2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ロングフル・バース訴訟をテーマにPicoult近刊

当ブログでも 「わたしのなかのあなた」から 「わたしのなかのあなた」から 2 「わたしのなかのあなた」から 3 のエントリーで取り上げていますが、 “救済者兄弟”の問題をテーマに「わたしのなかのあなた」を書いた Jodi Picoultが今度は、 3月8日に米国…

英米加で進む自殺幇助合法化への動き

以下の記事によると、 米国ではOregon州、Washington州に続き、Montana州でも 自殺幇助が合法化されたようですが、 さらにHawaii州の議会でも 合法化に向けた審議が進められているとのこと。 Hawaii Bill for Assisted Suicide Fast-Tracked, Gets House Pan…

ES細胞治療受けた少年に脳腫瘍

少年は現在17歳。 どうもイスラエル人らしいのですが、 運動と言語機能に影響するAtaxia Telangiectasiaという遺伝病の治療として 2001年にモスクワの病院で胎性ES細胞を脳と脊髄に3回注射。 最初の注射から4年後に テルアビブの病院の医師が脳と脊…

IVFの遺伝子異常リスク、遅ればせの研究スタート?

ずい分と遅ればせな感じもしますが、 英国でのLuise Brownさんの誕生から30年以上、 生殖補助技術は安全だとされてきたけれど、 実は遺伝子の発現や発達パターンになんらかの異常を起こすリスクがあるのでは、と そうした調査研究の必要を感じる研究者が増…

Ashley事件リンク集 1 :2006年から論争当時の当事者発言

膨大な資料なので、すぐには完了しないと思いますが、 関連リンクのエントリー・シリーズを作り、時間のある時に少しずつ 手元の紙ファイル資料をリンクで整理していこうと思います。 追加やメモの訂正など、 このシリーズのエントリーには随時変更があるこ…

医学雑誌にも製薬会社がらみのバイアス、「ディスクロージャーを」と監視団体

ワクチンの安全性を監視するNPO、 the National Vaccine Information Center(NVIC)の研究者らが インフルエンザ・ワクチンの安全性に関する論文274本を調べたところ、 権威ある医学雑誌における論文の掲載や引用と相関関係があるのは その論文や研究そのもの…

自殺幇助合法化推進NPO,C&Cから終末期医療の7原則

Medical News Today の以下の記事によると 「終末期ケアの改善と患者の選択権を求めて活動するNPO」Compassion & Choices が 終末期医療の「患者中心ケア」基本7原則を提唱。 Compassion & Choices Urges 7 Principles For “Patient-Centered Care” To Guid…

末期でも植物状態でもない知的障害者の医療拒否、後見人に「並々ならぬ証明責任」

意思決定能力を欠いた人が終末期でもなく永続的な意識不明状態でもない場合の 後見人(guardian)による治療拒否に関する基準を Pennsylvania上級裁判所が2月10日に示しました。 詳細をNot Dead Yet がブログでまとめています。 Pennsylvania: Important …

父親が知的障害のある3人の息子の慈悲殺を希望(インド)

障害者への虐待を研究しているカナダ Alberta大学のSobsey教授のブログ icad の 1月29日のエントリーによると、 インドのKerala州で 知的障害のある10代の息子3人の医療費で生活が立ち行かないとして、 父親が地方自治体の長に対して3人への慈悲殺の…

知的障害者に大学教育を:連邦助成金で支援プログラム広がる

米国では昨年夏に高等教育機会法が議会を通過し (the Higher Education Opportunity Act) 12月には百万ドル単位の連邦政府からの助成金が決まったことにより、 知的障害者の大学教育へのアクセスを支援するプログラムが全米で急増中で 現在150のプログラムが…

障害児・病児の介護者の4分の1はレスパイトが不十分(米)

Wake Forest University Baptist Medical Centerの研究者が 2001年の障害児・病児のニーズ全国調査のデータを分析したところ、 障害児・病児の介護者の24%で必要なレスパイトのニーズが満たされていないこと、 民間の医療保険の人では公的な医療保険の人…

自閉症児の親が大手HMOを相手取り、集団訴訟

CA州で、自閉症児の親がHMOのKaiser Permanenteを相手取り、 自閉症の治療を拒否したとして集団訴訟を起こした。 California州では Kaiserに自閉症児を治療する法的義務があるはずだというのが原告の主張。 Kaiserサイドは 医療ケアはすべて提供していると主…

英国政府、障害児向け医療費予算を倍増

英国政府はこのたび発表した児童保健医療戦略(Child Health Strategy)の一環として 2008-2011期において障害児のための予算としてプライマリー・ケア・トラスト(PCT)に 34000万ポンドを追加する、と。 それにより障害児向けにPCTに下ろされる予算は77000万…

「魔法のパジャマ」の不思議

前のエントリーで触れた「魔法のパジャマ」について、 サイトの内容をよくよく読んでみたところ、 「どうすれば背が伸びるのか?」という箇所に書かれているのは ・ このテーマに長年取り組んできた会社が韓国の大学の医学研究所と3年かけて開発したパジャ…

インターネットの医薬品情報、その陰にいるのは?

