2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Dvorsky、両親インタビューをブログで紹介

父親のブログに引用されていた 「大人の体に赤ん坊の中身が宿っているのはグロテスク」という発言は Ashley事件に詳しい人なら記憶にあると思いますが、 その「グロテスク」発言のGoerge Dvorskyが 自分のブログでAshleyの両親のインタビューについて紹介し…

こども病院はなぜ沈黙しているのだろう

Diekema医師が1月にCalvin大学で講演を行った時から 解せないなぁ……とひっかかっているのですが、 シアトル子ども病院は去年5月のワシントン大学でのシンポ以降、 Ashleyのケースに関しては完全に沈黙しています。 去年の秋にGunther医師が自殺した際にも、 …

ホルモン療法の発がん性

医療職と更年期の女性以外にはあまり知られていないかもしれませんが、 ホルモン補充療法には発がん性があるというのは周知の事実。 乳がんとの関連性を示す研究結果が発表された翌日には 米国でホルモン療法を受ける女性が半減したというニュースを読んだ記…

自殺幇助のKevorkian医師、下院出馬の意向

1990年代に独自に装置まで考案して130人もの患者の自殺を幇助した Jack Kevorkian医師が去年釈放されましたが、 以下の地元オークランドの新聞によると 下院議員選に出馬するつもりなのだとか。 腐りきった政府に正直とまごころを持ち込まなければならん、と…

Ashley父、CNNに早速反論

Ashley父は記事が掲載された12日に 早速ブログでAmy BurkhorderのCNN記事に反論しています。 彼の気に入らなかったのは以下の3点。 (丁寧な口調に隠れて覗くホンネを翻訳してみました) ①違法だったと書かれたのが気に入らない。 病院だってAshleyにはいい…

Ashley両親へのCNN質問一覧

3月12日のCNNのインタビューを読んでいると 質問項目の立て方がちょっと気にかかってきます。 親が回答の中で 今後も「クオリティの高い」書面インタビューなら検討すると 書いていることを考えると、 父親から相当な注文がつけられて、 それを承諾した上で…

Ashley父のCNN発言

3月12日の両親のインタビュー(CNN)から特に目に付いた点を。 (一応両親ということになっていますが、実際には父親が書いたものでしょう。) ①Ashleyの最近の様子としては家族と一緒にいるのを喜んで輝くような笑顔になると語る一方で、 家族以外との関わ…

米小児科学会に“A療法”承認の動き?

前のエントリーで紹介したCNNの記事2本のうち、 Ashleyの両親のEメール・インタビューについても 別途まとめようとは思いますが、 取り急ぎ、非常に懸念される内容が そのインタビューに関するもう1本の記事の中にあったので、 先にまずその件についてのみ…

Ashley事件に大きな動き

まだざっと目を通しただけで たちまちしっかり読む時間がないのが歯がゆくてならないのですが、 “Ashley療法”論争に大きな動きがありました。 書面でですが両親(といっても書いたのは父親でしょう)がCNNに登場。 質問に答える形で延々と語っています。 'Pi…

尊厳死協会の世界連合

「死ぬ権利」協会の世界連合……という名前の組織 the World Federation of Right to Die Societies のサイトにたまたま行き当たって、 考えてみれば、 「そりゃ、そういう国際組織だってあるだろうよ」とは思うものの もともと世間知らずで無知なので、それな…

「聾の子どもを産む権利」論争

去年12月のエントリー遺伝子診断で障害も重病も弾くつもり?(英国)と その後3月7日にも「障害児はnon-person」と英国上院で」で触れましたが、 英国上院でのヒト受精・胚法案が 着床前診断による障害児の排除を謳っていることが懸念されています。 そ…

精神障害者へ自殺幇助可能に(スイス)

前のエントリーで触れたスイスの記事を読んでみました。 スイスでは既にターミナルな病人に対しては一定の条件下で 医師による自殺幇助が認められており、 過去4年間にチューリッヒのDignitas Clinicには 自殺幇助を求めて54人の英国人が訪れたとのこと。…

2007重大ニュースはAshleyとGonzales

American Association of People with Disabilities (AAPD)が 公式サイトのアーカイブに入れた 生命倫理問題に関する2007年のウェブ情報一覧。 Archived Bioethical Issues このリストを見てみると 米国での障害者運動にとって去年の2大事件が シアトル…

医薬品コマーシャルの副作用

薬のコマーシャルや広告が急増。 それを見て医師に処方を求める人が急増。 それを受けて求められるままに処方する医師も急増。 ……というUSATODAYの記事。 As drug ads surge, more get Rx’s filled USA Today, March 4, 2008 で、こちらは同日・同紙の記事で…

日本のNICUでは

以下は私自身のブックマークとして。 積極的延命か 安らかな最期か・・・小さな命の終末 2006年8月21日 読売新聞

臓器移植で「死亡者提供ルール」廃止せよと

Boston Globeの以下の記事冒頭で 「脳死」概念は実は一般に考えられているほど明確でも確立したものでもなく、 臓器は患者が死亡してから摘出するというルールはしょっちゅう破られている、 こんなルールは廃止するべきだ…… ……というRobert Truog医師(Harva…

