乳がん“予防薬”を50万人の女性に5年間飲ませよう、と英NICE
今年1月の以下のエントリーを書いた時点では
作成中だったNICEのガイドラインが発表となり、
1月に報道された通り、乳がんのリスクが高い女性に
2種類の予防薬を5年間、NHSはオファーするように、と。
作成中だったNICEのガイドラインが発表となり、
1月に報道された通り、乳がんのリスクが高い女性に
2種類の予防薬を5年間、NHSはオファーするように、と。
乳がん発症リスクの高い女性50万人に予防薬を(英国)(2013/1/16)
(でも、これらの薬の副作用の中に「太る」がある、という皮肉。
アシュリー療法でもエストロゲンの大量投与で身長を抑制するという発想そのものに
カナダのSobsey氏が「体重増加」の副作用があることの矛盾を指摘していたけど)
アシュリー療法でもエストロゲンの大量投与で身長を抑制するという発想そのものに
カナダのSobsey氏が「体重増加」の副作用があることの矛盾を指摘していたけど)
それから記事の最後に、ほんの2行、こう書かれている。
コスト・パフォーマンスがよいと言われても、
そこでは副作用が出た人への治療コストって、計算外にされていると思うし、
そこでは副作用が出た人への治療コストって、計算外にされていると思うし、
冒頭の1月のエントリーに縁さんから頂いたコメントによると、
実際にタモキシフェンを飲まれた体験から「副作用はきつい」とのこと。
実際にタモキシフェンを飲まれた体験から「副作用はきつい」とのこと。
ラロキシフェンの副作用は、
乳房の張り、ほてり、吐き気(2~3ヶ月で身体が慣れると軽快)。
滅多にないが重いものとして、血栓症塞栓症のほか、
膣の分泌物、多汗、足のけいれん、体重増加、吐き気、食欲不振、皮膚のかゆみ。
乳房の張り、ほてり、吐き気(2~3ヶ月で身体が慣れると軽快)。
滅多にないが重いものとして、血栓症塞栓症のほか、
膣の分泌物、多汗、足のけいれん、体重増加、吐き気、食欲不振、皮膚のかゆみ。
そんな薬を5年間も飲むことの、女性の体への負担について
十分に慎重に検討されたんだろうか。
十分に慎重に検討されたんだろうか。
女性の身体に多少の負担があったとしても
ガンになってからの治療コストに比べれば
予防効果のコスト削減効率の方が良いから、というのでは、
それはちょっと違う話なんでは……と考えてしまう。
ガンになってからの治療コストに比べれば
予防効果のコスト削減効率の方が良いから、というのでは、
それはちょっと違う話なんでは……と考えてしまう。
この記事が書いているように
まずアンジェリーナ・ジョリーのような予防的乳房切除という選択肢がありますよ、
でも、そこまでできないという人にだって、こちらの薬物予防法がありますよ、
というふうに話を持っていかれると、
まずアンジェリーナ・ジョリーのような予防的乳房切除という選択肢がありますよ、
でも、そこまでできないという人にだって、こちらの薬物予防法がありますよ、
というふうに話を持っていかれると、
予防できる方法があるなら予防するのが当たり前という前提がそこにはあって、
その上で、Aの予防法をとるかBの予防法をとるか、
あなたに最適な予防法はどちらから遺伝診断とカウンセリングで、
という話にいずれなっていきそうな気がする。
あなたに最適な予防法はどちらから遺伝診断とカウンセリングで、
という話にいずれなっていきそうな気がする。
(そしてそこにはもちろん
マーケット創出のポテンシャルが沢山ある)
マーケット創出のポテンシャルが沢山ある)
でも、そうすると
それは他の選択肢が予め排除された2者択一の話となり、
その排除が女性の側からはとても見えにくくなってしまって、
どちらかを選ばなければと感じさせられたり、
それは他の選択肢が予め排除された2者択一の話となり、
その排除が女性の側からはとても見えにくくなってしまって、
どちらかを選ばなければと感じさせられたり、
「どちらも選ばない」とか、
「AでもBでもない予防法を検討する」とか
「予防そのものを考えない」という選択肢だってあることに
気付けなくなってしまう……なんてことはないのかなぁ。
「AでもBでもない予防法を検討する」とか
「予防そのものを考えない」という選択肢だってあることに
気付けなくなってしまう……なんてことはないのかなぁ。
そして、そういう「できる予防はするのが当たり前」文化が拡がってしまった時には
予防できる方法があるのに、どちらもせずに乳がんになってしまった人は
「自己責任を果たさず、社会に対して不当な医療コストを背負わせる厚かましい人」と
みなされ始める……いうことにならないのかな。
予防できる方法があるのに、どちらもせずに乳がんになってしまった人は
「自己責任を果たさず、社会に対して不当な医療コストを背負わせる厚かましい人」と
みなされ始める……いうことにならないのかな。
一番健康なのは、健康に気を付ける暇がないことかな。あるいは暇でも健康に関心がないとか。
体にいいことだけで生きられる人はいないと思う。そんなことができるのは死んでる人だけ。