2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Connecticut州議会、自殺幇助法案を棚上げ

標題の通りのニュース。 もう、あっちでもこっちでも議会に法案が提出されて どこの州で議論になっているんだかワケが分からなくなっていたのですが、 (漏れはあるかもしれませんが個別情報は「尊厳死」の書庫に) とりあえず、Connecticutでは、法案は出た…

「病院が勝手に呼吸器を戻したから重症障害児に」と両親が訴訟(加)

ニュースのタイトルを見た瞬間、嫌な予感で胸がドキドキした。 読んでみたら、やっぱりウチの娘が生まれた時の状況とそっくりの話だった。 カナダ、ケベック州の事件。 2007年11月 難産で生まれたPhebe LaurendeauちゃんがMontreal 子ども病院に搬送さ…

米国で行われた人体実験

町山智浩氏の「キャプテン・アメリカはなぜ死んだか:超大国の悪夢と夢」で取り上げられていた 米国で行われた恐るべき人体実験2つと、 そこにあったわけではないのだけれど、 前から一度整理しておきたいと考えていた「タスキギの梅毒人体実験」について、…

「どうぞ安心して先に行ってください」

それ自体は、とてもプライベートな物思いなのだけど、 こんなにも重い障害を持って自分で自分の身を守ることのできない非力な子を この世に残して死んでいく勇気が自分にはあるだろうか……と ずっと胸に抱えている自問と、その裏にある思いとを 何度か思い切…

「動く重症児」をご存知ですか

前に Ashleyのような重症心身障害児・者には本当の意味でアドボケイトがいないのではないか、と 問題提起してみたことがありますが、 重症心身障害児・者と同じく 世の中からも障害学や障害者運動からも見えにくい存在になってしまったまま 今回の障害者自立…

Tom Shakesapeareが「自殺幇助合法化せよ」

BBCの障害者問題サイトOuch!で障害当事者で障害学研究者のTom Shakespeareが 英国でもターミナルな状態の人には自殺幇助を認めるべきだと主張しています。 Shakespeareはこの文章で3つのナンセンスを指摘したいと述べていて、 その3つとは、 ① 現在、英国…

医師と患者で終末期について「100万ドルの会話」を

Medical News Todayで終末期医療関連で 興味深い調査結果が相次いで報告されています。 そのうちの1つは既に書いた 自殺幇助者が苦しんでいるのは「現状」ではなく「先取り不安」。 その他5本について、簡単に以下に。 ①Patients And Families Report Feel…

医療も警察も教育も福祉もみ~んなオンラインで国民が評価(英)

前に英国医療改革のポピュリズムのエントリーで紹介した動きが 対象をもっと拡大していよいよ具体化するようです。 GPも警察も児童福祉も地方自治も み~んなオンラインで国民から評価を受けることになるんだそうで。 (rating という言葉からすると「採点」…

ES細胞治療を受けた少年に脳腫瘍(再掲)

このケースのことが今朝、朝日新聞のi-PS細胞の安全性に関する記事で触れられていましたが 詳細はなかったので、2月18日のエントリーを以下に再掲。 少年は現在17歳。 どうもイスラエル人らしいのですが、 運動と言語機能に影響するAtaxia Telangiectas…

ソーシャルワーカー7人に1人が欠員(英)

去年、全英に大きな衝撃を与えたBaby P 事件を始め、 このところ地方自治体のソーシャルワーカーが問題を把握していながら 子どもたちを救えないケースが増え、 児童虐待防止体制の総点検が進んでいた英国で4ヶ月の調査が終わり 子ども大臣に対して100ペ…

Ashley事件リンク集 4 :2007年5月WPAS調査報告・病院が違法性を認める

5月8日:病院とWPASの合同記者会見 病院側のプレスリリース Growth Attenuation Press Conference WPAS調査報告書フルテキスト Investigative Report Regarding the “Ashley Treatment” May 8, 2007 英文サマリー http://www.katrinadisability.info/Inves…

重複障害児に入所施設介護職員が2年間も格闘技ファイトを強要(米)

Texas州の入所施設で2年も前から 重複障害のある若い男性たちが介護職員らによって “ファイト・クラブ”形式の格闘技試合をやらされていたことが判明。 警察署長は 「この30年間に見た中でも最悪の児童虐待だ。 個別の虐待は時として起こるが この事件のひ…

FENの“ガイド”は自殺者がマスクを脱がないよう手を押さえた

FENの幹部4人がGeorgia州の男性の自殺幇助などの容疑で逮捕された事件で、 4人の逮捕は囮捜査によるものだったのですが、 供述書で明らかになったところによると、 がん患者を装ってFENに自殺幇助を希望した捜査官は まずヘリウムタンクと頭にかぶる Exit …

Idaho州上院で「無益な治療法」可決

Idahoの州議会上院が テキサスの無益な治療法とほぼ同じ内容の法案を可決。 Idaho Legislature Considering Dangerous Futile Care Bill Putting Patients at Risk LifeNews.com, March 10, 2009 この記事は多くをWesley Smithのブログ記事に負っているよう…

米国のES細胞研究への公費助成方針転換関連ニュース

興味はあるのだけど今ちょっと読む余裕がないので、とりあえず自分のメモとして。 Obama Aims to Shield Science From Politics The Washington Post, March 9, 2009 Obama Is Leaving Some Stem Cell Issues to Congress The NY Times, March 9, 2009 Scien…

