日本の重症児

「療育園と家族が本当の信頼関係を築くために」 3

(前のエントリーからの続きです) 別のものが「本人のため」と言い換えられることの何が一番恐ろしいかというと、「本人のため」と言われてしまった時点で、それが「良いこと」になってしまうということです。何事であれメリットだけではなくデメリットだっ…

「療育園と家族が本当の信頼関係を築くために」 2

(前のエントリーからの続きです) その同じ教訓を、当時の療育園もリハセンターも同じように学んでくださいました。これは本当にすごいことです。14年前に思い切って声を挙げた時、私は現場の一部のスタッフから「理不尽なモンクをつけるクレーマー」にさ…

「療育園と家族が本当の信頼関係を築くために」 1

ミュウがお世話になっている療育園の 保護者会研修会でお話しさせていただきました。 聞いてくださったのは保護者と職員の方々です。 おはようございます。今日はお集まりいただいて、ありがとうございます。親だけでなく、いろんな立場の方がおられますので…

「粘土でにゃにゅにょ」は「重い障害を生きるということ」とペアで読んでほしい本だった

ある方から、この本のことを教えてもらった数日後、 そのことを全く失念したまま図書館へ行き、まったく別の本を探していたら、 棚のずいぶん下の方から誰かに呼ばれている感じがした。 で、なんとなく呼ばれるままに目をやったら、 そこにいたのが、この本…

高谷清著「重い障害を生きるということ」メモ 3

前のエントリーからの続きです。 一つだけ、もしかしたら アシュリーやミュウが重症身障害児・者の幅広いグラデーションの中では むしろ「軽い」方に類するから、という面はあるかもしれないのだけれど、 重症障害児・者の「意識」について書かれていること…

高谷清著「重い障害を生きるということ」メモ 2

前のエントリーからの続きです。 この本を読みながら重い障害のある子どもをもつ身として非常に強く感じるのは 「こんな医師もいたんだぁ……」という率直な驚き。この感想はミュウの父親も全く同じだという。 著者は若い頃に全障研に参加し、「医療に対する怨…

高谷清著「重い障害を生きるということ」 メモ  1

「重い障害を生きるということ」 高谷清著 岩波新書 高谷氏は京大付属病院、大津赤十字病院などを経て 1984~1997年、重心施設、第一びわこ学園園長を務めた医師。 現在も同学園の非常勤医師。 当ブログで高谷氏について書いたエントリーはこちら ↓ …

「動く重症児」をご存知ですか

前に Ashleyのような重症心身障害児・者には本当の意味でアドボケイトがいないのではないか、と 問題提起してみたことがありますが、 重症心身障害児・者と同じく 世の中からも障害学や障害者運動からも見えにくい存在になってしまったまま 今回の障害者自立…

親の会がNPOで成年後見、地域ボランティアによる「訪問里親」制度も(岡山・旭川荘)

ああ、こういうのもアリなんだなぁ……と目からウロコ。 旭川荘療育児童院:成年後見をNPOに 家族会、法人設立の動き /岡山 某所で耳にした話では 司法書士など専門家のアドバイスを受けて、 親の会が立ち上げるNPOでは主に身上監護を担っていこうという話だと…

小児の延命治療停止(日本)

国立生育医療センターで過去5年間に 間もなく心肺停止が予測された小児30人について 家族の同意をとった上で、人工呼吸器をはずすなど延命治療を停止。 その他にも50人で 投薬などの積極的な治療を差し控えた。 いずれも臨床的にみて死期が迫った段階で…

日本のNICUでは

以下は私自身のブックマークとして。 積極的延命か 安らかな最期か・・・小さな命の終末 2006年8月21日 読売新聞

日本でも超重症児の切捨てが始まっている 2

前回のエントリーに続いて、 療養病床廃止による病院からの高齢者の追い出しと同じことが 超重症児でも起ころうとしていることについて。 日本では今のところ、それほど えげつない呼び方はされませんが 今の日本の超重症児を取り巻く現状は 英国で重症障害…

日本でも超重症児の切捨てが始まっている 1

朝日新聞が1月19日に 「医療的ケア必要な子達 卒業後 足りぬ受け皿」という記事で 医療的ケアを必要とする超重症児たちを受け入れる施設が 入所も通所も共に不足しており、 養護学校卒業後の行き場がなくなっている問題を取り上げていました。 日本小児科学…