2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「臓器増やすため、ドナーの葬式代はNHSで出してあげよう」と英国の生命倫理カウンシル

英国のNuffield Council on Bioethicsが 約1年半の調査と検討を経て、 この度とりまとめた報告書が 政府に対して提言しているのは、 ① 臓器ドナーとして登録した人が死んで、実際に臓器が使えた場合には、 葬式代をNHSで出してあげる制度が国民に受け入れら…

A・Caplanが、死刑囚の臓器に依存する中国の移植医療ボイコットを呼びかけ (後)

前のエントリーの続きです。 生命倫理系のサイト、BioEdgeの Caplanインタビュー。 BioEdge: How dependent are Chinese transplant surgeons on the organs of executed prisoners? Arthur Caplan: They are heavily dependent. While there are living don…

A・Caplanが、死刑囚の臓器に依存する中国の移植医療ボイコットを呼びかけ (前)

米国の生命倫理学者、Ashley事件でもおなじみのArt Caplanらが Lancet最新号で世界の医学・科学関係者に向けて中国の移植医療へのボイコットを呼びかけている。 Time for a boycott of Chinese science and medicine pertaining to organ transplantation Al…

2011年10月11日の補遺

移植臓器を増やすために、ドナーの葬式代もNHSが出してあげたらどうか、という報告書。:いよいよ貧困層の臓器が狙われていく感じ? http://www.guardian.co.uk/society/2011/oct/10/organ-donors-funeral-expenses-nhs?CMP=EMCGT_111011& 日本。<生体腎移…

原発・障害・母について「SOSHIRENニュース」から

原発反対運動の一部から出てきている「障害児を産まないために」という声について 3月29日の補遺でtu_ta9さんの掲示板を拾って、 次のように書いて以来、ずっと頭に引っかかったまま、うまく考えをまとめられずにいる。 tu_ta9さんが原発事故に関連して「障…

第11章 注の前半 1)から 25)まで

1)私が把握している2008年段階の情報では、約10州に医療提供者に無益と判断する治療を拒否することを認める法律が存在するようだが、最終的に生命維持治療を一方的に中止することまで免罪しているのはテキサスのみ。 http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara…

2011年10月10日の補遺

カナダで進行中の自殺幇助合法化集団訴訟。原告の一人 Susan Brackenさんの主張を特集した記事。夫がガンで苦しみながら死ぬのを見てきた。そして今、自分自身がガンで闘病中。 http://www.globalnews.ca/timeline/6442457485/story.html 上の記事から、ちょ…

子と親と医師との「協力」で起こすことのできる“奇跡”:ボイタ法の想い出

「NPO法人きらら」機関誌「ワークパートナーきらら」に掲載された きらら理事長、高谷清氏の連載「言葉に見る人間の心 ⑥」を読ませてもらう機会があり、 ああ、こういう深い眼差しを親子に向けることのできる医師もおられるのだ、と、 またそれが重心医療の…

2011年10月7日の補遺

ヴァーモント州で、この前ポシャった自殺幇助合法化法案が、またぞろ提出に向けてうごめき始めている。 http://vtdigger.org/2011/10/06/%E2%80%98death-with-dignity%E2%80%99-bill-heads-for-renewed-vermont-debate/ 本土から自殺幇助合法化ロビーが続々…

「心の病は、誰が診る?」を読む

「心の病は、誰が診る?」(日本評論社 2011) 自治医大学長・日本医学会会長の高久史麿氏と北里大学精神科教授の宮岡等氏の対談に、 精神科医の斎尾武郎氏と医学雑誌編集者の栗原千絵子氏が司会の立場でからんでいく…… というか、むしろ勇猛なツッコミを入…

第10章 注の 30) から 36)

30)ここ数年、男児の包皮切除を巡る論争でも発言してきたディクマは2010年になって自身の発言で物議をかもした。2月時点では「効果もリスクも不透明」と慎重論を説いていたのだが、その後方針を転換させ、医学的な利益が確認されていると主張し、小児科学会…

2011年10月6日の補遺

Kevorkian医師の描いた絵画、あの有名な写真で来ていた青いカーディガン、さらに有名な「自殺幇助装置」がオークションに。 http://www.businessinsider.com/jack-kevorkian-auction-paintings-2011-10 オーストラリアで電車にはねられて亡くなった3歳の男の…

「アグリビジネス」の後ろにはワクチン推進と同じ構図が見える

アグリビジネスという言葉と出くわして 即、「あ、あのエントリーで書いたGM農業の話だ!」 頭にピンポン!と音を立てて電球が灯った ↓ ゲイツ財団がインドで目論んでいるのはワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16) この件については、 実は06年に…

2011年10月4日の補遺

英国の教育監督機関Ofstedの前のトップでALSを患っているChris Woodhead氏は、09年には「Dignitasへ行くくらいなら崖から突き落としてもらった方がいい」と言っていたのだけれど、6月にBBCがホテル王のDignitas死場面を放送したのを見て考えを変え、Digni…