Latimer事件についてHendersonが批判

93年に重症障害のある娘を殺したカナダのRobert Latimerが先ごろ保釈されました。 いまだに有罪判決を覆そうとロビー活動を続けているとのこと。 彼の保釈を機に、 Toronto Star紙の障害当事者コラムニストHelen Hendersonが 彼の正当化の論理に反論してい…

これが8回目という代理母

以下のTimesの記事によると 英国の43歳の女性がこの16年間で8人目となる代理出産を控えているとのこと。 Surrogate mum to break record with eighth child Times, January 20, 2008 彼女には自分の子どもはおらず、 これまでの7人の出産はすべて報酬…

もしもAshley父が「親の負担軽減」を言ってたら?

Diekema医師は 「子どもの利益と介護者である親の利益は分かちがたい」と主張しています。 しかし父親は 親の介護負担軽減が目的だとの批判に対して 「そうではない、あくまで本人のQOLのためだ」と何度も繰り返していました。 「絶対に親の介護負担軽減のた…

シャイボ財団、「無益な治療」批判のラジオ番組をスタート

植物状態に陥ったものの自発呼吸はあるのに 夫からの尊厳死の訴えによって 栄養と水分補給の中止を裁判所が認め 2005年に餓死させられたTerry Shiavoさんの死後、 裁判で夫と対立したTerryさんの家族は The Terry Schindler Schiavo Foundation という財団を…

「障害児はnon-person」と英国上院で

昨年12月に遺伝子診断で障害も重病も弾くつもり?(英国)のエントリーで触れたように 英国上院でのヒト受精・胚法の改正法案の審議に伴い、 優生的な動きが懸念されていますが その議論において 「障害児はnon-person であって、人間として viableではな…

VAの出産関連神経障害保障プログラム

米国で初というヴァージニア州の、このプログラム、 正式名称を the Virginia Birth-Related Neurological Injury Compensation Program と。 ぶっちゃけていえば 出産時に何らかの原因で子どもが脳性まひになった場合に 医療過誤で医師や病院を訴えたりしな…

母親による障害児殺し起訴同日かつての障害児殺しの父親Latimer保釈

カナダ、オンタリオ州で 17歳の脳性まひの娘Courtney Wiseを殺したとして 母親Astrid Hueller(46)が逮捕されたのは2月27日。 Astridはシングルマザーで Courtney Wise を含めて複数の子どもをひとりで育てていたとのこと。 ちなみに彼女が起訴され…

「利益vsリスク」論は前提がおかしい

前々からずううううううっと不思議でならないのですが、 「利益vsリスク」の差し引き勘定による「最善の利益」論というのは 根本的におかしいんじゃないかと思えてならないのは それって、 そもそもの前提が「やってもいい」に立っているじゃないか、と。 リ…

Katie事件に見る「障害児の母親」ステレオタイプ

英国のKatie Thorpe事件を振り返って ああ、あそこにも「障害児の母親」を巡るステレオタイプがあったなと思うのは 同じことを要求し主張したAshleyの父親に対しては 端的に今回の決定を巡っての批判がされたのに比べて、 Katieの母親Alisonに対する批判には…

「障害児の母親」というステレオタイプも

北海道で知的障害のある中学生がずいぶん前から行方不明になっていて ついに公開捜索に踏み切られたという以下のニュースを読んでいたところ、 <公開捜索>知的障害の中3生、施設から行方不明に 北海道 毎日新聞 3月3日 ネットではいつものことなのかもし…

イラク市場テロ、カルテにダウン症情報なし

2月1日のイラク市場での自爆テロ事件に関連して、 当ブログでは以下のエントリーで「犯人知的障害女性説」に疑問を呈してきましたが、 バグダッドの市場テロ ダウン症女性との情報あるも ちょっと妙だよ 市場テロ障害女性説 やっぱりおかしい 市場テロ障害…

「尊厳死を巡る闘争:医療危機の時代に」 3

「末期であること」を尊厳死の要件にしながら その一方で意識の有無を問題にして植物状態を尊厳死の対象にするのは 日本尊厳死協会の矛盾であると指摘した際に小松氏は 「植物状態はコミュニケーション障害である」との自説を展開します。 当ブログでも「ス…

「尊厳死を巡る闘争:医療危機の時代に」 2

前回のエントリーで紹介した 「現代思想」2月号の対談「尊厳死をめぐる闘争」から、 そっくりそのまま“Ashley療法”批判にもあてはまると思われる “尊厳”をめぐる小松氏の発言を以下に。 ……ここでやはり問うべきは、尊厳死の前提となる人間の尊厳とは何か、…

「尊厳死を巡る闘争:医療危機の時代に」 1

「現代思想」2月号に上記タイトル通りのタイトルで 日本尊厳死協会副理事長の荒川迪生氏(内科医)と 生命倫理学者の小松美彦氏の対談があるのですが、 その中で射水市民病院の尊厳死事件と 中島みち氏の「『尊厳死』に尊厳はあるか」での指摘が取り上げら…