THニズムとラエリアンムーブメント

ほんの遊び半分に某SNSで検索してみたら
「トランスヒューマニズム」というコミュニティがちゃんとあるのに驚いて、
とりあえず覗いてみたところ
THニズムについての解釈が
ご本家世界THニズム協会とかなりズレているのはご愛嬌としても
いや、たまげました。

このコミュニティの管理者がなんと
ラエリアンムーブメントの日本の支部長さんだった。

ラエリアンムーブメントって、
クローン人間を作ったといつぞやお騒がせ宣言をしたり
宇宙人と交信して宇宙からのメッセージが云々といっている、
あの得体の知れない団体ですよね。

確かにクローン人間をつくってしまおうなどという発想は
とてもトランスヒューマニスティックですが、

その一方でよく分からないのは
ラエリアンの日本支部公式サイトに紹介されている
教祖(と呼んではいけないのかな)ラエルの著書タイトルが以下のようにIntelligent Design。


インテリジェント・デザインというと宗教右派なんだとばかり思っていたので
ラエリアンが科学と技術による人類改造思想であるトランスヒューマニズムと繋がって
それで同時にインテリジェント・デザインを説くというのは
いったいどういうこっちゃ????? 頭が混乱したのですが、

アマゾンの読者書評を読んでみると
絶賛する人が「進化論にも神にも飽き足らない人に最適の理論」だと書いているので、
ラエリアンが説くインテリジェント・デザインというのは
宗教右派が説くインテリジェント・デザインとはまた別物なのでしょう。

実際、ウィキペディアインテリジェント・デザインの項目を読むと、
ラエリアンムーブメントなどの怪しげな宗教に改変して利用されやすい
懸念についても言及されています。

なるほど「改変」なわけですね。
インテリジェント・デザインもTHニズムも改変して、
いろんな人がラエリアンに入りやすいように入り口を増やしていくってことなのでしょうか。

ところでウィキペディア
ラエリアン・ムーブメント を検索すると、
項目のずうっと下のところで
ラエリアンインテリジェント・デザインとTHニズム3者の
意外な共通点に気づく。

それは仏教。

ウィキペディアによると仏教はラエリアンに近い考え方だとされているらしいのですが、
(HPで白人教祖が白い着物にちょんまげ姿なのは、そのため?)
トランスヒューマニストらも、なにやら仏教が好きらしい。
インテリジェント・デザインが「これは科学だ」と言い張るときに
合理化のツールに持ち出したのも仏教だったらしい。

ちっとも科学的じゃないのに現代社会において科学と共存しているところが便利だから?
キリスト教の神のように科学と対立しないから?

でも、THニズムに限って言えば、
彼らの“執着”こそ仏教が追求する理想の対極にあるように私には思えるのですがね


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それにしても
こういう思いがけない繋がりがひょいっと目の前に展開したりすると、
自分の頭の構造がいかに単純で
いかに宗教右派とか障害者との2極対立軸でしか
THニズムを捉えていないかを思い知らされますね。

ちょっと世の中が混沌としている現実に直面すると
もう……ワケわかんね。