オーストラリアの医療ジャーナリストが インターネットのFacebookやMySpaceなどのSNSやブログに 製薬会社が一般人を装って何食わぬ顔で参加しては、 巧妙に(時として違法な)マーケッティングを行っている、と警告している。 Who Is Behind The Medicines I…

裁判所、自閉症とワクチンの因果関係を否定

自閉症のワクチン犯人説では 発端となった論文はデータがガセだったという話が最近出ていましたが、 今度は MMRワクチンによって子どもが自閉症になったとして 家族が連邦政府のワクチン被害賠償を求めていた3つのケースで ワクチンが原因だとは言えないと…

“A療法”批判が出るとネット上で起こること

もう、特定の分野の研究者か、よほど強い関心を持っている人以外には 興味などなくしてしまっているとしか思えないAshley事件ですが、 それでも、まだ、たま~に、どこかのブログが取り上げることがあります。 その中に、何も分析も個人的な意見もなく、 こ…

自閉症治療への保健支払い義務付け、法案つぶれる(米)

4日に自閉症治療費めぐり保護者vs保険会社バトルのエントリーで取り上げた話題の続報。 民間の医療保険に自閉症の治療費支給を義務付ける法案が議会に提出されていましたが、 あえなく潰れたとのこと。 Autism Coverage Bill Fails The WP, February 12, 2…

伊で安楽死の女性、死因は心臓発作

イタリアの安楽死論争の渦中で栄養供給の管をはずされ、 9日に亡くなった永続的植物状態の女性 Eluana Englaroさんは 司法解剖の結果、 栄養供給を止められたために起きた脱水状態に起因する心臓発作で死亡したことが判明。 野党民主党が死ぬ権利に反対する…

ダーウィンの誕生日に「ダーウィン医学」について読む

9日にNY Timesにダーウィンに関する社説やらOp-Edやらが並んでいたと思ったら、 今年はダーウィンの生誕200年、しかも今日がその誕生日とのこと。 そんなこととはつゆ知らず、数日前から読んでいて奇しくも今日読み終えたのが 進化から見た病気:「ダーウィ…

問題を指摘しつつ「親の言うことは額面どおりに」と結論する“A療法”論文

前のエントリーに続いて、いただきもので the Hastings Center Report, January-February 2009に掲載の論文 “Respecting Children with Disabilities – and their parents” 「障害のある子どもを尊重すること ――親も含めて」 著者はThe Hastings Centerの上…

「自然に反する」A療法批判への批判論文

送って下さった方があって、 Bad Clipple さんが2月4日のブログエントリーで紹介していた Hastings Center ReportのAshley事件関連論文は以前から手元にあり、 読んでもいたのですが、なかなか頭の整理が出来ずにいました。 でも、そろそろ、まずは3本の…

8つ子の母は障害者手当てを受給、子ども3人にも障害児手当て、生活保護も

つくづく、この人に体外受精で妊娠させた医師は、どうかしている、と思う。 あの8つ子の母親Nadya Sulemanさんには、すでに6人の子どもがいて、 すべて体外受精による妊娠だったことは既に報じられたとおりですが、 今度は、 Sulemanさん自身がかつて技術…

4歳児のかんしゃくとケンカを「反社会的行動」と呼ばわる発達の専門家の調査

ただの素人の分際でエラソーなことを言って申し訳ないけど、 研究者って本当はバカなんじゃないんだろうか……と思うことがある。 反社会的な行動を取る人間が生まれるのは、いったい妊娠中の母親の何が原因なのか。 それは果たしてタバコの煙なのか酒なのかス…

伊の安楽死問題、首相に大統領に議会にバチカン巻き込み大騒動に

イタリアで 父親の希望で永続的植物状態の女性への栄養供給を中止した病院の決定を巡って バチカンと組んだ首相が病院に中止を止めろという命令の案を作り すると大統領がそれに署名することを拒否する……という大騒ぎに。 イタリアでは安楽死は違法行為。 患…

「意思疎通できない」という医療基準のコワさ

シアトル子ども病院が自ら組織して(この鉄面皮には呆れるのだけれど) みんなで議論を行った末に(何故そんな必要があるのかよく分からない)妥協点に達したと称する ワーキング・グループが、 成長抑制の対象となる子どもの障害像の基準として挙げているの…

成長抑制正当化「まるで催眠術」と全盲の作家Kuusisto氏

先天的な視覚障害者で作家のStephen Kuusisto氏が 自身のブログでAshley事件の最近の展開を取り上げて いくつか鋭い指摘をしています。 まず、シアトル子ども病院で成長抑制が強引に正当化されようとしている事実に注意を喚起し、 障害学の学者や障害者の人…

8つ子出産の母これまでの妊娠もIVF:州が調査に

8つ子を産んだ母 Nadya Sulemanさんが 6日にテレビのインタビューに応じて語ったところによると、 今回生まれた8つ子以外の6人もすべて 友人男性の精子の提供を受け体外受精で産んだ、 しかも体外受精のたびに6個の胚を子宮に戻してもらった、 今回も6…

遺伝子改変ヤギを製造工場にして作った薬をFDAが認可

動物を人間に必要な医薬品の製造工場として使おうという長年の夢がかなった、 大層めでたいニュース。 遺伝子操作を行って、 珍しい血液の遺伝病の治療に使われる薬の成分を乳の中に分泌するヤギを作り、 その乳から取り出した成分から製造された薬を今回初…

CA州の弁護士が回想録で両親の自殺幇助を告白「尊厳死法を」と

California州在住の弁護士John West氏が 回想録The Last Goodnights: Assisting My Parents With Their Suicides を出版、 その中で10年前に両親の自殺を幇助したことを明かしたとのこと。 以下の記事では、West氏の出版を受けて 終末期の自己選択のアドボケ…