自殺幇助希望者が苦しんでいるのは「現状」ではなく「先取り不安」

自殺幇助の問題を考えるに当たって、 非常に参考になりそうな記事を見つけました。 Oregon州の医療センターと医療大学の共同研究で、 Oregon州で医師による自殺幇助を希望している人の動機は 現在の症状ではなく、むしろ将来の苦痛や これから先に自律性を失…

スコットランドでも「死の自己決定権」アドボケイトの医師が高齢障害者の餓死を幇助

このところ当ブログでは米国FENの幹部が自殺幇助容疑で逮捕された事件を追いかけていますが、 (関連サイトはこちらの末尾に) 英国にもFriends at the End(FATE)という「死の自己決定権」のアドボカシー団体があり、 そのFATEのメディカル・アドバイザー…

死ぬ権利協会世界連合がFENについて声明を発表

3月1日に連合会長 Juan Mendoza-Vega氏の名前で出されたもの。 the World Federation of Right-to Die Society の理事会は FENの幹部4人の逮捕を強く懸念している。 その一人FEN副会長のTed Goodwinを我々の多くは何年も知っており、 彼のことは非常に思…

英国の介護者支援について

以前から一度英国の介護者支援について書きたいと思っていたので、 昨日のエントリー「イギリスではなぜ散歩が楽しいのか」という本からを機に、 以下は「介護保険情報」2007年6月号の 「世界の介護と医療の情報を読む」という連載で書いた文章の一部で…

「障害児教育予算は優秀児教育に回せ」と優秀児と自閉症児姉弟の母親

NewsweekのMy Turn「私にも言わせて」コラムで 自閉症の男の子と優秀児(gifted child)の女の子がいる母親が 先にたいした見込みのない障害児にかけているお金を 娘のような能力の優れた子どもに能力に応じた教育を施すための資金に回してもらった方が 有効…

「イギリスではなぜ散歩が楽しいのか」という本から

Ashley事件を機に英米の障害児・者関連のニュースを追いかけながら ずっと気になっているのは 実際の支援がどの程度行われているのかが 断片的にしかうかがえず、全貌がなかなか掴めないこと。 いずれの国でも 福祉サービスを求める声に日本とはまるで違う権…

カナダで男性が幇助自殺希望:変質していく「尊厳」

Quebec州のAndre Dionさん(67歳)は もはや手術できない前立腺がんが全身に転移している。 毎朝40錠もの薬を飲んでいるが特に骨の痛みが耐えがたく、 尊厳のある死をさせてほしいとQuebec州の保健相にあてた手紙を Quebec州内の新聞数社に送った。 スイ…

「現代医学は健康な高齢者を患者にしている」

現代医学における予防医学重視と医療費節減インセンティブによって 75歳以上の健康な高齢者に対して予防的投薬が行われているが、 一人ひとりへの利益が実際にどの程度あるかということはきちんと検証されておらず、 高齢者への予防医学はむしろ有害、と BMJ…

「ホスピスだって時間をかけた自殺幇助」にホスピス関係者が激怒

FENの逮捕者4人のうち2人の弁護士のこの発言には 私も月曜日に別の記事で読んだ時に、 一体なんということを言うのだ!……と、頭に血が上った。 以下の記事は、これにホスピス関係者が猛反発している、というもの。 こちらの記事に引用された弁護士の発言をそ…

WA州で尊厳死法施行に。処方された致死薬のトラッキングは?

Washington州の尊厳死法が5日に施行されたのに伴って、 ここ数日間、関連ニュースが続々と出ています。 いずれも、だいたい似通った内容ですが、その中で特に目を引くのは、 このたびの新法に「参加しない」とオプト・アウトする病院が続々と出ていること。 …

クローニングで生まれた子が3人、既に9歳に?(伊)

イタリアの医師が9年前にクローニング技術で3人の子どもを誕生させた、と発表。 2人が男児、1人が女児で 3人とも元気で東欧で暮らしている、と。 この医師は94年に64歳の女性を体外受精で妊娠させて物議をかもした人物で、 脳腫瘍でこん睡状態に陥ったまま…

末期がんの英国人夫婦が揃ってDignitasで幇助自殺

Peter Duff さん(80)と妻のPennyさん(70)は英国の裕福な夫婦。 共に末期がん患者である2人は金曜日にスイスのDignitasクリニックで バルビツール系毒物を飲み自殺。 娘は両親の行為を「美しくすばらしいこと」と讃えるが 法律上の問題があるため詳細…

FDAと製薬会社の訴訟つぶしに待った

去年4月に製薬会社とブッシュ政権が訴訟つぶしを画策中のエントリーで 紹介したように、 製薬会社を規制することのできる専門知識を持っている唯一の機関がFDAである以上、 FDAの認可した医薬品の安全性については州法の判断範囲を超える、とする Pre-emptiv…

「死んだ息子の精子で代理母たのみ孫がほしい」認められず

23歳で癌で死んだMark Speranzaさんが生前に冷凍保存していた精子を使って 代理母に産んでもらって孫がほしいと、 Speranzaさんの両親がニューヨーク州の裁判所に判断を求めていたケースで 裁判所は両親の要望を却下。 Speranzaさんは癌から生還したら子ども…

Harvardの医学生が医療倫理改革を起こそうとしている

著名児童精神科医Biederman医師らの製薬会社との癒着スキャンダルに揺れるHarvard大学で 医学生たちが倫理改革の先頭に立とうとしている。 記事冒頭に“いかにも”なエピソード。 現在医学部4年生のMatt Zerden君は1年生の時の薬学の授業で 教授がコレステロ…