「アグリビジネス」の後ろにはワクチン推進と同じ構図が見える
ゲイツ財団がインドで目論んでいるのはワクチン普及だけでなくGM農業改革も(2011/4/16)
欧米のお金持ちが優雅に療養するアポロ病院から程遠い、国民の3分の1が暮らすとい うインドの田舎からは、こんなニュースが聞こえてくる。インドの農家も最近では国際競争に晒されるようになり、競争力をつけるには、アメリカから高価なバ イオテクの種や肥料などを買わなければならない。しかし、その一方でアメリカが自国の農家に巨額の助成を続けるので、綿の価格は下落。インドの零細な農家 が生き残るには高利貸から借金を重ねるしかなく、かんがい施設も災害保険も不備な中で、ひとたび娘の結婚や不作の年があれば完全なお手上げ状態だ。 2003年には17000人以上の農夫が自殺し、その後も続いている(NYTimes9月19日)。
前出のInternational Herald Tribuneの記事によると、インドでは簡単に治療できる下痢で年間60万人が命を落としている。結核で死ぬ人が年間50万人。人口1万人に対する医師 の数を比較すると、イギリスの18人に対して、インドは4人。もっと自国民の健康増進に力を入れろ!……と、インドのお医者さんたちは怒っている。
もっともな怒りだと思う。
「グローバルな新トレンド 医療ツーリズム(「介護保険情報」06年11月号)
前出のInternational Herald Tribuneの記事によると、インドでは簡単に治療できる下痢で年間60万人が命を落としている。結核で死ぬ人が年間50万人。人口1万人に対する医師 の数を比較すると、イギリスの18人に対して、インドは4人。もっと自国民の健康増進に力を入れろ!……と、インドのお医者さんたちは怒っている。
もっともな怒りだと思う。
「グローバルな新トレンド 医療ツーリズム(「介護保険情報」06年11月号)
従来の農業で考えれば、毎年、生き延びた種を収穫することを繰り返すことによって
その土地の土壌と気候に適した種子が取れるようになるのだけれど、
モンサントは遺伝子組み換え技術によって作った自社の種子に特許を設定し、
その種子から育った作物から取れた種子を再利用することを契約時に禁じているため、
農家は毎年モンサントの種子、肥料、農薬を買わなければならない。
その土地の土壌と気候に適した種子が取れるようになるのだけれど、
モンサントは遺伝子組み換え技術によって作った自社の種子に特許を設定し、
その種子から育った作物から取れた種子を再利用することを契約時に禁じているため、
農家は毎年モンサントの種子、肥料、農薬を買わなければならない。
しかし種子自体がインドの気候や土壌に合っていないし
灌漑設備が十分でないので、すぐに枯れたり病気になったりしては
さらに肥料や農薬を買わされる口実となる。
灌漑設備が十分でないので、すぐに枯れたり病気になったりしては
さらに肥料や農薬を買わされる口実となる。
借金するにつけても
昔は顔なじみの金貸しがどの村にもいて、それなりのショーバイだったけど
いつのまにか昔馴染みの金貸しに種子会社がとってかわって、
農民は土地を担保に、種子会社から種子や肥料の代金を借りることに。
昔は顔なじみの金貸しがどの村にもいて、それなりのショーバイだったけど
いつのまにか昔馴染みの金貸しに種子会社がとってかわって、
農民は土地を担保に、種子会社から種子や肥料の代金を借りることに。
もともとカネのかかる農業を強いられているのだから
ちょっと不作になるとアッという間に土地を失って、自殺に追い込まれていく――。
ちょっと不作になるとアッという間に土地を失って、自殺に追い込まれていく――。
それでもインド政府はモンサント型農業を支持。
種子のメリットを生かせるように灌漑施設を作るというが、
現実には中央部のハイテク化に(上記の医療ツーリズムにも)ばかり熱心で、
国民の7割が住む農村部にはまったく無関心。
種子のメリットを生かせるように灌漑施設を作るというが、
現実には中央部のハイテク化に(上記の医療ツーリズムにも)ばかり熱心で、
国民の7割が住む農村部にはまったく無関心。
「アグリビジネスの巨人”モンサント“の世界戦略」の紹介(YouTube 2008/6/11)
「農業関連大手モンサント社の恐怖の収穫(1)(YouTube 2008/10/10)
「農業関連大手モンサント社の恐怖の収穫(2)(YouTube 2008/10/10)
「農業関連大手モンサント社の恐怖の収穫(1)(YouTube 2008/10/10)
「農業関連大手モンサント社の恐怖の収穫(2)(YouTube 2008/10/10)
(こっちも科学的根拠はないけど、これについてはクローン牛についてのエントリーで書いた)
もともとビル・ゲイツはこのところ、とても露骨にインドに入れ込んでいるし ↓
ゲイツ財団がインドのビハール州政府と「革新的な家族保健」の協力覚書(2010/5/17)
ゲイツ財団が、インドの貧しい村を「養子に」???(2010/5/17)
今年の3月にはウォーレン・バフェットと一緒に訪印している。
ゲイツ財団が、インドの貧しい村を「養子に」???(2010/5/17)
そういう大きな動きから読みとれるのは、たぶん
ゼニ回し・新興マーケット創出に向けた、「途上国へワクチンを」の次の
グローバル強欲ひとでなし金融ネオリベ慈善資本主義の戦略ターゲットは「途上国に農業新興を」。
ゼニ回し・新興マーケット創出に向けた、「途上国へワクチンを」の次の
グローバル強欲ひとでなし金融ネオリベ慈善資本主義の戦略ターゲットは「途上国に農業新興を」。
これについては5月25日の補遺に。↓
Bill Gatesが金持ち国は貧しい国の農業振興にカネを出せ、と。:いよいよ始動ですね。ワクチンの次なるゲイツ財団の「途上国の農業支援」という名のGM農業新興・慈善資本主義。新たな科学とテクノロジーによるグリーン・レボリューション。
http://www.theglobeandmail.com/news/world/africa-mideast/bill-gates-urges-rich-countries-to-fund-poor-farmers/article2033487/
http://www.theglobeandmail.com/news/world/africa-mideast/bill-gates-urges-rich-countries-to-fund-poor-farmers/article2033487/
で、モノを知らないままに、オバタリは、ふと思ったりするのですが、
日本の「ワクチン産業ビジョン」や厚労省HPVワクチン議論のいかがわしさを思うと、
あのTPPも、実はこのアグリビジネス・グリーン・レボリューションに
ぐるりと回り回って繋がっている……のでは――?
日本の「ワクチン産業ビジョン」や厚労省HPVワクチン議論のいかがわしさを思うと、
あのTPPも、実はこのアグリビジネス・グリーン・レボリューションに
ぐるりと回り回って繋がっている……のでは――?