“A療法”批判が出るとネット上で起こること

もう、特定の分野の研究者か、よほど強い関心を持っている人以外には
興味などなくしてしまっているとしか思えないAshley事件ですが、

それでも、まだ、たま~に、どこかのブログが取り上げることがあります。

その中に、何も分析も個人的な意見もなく、
この2年間の諸々の展開にもまったく触れないままに
ただ2007年当初の記事をそのままコピペしただけという
ちょっと不可解な取り上げ方をするブログがあることに
前から気はついていたのですが、

ヘンだなぁ……と意識するようになったのは最近で、

今日また、これを見つけて、
いよいよ、これは絶対ヘンだ……と。



タイトルは
「あなたはAshley X に起こったことに同意しますか? 賛否その理由を説明してください」

長いエントリーなのですが、
実はこれは2007年1月4日のAP通信の記事全文なのです。
(コピーライトがあるから再掲禁止などと書かれている部分までコピペしてあります)

独自に書き加えられているのは冒頭のわずかな部分で
AshleyケースについてAPのLindsey Tannerがこう書いた、という説明に続いて
このケースを議論しよう。Ashley家族のブログを読もう」と書かれています。

そして、この、情報としては今さら何の意味もない記事に対して
即座に入っているコメントが1つ。

「最初は酷い親だと感じて反対だったけど、
詳しく知るにつれて子どもの最善の利益を考えているんだと分かってきました。
小さいままだったら親がずっと関って愛してやれるのだから本人のためです。
本人の同意なしに臓器をとってしまうなんて一見むごいと見えますが、
生理痛には正常な女性だって苦しみます。
障害のある女性がどう対処するというのでしょう?」

どうにも妙だよね……と思ったので、
今回はこのブログの背景をトップページから覗いてみたら、
医療機器のメーカーさんたちが集まってやっているブログでした。

どうも、ネット上で批判が書かれると、その後には
こういうブログが登場してくるように思われるのですが、
もしかしたら世論に忘れられないために、
一定の間隔で出てきているのかもしれません。

それにしても、
2007年1月16日のSeattle Times の社説もそうですが、
Ashley父や子ども病院の手が入っているのではないかと私が個人的に疑っている文章には
かならず「父親のブログを読め」と書いてあるのが、彼の肥大した自我を思わせて、笑える。

あれさえ読んでもらえば理解されないはずがないと、彼は今も信じている――。

それは、もちろん、笑い事では全然ない。