去年ありました。 当時15歳、ヴァージニア州在住のStarchild Abraham Cherrix がホジキンス病(リンパ腺ガンの一種)と診断されたのは2005年10…