2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

心臓を停止から75秒で摘出・移植しているDenver子ども病院

我々が自己選択・自己決定によって臓器を提供しようと考えるのは 死のラインが不動だという前提があってのことなのだけれど、 なんと医学においては、そのラインが動くのだよ、と William SaletanはWashington Post に書いています。 なにしろNew England Jo…

副作用わかっているのに抗マラリア薬で自殺や障害?

2004年にアフガニスタンで自殺した米兵がいます。 彼には婚約者がいて、ハネムーンを計画している最中でした。 数週間後には帰国することにもなっていました。 そんな時に自殺するのはおかしいと思った家族が調査をしたところ、 どうやら抗マラリア薬 mefloq…

オレゴンの自殺幇助4人に1人は鬱病や不安症の可能性

オンラインでthe British Medical Journalに発表された研究によると、 Oregon州の尊厳死法によって医師の幇助を受けて自殺した終末期の患者の 4人に1人は鬱病や不安症だった可能性があるとのこと。 同法にはセーフガードとして、 自殺幇助を希望する患者に精…

介護者の権利章典

【追記】 こちらの訳文はその後12月12日に大幅に改定しています。 また「介護保険情報」12月号に掲載し、 コピーライトが発生していると思いますので、 こちらのエントリーの章典に引用・転載・リンクをお考えくださる方は 12月の改訂版をお使いくいただきま…

子どものケア、何歳から「子育て」ではなく「介護」?

ずいぶん前のことですが、 母親仲間の1人が家で とりたてて深くも考えずに 「私もこの子の介護で疲れがたまっているんだから……」と口にしたら 「おいっ、“介護”という言い方はないだろう」と夫が気色ばんだ、と。 その時、重症心身障害があって寝たきりの彼…

ハリウッド、障害者の人権キャンペーンを発表

the Screen Actors Guildを始め米国の映画、テレビ、ラジオ関連の労働組合などが共同で Inclusoin in the Art & Media of People with Disabilitis(I AM PWD)と銘打った 障害者の人権キャンペーンに乗り出すことを発表しています。 メディアで働く人の中に障…

出生前後の障害・病気診断に情報提供を義務付け(米)

民主党のEdward Kennedy上院議員と共和党の Sam Brownback上院議員が提出していた法案 The Prenatally and Postnatally Conditions Awaraness Act が、原油高対策優先で一旦つぶれたことを前のエントリーで紹介しましたが、 この法案がまた別の形で復活して…

羊水穿刺より侵襲度の低いダウン症検査、数年以内に

ちょっと前から何度か眼にするニュースですが、 現在、羊水穿刺によって行われ、 流産と胎児を傷つけるリスクが指摘されているダウン症の出生前診断が 数年のうちには採取した妊婦の血液のDNAを調べることによって より安全、より正確に行えるようになると、…

薬の無料サンプル、害の方が大きいかも(米)

米国では医師の診察室で薬の無料サンプルが手渡されることがあるらしくて、 CDCが2004年に行った調査で特に子どもへの弊害の可能性が指摘されています。 6日にPediatrics誌に発表されたもの。 Study Says Drug Samples May Endanger Children The New York T…

WA州の安楽死法案11月投票でCM合戦

1994年から医師による自殺幇助が合法化されているOregon州に続き、 Washington州でも医師による積極的安楽死の法制化が検討されており、 その住民投票が11月の選挙に合わせて行われることに。 自殺を治療と位置づけて ただ単にウツ状態だというだけでも医師…

NE州の「子棄て」めぐる分析様々

10月1日のエントリーNE州で「こうのとりのゆりかご」ジレンマで紹介しましたが、 日本で言えば「赤ちゃんポスト」に当たる制度を利用して 10代の子どもを“棄て”に来る人たちがNebraska州で多発している問題を The NY Timesが取り上げていました。 もともとは…

著名精神科医ら製薬会社からのコンサル料を過少報告

製薬会社から医師への500ドルを超える金銭授受の公開を義務付ける法案 The Physician Payment Sunshine Act の提案者であるGrassley上院議員が行っている調査で 世界的に尊敬を集めるカリスマ的な科学者であるEmory大のDr. Charles B. Nemeroffが 2000年から…

米国の成人4人に1人「自閉症の原因ワクチン」だと

Florida Tech’s College of Psychology and Liberal Arts が ランダムに抽出した1000人の成人を対象に行った意識調査によると、 これほど科学的根拠が否定されていながら、 回答者の24%が自閉症の原因はかつてのワクチンに含まれた防腐剤だと考えており、…

NHSに一部高価な治療の有料化案(英)

前のエントリーを書いて思い出したニュース。 そういえば英国でも 一部の抗がん剤など高価な治療については NHSで受けられる地方と認められない地方ができ 地域間格差の拡大がこのところ問題視されていましたが、 そうした高価な抗がん剤治療の一部を自由診…

抗がん剤はダメだけど幇助自殺はOKとメディケイド

米国で唯一、医師による自殺幇助が合法化されているオレゴン州で メディケイドによる抗がん剤治療の支払いを不可とし、 医師による自殺幇助は支払いを可とする 通知を受け取るがん患者が出ているようです。 Oregon Offers Terminal Patients Doctor-Assisted…

”A療法”には「親が抱え込め」とのメッセージ

久々に、Ashley療法を取り上げたブログ記事が出てきました。 相変わらず、事実誤認に満ちているのですが、 いろいろな雑音が収まった中で読ませてもらうと、 その事実誤認からこそ、また様々なことが見えてくるようでもあり。 書いたのは「60歳になっても若…

スイスDignitas で幇助自殺とげた英国人100人に

以前のエントリーMS女性、自殺幇助に法の明確化求める(英)で紹介したケースに関連して 外国人を対象に自殺幇助を行っているスイスのDignitasクリニックの最新情報が 明らかになっています。 ・ 現在Dignitasのメンバーとなっている英国人は650人。 ・ …

「ロボットで介護」への違和感

ずっと前に 現代思想でロボット工学の山海嘉之氏と生命倫理学者の松原洋子氏が対談しているよと、 人から教えてもらった時に、 読んでみる前に思ったのは 「なんで、そこに介護の現場の人を加えないのかなぁ」ということで、 「三好春樹とかが加わったら面白…

ワクチン拒否闘争の”戦士”が新刊書

米国で親によるワクチン接種拒否が問題になっていると知ってはいたけど、 まさか、ここまでの“闘争”になっているとは。 ABCニュースのサイトに Mighty Moms in the Face of Autism(9月29日)というビデオがあり、 女優のJenny McCarthyが上梓したばかり…

上手に「小さなギブアップ」ができる支援 2

重い障害があって病気がちな娘を育てていると、 正直、ギブアップしたい時は、あった。 瞬間的に娘を憎悪してしまう瞬間だって、あった。 (いま振り返ると、充分助けてくれない誰かへの怒りを 思うようにならない娘に投影していたような気がするけれど) 幸…

上手に「小さなギブアップ」ができる支援

福岡で母親が発達障害のある息子を殺した事件について ネット上で「殺すぐらいならギブアップしろ」という意見をいくつか見て違和感を覚え、 それがどこから来るのかをずっと考えています。 「殺すぐらいならギブアップしろ」という人は、 たぶん「親の愛情…

NE州で「こうのとりのゆりかご」ジレンマ

米国Nebraska州で 子育てが困難な親に子どもを州に託すことを認める法律によって 子どもを“棄てる”人が相次ぎ、問題になっています。 問題のSafe Haven Law(安全な隠れ家法?)とは、 日本で言えば「こうのとりのゆりかご」と同じ制度と思われますが 米国で…