「生きるに値しないから死なせて」家族の訴えを、介護士らの証言で裁判所が却下

こういうケアをする介護士さんたちが英国の介護現場にはまだいるんだ、という点でも、 裁判所が医師だけでなく直接ケアしている介護士たちの声に耳を傾けたという点でも、 日々のケアを担っている者にしか分かりにくい重症障害者の微妙な意識状態が確認され…

第12章 注

1)http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/13724817.html (Caplanの「希望」について 2) 2)http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/47162093.html (「私だけが鬼みたいな母なのだとばかり……」) 3)http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/43420155.html (…

第11章 注の後半 26) から 37) まで

26) http://notdeadyetnewscommentary.blogspot.com/2009/04/canadian-association-for-community.html (Canadian Association for Community Living: Press Release on Kaylee Wallace) 27) http://whatsortsofpeople.wordpress.com/2009/04/09/kaylee-…

第10章 注の 17) から 29)まで

17)Growth-Attenuation Therapy: Principles for Practice David B. Allen, Michael Kappy, Douglas Diekema and Norman Fost Pediatrics 2009;123;1556-1561 以下からフル・テキストが読めるようになっていました。 http://pediatrics.aappublications.org…

第10章 注の前半 1) から 16)まで

1)前掲第8章の1)に同じ 2)http://www.calvin.edu/publications/spark/2007/winter/diekema.htm (Telling Ashley's Story) http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/30576760.html (Ashley父はOprahの出演依頼を蹴っていた) 3) http://ashleytreatment.s…

第9章 注

1)Involuntary sterilization of persons with mental retardation: an ethical analysis, Douglas S. Diekema, Ment Retard Dev Disabil Res Rev. 2003; 9 (1): 21-6 (ISSN: 1080-4013) 2)この点でディクマの発言はぶれており、「倫理委はアシュリーの…

第8章 注

1)は訂正しました。 http://www.calvin.edu/january/2008/diekema.htm (“Love, Justice, & Humility: A Bioethicist Meets the ‘Pillow Angel’) http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/30681251.html (Diekema講演の概要アップされる) その他、「Diekema講…

第7章 注

1)http://www.usatoday.com/news/nation/2002/05/02/virginia-eugenics.htm (Virginia governor apologizes for eugenics law) 2)http://www.in.gov/judiciary/citc/cle/eugenics/index.html (申し訳ありません。リンク切れになっていました。代わりにこ…

第6章 注

1)http://www.arsvi.com/d/i012006a.htm (Ashley事件・文献) 2)http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/49643469.html(Ashley事件関連資料リンク集一覧) 3)Growth Attenuation: A Diminutive Solution to a Daunting Problem, Jeffrey P. Brosco, Md, Ph…

第5章 注

1)http://www.dailymail.co.uk/femail/article-426575/Why-froze-little-girl-time.html (第3章の注 1)に同じ) 2 )前掲第4章 5)に同じ この記事が唯一、シアトルこども病院のガンサー、ディクマ以外の医師の、この件についての声を拾ったもの。報じ…

第4章 注

1)「身体の変形」については、寝たきりの人で背骨がねじれてくる「側わん」と呼ばれる現象が起きていることが、後に追加された。その後、父親は側わん防止のためにも成長抑制を、と説くようになる。 2)「救児の人々 医療にどこまで求めますか」熊田梨恵著 …

第3章 注

1)http://www.dailymail.co.uk/femail/article-426575/Why-froze-little-girl-time.html (Why we froze our little girl in time) 2) こうした記述と、また「中流家庭」と記述したメディアもあったことなどから、一家を一般庶民とイメージしている人が多い…

第2章 注

1)http://www.nytimes.com/2009/12/13/business/13drug.html?_r=3&th&emc=th (Menopause, as Brought to You by Big Pharma) http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/57469083.html(更年期はビッグファーマの提供でお送りしました…) 2)ここでは省略しまし…

第1章 注

1)http://articles.latimes.com/2007/jan/03/nation/na-stunt3 2)Attenuating Growth in Children With Profound Developmental Disability A New Approach to an Old Dilemma Daniel F. Gunther, MD, MA; Douglas S. Diekema, MD, MPH Arch Pediatr Adole…

「拙著『アシュリー事件』について」書庫を新設し、注のテキストデータをアップしました

当初トップページに置いていた「Ashley事件関連リンク集一覧」はこちらです。 -------- 「拙著『アシュリー事件』について」という書庫を新たに作りました。 このたび「アシュリー事件 メディカル・コントロールと新・優生思想の時代」という本を 生活書院さ…

調査報道を忘れたジャーナリズムを叱るミステリー「ドラゴン・タトゥの女」

Steig Larssonのミステリー“THE GIRL WITH THE DRAGON TATOO”を読んだ。 邦訳はこちら。 このエントリーは同作品のネタばれ(謎解きには無関係ですが)を含みますので、 いま読んでいる方、これから読む予定のある方はご注意ください。 退屈な部分と、ものす…