2013年6月26日の補遺 (前)


米国のブーマーズは介護費用をねん出するために生命保険を売却し始めている。
http://seniorhousingnews.com/2013/06/23/boomers-cash-out-life-insurance-to-pay-for-long-term-care/

オーストラリアで、水に過剰な興味を示してすぐにいなくなることが懸念されていた自閉症の少年が介護事業所のスタッフと出かけた先で湖で溺死、母親がスタッフと事業所の過失を問うて提訴。そのスタッフが無資格・無研修の移民だったこともあり、いろいろ考えさせられる複雑な問題をはらんだ事件と思われ、ちょっと追いかけてから、できたらエントリーに。
http://www.abc.net.au/news/2013-06-24/family-gets-apology-over-death-of-disabled-son/4775626
http://www.bordermail.com.au/story/1593516/care-group-admits-deficiencies-over-boys-death/
http://www.bordermail.com.au/story/1596136/carer-wins-protection-at-autistic-boys-inquest/

カリフォルニア州の研究で、ナーシング・ホームのチームに元々の患者の担当医と薬剤師を加えるとホームでの医療効果が上がる。:これは、ものすごく大事な情報だと思う。終末期医療で患者本人の利益が必ずしも最優先されていなかったり、入所前の本人の医療情報がホームに伝わらなかったり生かされなかったり、という問題が実はとても大きいという気がする。
http://www.upi.com/Health_News/2013/06/23/Nursing-home-patients-own-physician-plus-pharmacist-ups-care/UPI-87681372021711/

JAMA内科雑誌に、検査や投薬など日常的な医療を巡る意思決定にもっと患者本人を含める必要がある、と説く論文。著者は the Informed Medical Decisions Foundationとマサチューセッツ大所属。:へぇ。そういう財団もあるんだ。それはともかく、これは上の連携の問題に並んで大きな問題だし、「死の自己決定権」の前に、こっちが先だろう、といつも思う。日常的な医療があって、さらに大きな病気で受ける医療があって、その先に患者にとっては地続きなものとして終末期医療があるわけだから、大きな「自己決定」をできるためには、それ以前に小さな「自己決定」の経験を積み重ねておく必要があるんだって、これはミュウの施設でずっと言っていることなんだけど。だから説明してくださいって……。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/261078.php

オーストラリアのDr. DeathことDr. Philip Nitschkeがまたぞろ自殺ワークショップのツアーに出ている。英国では入管で荷物の一部を没収されたらしいけれど、その後、アイルランドへも。
http://www.lifenews.com/2013/06/24/australias-dr-death-detained-at-british-airport-officials-confiscate-items/
http://www.independent.ie/irish-news/defiant-dr-death-to-give-suicide-tips-at-irish-euthanasia-workshop-29372477.html

そのDr. Nitschkeのワークショップに行こうと、カナダからロンドン空港に降り立ったMarie Flemingさん(死の自己決定権を求めて提訴し5月2日に敗訴)の夫が空港で警察の職質を受け一時足止め。
http://www.independent.ie/irish-news/dying-womans-partner-held-on-way-to-euthanasia-event-29369338.html



米国160万人の囚人も高齢化で、刑務所内にもホスピス
http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/06/hospice-in-prison.html

カナダ、オンタリオの上訴裁判所がDNR指定には患者や家族の同意は不要、と判断。Cefarelli訴訟。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2013/06/ontario-appeal-court-rules-no-consent.html

メディケアの患者には臓器移植を拒むべきか? :こういう議論を目にするたびに思うのだけれど、日本では生活保護の受給者や重症障害者から臓器移植を希望する声そのものが上がらないんでは? でも、それって生命倫理学の観点からすると、どうなんだろう? 議論そのものがないまま、なんとなく皆で「そんな厚かましいこと、誰も言えないよね」という雰囲気が行き渡っているってことが? これ、最近ちょっとずつ頭に形作られていきつつある、日本では安楽死や自殺幇助議論はさほどでもないように思われているけど、実は暗黙のうちに「患者の無益」論が広められて、実質は大して変わらない事態に向かっているんでは……みたいなところにも繋がっていく? 
http://www.physiciansnews.com/2013/06/21/should-medicaid-patients-be-denied-organ-transplants/

この前から米国でメディケアでの薬の悪質な過剰処方が問題になっているのだけれど、そういう処方が最も多い悪質な医師には製薬会社から講演料が渡っている、とProPublica.
http://www.propublica.org/article/top-medicare-prescribers-rake-in-speaking-fees-from-drugmakers

それ以前に、処方する資格のないセラピストやトレーナーなどが処方箋を書いているのに、それでもメディケアはちゃんと給付している、という問題も。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/66452879.html


ワクチンが糖尿病、肥満、メタボを引き起こしている、とする調査結果、2012年11月に Current Diabetes Reviewsに。
http://www.prnewswire.com/news-releases/vaccines-are-causing--the-epidemics-of-type-1-diabetes--obesity-and-type-2-diabetes-metabolic-syndrome-181513501.html