「臓器増やすため、ドナーの葬式代はNHSで出してあげよう」と英国の生命倫理カウンシル
英国のNuffield Council on Bioethicsが
約1年半の調査と検討を経て、
この度とりまとめた報告書が
政府に対して提言しているのは、
約1年半の調査と検討を経て、
この度とりまとめた報告書が
政府に対して提言しているのは、
① 臓器ドナーとして登録した人が死んで、実際に臓器が使えた場合には、
葬式代をNHSで出してあげる制度が国民に受け入れられるかどうか、
また、それによってドナー登録が増えるかどうかの検討を。
葬式代をNHSで出してあげる制度が国民に受け入れられるかどうか、
また、それによってドナー登録が増えるかどうかの検討を。
② 生殖子を生殖補助医療クリニックや研究目的の利用に提供する人への金銭支払いに
現在設けられている250ポンドの上限の引き上げを。
交通費だけでなく所得補償まで可能にするため。
現在設けられている250ポンドの上限の引き上げを。
交通費だけでなく所得補償まで可能にするため。
③ 「みなし同意」制度は導入せず、あくまでも本人の意思を重視で。
New drivers will be given the chance to register as organ donors.
新たに運転免許を取得した人は、
その交付の際に「ドナーとして登録する機会を与えられる」制度だそうです。
その交付の際に「ドナーとして登録する機会を与えられる」制度だそうです。
記事を読んで印象に残ったのは
カウンシルのディレクター、Hugh Whittall氏の以下の発言。
カウンシルのディレクター、Hugh Whittall氏の以下の発言。
As science and medicine develop, he added, the need for bodily material will increase.
「科学と医学が進むにつれて、身体資材のニーズは増していきます」
「科学と医学が進むにつれて、身体資材のニーズは増していきます」
だから、つまり、生命倫理カウンシルの役割・仕事というのは
そのニーズを満たすため、如何に国民の身体資材化を推し進めていくか、その方策を編み出し、
それらをアカデミックな装いで正当化し、さらに国民が自ら進んで身体資材となるよう誘導すること?
そのニーズを満たすため、如何に国民の身体資材化を推し進めていくか、その方策を編み出し、
それらをアカデミックな装いで正当化し、さらに国民が自ら進んで身体資材となるよう誘導すること?
英国の障害者らが介護サービス削減に抗議して訴訟、大規模デモ(2011/5/11)
ガウタマ・シンラン・ソリドゥスさんも10月1日のエントリーで取り上げておられる通り ↓
NHSは財政破たんをきたし、もう長いこと英国最大の社会問題になっていて、
NHS存続のためにベッド数もサービスも削減やむなしという話まで出ているというのに
それでも「ドナーの葬式代はNHSが出してあげよう」という提言が平然と出てくるのって、
NHS存続のためにベッド数もサービスも削減やむなしという話まで出ているというのに
それでも「ドナーの葬式代はNHSが出してあげよう」という提言が平然と出てくるのって、
それにしても、この葬式代、記事をよく読むと、
出してもらえるのはドナー登録しておくだけじゃダメで、
ドナー登録した人の臓器または組織が移植や研究に利用された場合のみ。
出してもらえるのはドナー登録しておくだけじゃダメで、
ドナー登録した人の臓器または組織が移植や研究に利用された場合のみ。
せっかくドナー登録しておいても、
臓器が使えない死に方をしたのでは出してもらえないらしい。
臓器が使えない死に方をしたのでは出してもらえないらしい。
葬式代が愛他的な善意に報いようという趣旨なのだったら、
ドナー登録しただけで出してくれないと筋が通らないと思うのだけど、
ドナー登録しただけで出してくれないと筋が通らないと思うのだけど、
その辺り、
臓器を増やす狙いで登録者数を増やすための
単なる“釣り”に過ぎないから大まかなのか、
臓器を増やす狙いで登録者数を増やすための
単なる“釣り”に過ぎないから大まかなのか、
それとも、
せっかく登録した人は死に方にもちゃんと気を配って
臓器が無駄になるような死に方はなるべく避けろ、と――?
せっかく登録した人は死に方にもちゃんと気を配って
臓器が無駄になるような死に方はなるべく避けろ、と――?